日本製紙クレインズの試合を39回も見てしまった私...。
(1)プロローグ
はっきり言うと、去年は悔しくなかった。「いいものを、しかも5試合も見せてくれてありがとよ」、という気持ちだった。連勝したときは、「あわよくば」というスケベ心があったのは事実だった。しかし、コクド相手にセミファイナルで2勝し、あと1勝すれば「歴史が変わった」かも知れなかったことは紛れもない事実なのだ。しかし、結果は「4位」だった。コクドと、そして上位2チームとクレインズとでは「何が」違ったのか。「1試合の勝敗価値が異常に高い試合」の経験の差なんだろうか?。それを言ったら、クレインズは未来永劫、上には行けないのか?。いや、そんなことは無いはずだ。何が違うのか?。選手自身の気持ちの問題は当然のこととして、応援している私自身の態度に問題は無かったか?
。「悔しくなかった」「いいもの見せてくれてありがとう」「あわよくばファイナル進出」、等という自分自身の「後ろ向きな気持ち」が、結果的にクレインズを「4位」のままにしてしまっているのでは無いのだろうか?。「クレインズに結果を期待してはいけない」のではなく、「常に結果を期待されるクレインズ」という状況にしなければいけないのではないのだろうか?。
「意識改革」。
私の中にある「負け犬根性を払拭する」、それが今季の「応援テーマ」なのだ。「負け」はいらない。欲しいモノは「勝ち」だけなのだ。

(2)前半戦
西武、コクドと共に延長戦で撃破し、戦力が揃っていなかったバックスも圧倒して4勝1敗で一時「単独首位」に立つ。今年は違うと、期待させておきながら、本当に「違うのか」という判断をすべく「私の予定外の行動」で乗り込んだ翌週の釧路で雪印に2連敗。これをきっかけに、神戸、苫小牧、釧路、帯広、札幌とおよそ一ヶ月近く勝ち星から見放される「悪夢の7連敗」。ショックだったのは、札幌月寒集結初日でバックスに「歴史的初勝利」を献上してしまったこと。何がファイナルだ、何がプレーオフだ。そんな事をほざいている場合ではなかろうに、と、本気で先行き不安になった時期だった。
何が悔しいって、その7連敗を全部観てしまったこと。このHPでもさんざん言っているが、私は「7連敗を見た唯一の男」と胸を張って言える(言いたかぁないが)。
・再三に渡るパワープレーを生かせなかったこと。
・ショートハンドではきっちり守れるのに、フルストレングスで弱かったこと。
この2点は、最後まで私のクレインズに対する「疑問点」として残りました。
いずれにせよ、連勝、連敗を繰り返すようでは、まだまだ「勢い」という名を借りた「見せかけだけの強さ」でしかない。仮にプレーオフに出場できたとしても、負け越すようなら私は納得しない
と思いましたね(救いは、この7連敗で、同一カードの連敗を雪印戦だけにとどめたこと。その後の苫小牧での王子戦、釧路でのコクド戦もさんざん押されながらも2連戦の2戦目を引き分けに持ち込んだところが最終順位に大きな影響を及ぼした。ただ、引き分けの内容そのものが納得できなかったのだ)。現に7連敗しても雪印と4、5位争いしているっていう、雪印の人も良さもいかがなものかと思いましたが、ま、人のことはいいとして...。最悪の状態で月寒集結2日目の雪印戦を迎えたのだった。

(3)後半戦(パート1)
まさに崖ップチに立たされた札幌集結2日目の対雪印3回戦。連敗を止められると思っていたバックス戦でまさかの苦杯を喫してしまった(バックスファンには申し訳無いが、この時点で、この先、バックスに思いっきり苦しめられるということも認識できなかったこと自体も大きな問題だったのだが...)。この先、どこまで負けてしまうのか?。まさに剣が峰。どころが、クレインズというチームはわからない。ここまで不安要因を抱えているにも関わらず、この重要な試合を西武2戦目のサヨナラ勝ち以来精彩を欠いていた飯塚の2ゴールが効いて連敗を止めてしまったのだ。勿論、飯塚の2ゴールだけが勝因だとは思わない。追い込まれると踏ん張る。逆に言うと、追い詰められないと頑張れないという、クレインズの不思議な「秘めたる力」を再認識させられた。釧路から駆けつけた、つるっ子マニアはじめ地元の応援団も功績も忘れてはならない。この試合を境にクレインズは「憑き物が取れたように」勝ち始める。それも王子、西武を相手に4連勝。しかも2失点以下に押さえてしまう。一気に貯金1まで戻す快進撃を見せ、3位王子はもとより、2位西武の背中まで見えた。冴え渡るゾーンディフェンス。斬れまくるドプソン。きっちり決める1つ目。攻守のリズムが見事にかみ合っていた。これで、上位進出に期待を持たせておきながら、またもや日光バックスに痛い目に逢う。日光2連戦の初戦はあっという間に2点を先制された劣勢を辛うじて引き分けに持ち込んだものの、クレインズに対して完全に自信を持ってしまったバックスの守りに手を焼く。そして、デジャーステッド、カウフマンの両外国人に翻弄され、地元初勝利まで献上してしまう。またしても「クレインズらしさ」が飛び出してしまった。期待されるとつまずく。しかし、1999年最後の試合。札幌での雪印2連戦では当面の敵をあっさり叩いて連勝し、3位で折り返す。強いんだか弱いんだか解らない。強さと弱さが同居する不安定なチームであることはハナっからわかってはいたが、今季ほど、それが色濃く出たシーズンは無かった。

(4)インターミッション<全日本選手権>
その「不安定さ」の悪い面が、この全日本選手権で出てしまった。いかにコクド、王子が相手とは言え、予選で1点しか取れないというのは情けない。しかも5位決定戦で苦手のバックスにまたもや敗退。「どん底」でしたね、この時期は。
せっかく、ファンを引き付ける要素を持ち合わせていながら、肝心なところでその期待を裏切る。しかも「思いっきり」。この気質は十條製紙時代から、選手の顔ぶれこそ変われど、まったく変わっていない(笑)。

(5)後半戦(パート2)
そして、再開後のコクド戦。初戦を大敗するも、2戦目は2ピリ途中まで3点のリードを奪いながらも、反則で1点差に詰め寄られると、3ピリに同点、そして逆転...。相変わらず、である。釧路に戻った王子戦を1勝1敗で辛うじて乗り切り、プレーオフ出場をようやく勝ち取るが、3位の目が出てきた時点で西武にいとも簡単に破れる。ところが、当面の敵、王子もお付き合い。気がついたら自力3位の目が残っていた。勝負は東伏見集結のバックス、雪印の2連戦に持ち越された。いままでの、クレインズの「気質」ならば、ここで「裏切って」しまうのだが、初日のバックスを完封で退け、9年前と似たようなシチュエーションとなった雪印戦で、終始、雪印を圧倒し、自力で3位を奪取したのだ。念願の3位抜けをやってのけたばかりか、通算成績で王子製紙より上に立ったのだ。
何の気まぐれか、今季、クレインズを追っかけてしまった私は、「このチームを応援すると本当に疲れるということを改めて実感した」(以前から解ってはいたが...)。

(6)プレーオフ
この文章を「ファイナル」の試合を見ながら書いてます。ファイナルに出ているチームを応援している人の顔を見てると、悔しいけど、羨ましいです。みんな「良い顔」してるもの。本当に羨ましい。冗談抜きで。自分も「良い顔」してみたい。やっぱりファイナルに出ているクレインズを私は応援したい。結局、言いたいことはそれだけです。セミファイナル程度じゃ満足できません。

(7)最後に
「王道」を目指してほしいんです。勿論、たやすいことではありませんよ。でも、今、ファイナルを戦っているチームよりも上に行くには、「プライド」を高く持ってほしいんです。負けることは許されない、という気持ちを常に持っていて欲しいんです。でなきゃ、絶対に上に行けませんよ。
”Wie ein Held zum Siegen!”

<1999−2000シーズン 私の目前成績>
|
合計 |
日本リーグ
レギュラー |
日本リーグ
プレーオフ |
全日本
選手権 |
STV杯 |
観戦 |
39 |
28 |
5 |
3 |
3 |
勝利 |
15 |
12(延長2) |
2(延長1) |
0 |
1 |
敗戦 |
21 |
13 |
3 |
3 |
2(延長1) |
引き分け |
3 |
3 |
− |
− |
− |
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