第69回全日本アイスホッケー選手権大会 Aグループ 準決勝
日本製紙クレインズVSコクド(国立代々木競技場) 観戦記

(0)プレリュード
 もう結果は知っていると思うし、こっちも今日はまともな観戦記を書くだけの気力が無いので、サラっと終わらせます。どーせ、明日は「早起きおじさん」しなきゃいかんのだよ、チクショー。
 で、チクショーついでに、一つ言っておきたいことが。この試合の2ピリか3ピリあたりで、クレインズサイドのペナルティボックス後方からフラッシュを使ってリンクにカメラを向けて写真を撮っていた大バカモノ(敢えてこう言ってやる)が居りました。しかも2度もフラッシュ撮影しやがった。あの場所には一般の人間が入れない場所であるため、その「大バカモノ」は役員、関係者であることに間違いありません。連盟側はたとえ関係者やお偉方であっても、その点はキチンと注意してください。
【クレインズ】
33−41
18−20−32−22−7
96−92−24−3−34
10−27−14−2−23
13−39−19−77−9 
何故、佐曽谷を外したのか?。理解に苦しむ。
今日は勇、圭祐、そして大滝の出場はなし。
【コクド】
1−44
18−71−34−5−11
75−30−12−7−9
17−16−24−39−3

41−14−13

【レフェリー】山田幸司
【ラインズマン】高橋、村瀬
ホームチームはコクド。

(1)第1ピリオド
 昨日同様、開始からコクドがクレインズ陣内にズカズカと入り込まれるが、

 0:27 K34 Boarding

いきなりPPをもらうも、コクドの早い潰しにクレインズは攻めあぐねる。逆に、

 3:02 C10 Holding Stick

しかし、コクドはこのチャンスをきっちりモノにする。

 
4:09 コクド先制 G41←11

ポイントの位置から放たれたシュート。ロブのマタを抜けゆっくりとゴールラインを越えていく。どう考えてもゴールになっちゃうなと思ったら、K34がスティックを出し自分のゴールにしてしまった。
しかし、昨日バックスの1つ目と当たり続けていたせいか精彩を欠いていた2つ目。今日もコクドの1つ目が当たってくるという厳しい状況で、相変わらず連係プレーに冴えが見られないが、敵陣のボード際で原武が踏ん張ったところからパスがつながり、ゴール右(岩崎から見て)後方の腰越からゴール左前へのセンタリングを飯塚が合わせた。

 
6:22 すかさず同点に追いつく G24←92←34

ゴール前をキッチリ固めていたコクドだったが、このときばかりはとゴール前で頑張った正和の存在も忘れてはいけない(ただ、2つ目が良かったのはこの時だけ。後は、私らの「叱咤」対象に成り下がってしまいました)。
ところが、自陣での球出しに失敗し、K18をゴール左前(ロブから見て)フェイスオフサークル中央付近でフリーにさせてしまった。ゴール前にはクレインズDFが入っていたがそれがアダになったか...、

 
7:13 即、突き放される G18

ブラインドになっていたのか、ロブ、自分の左元あたりに飛んできたパックに全く反応できず...。
その後も、コクドの早い潰しと自陣でのプレスにてこずりDFから有効な球出しがなされず、攻めが機能しない。逆にコクドはクレインズの守りのスキを突いて優位に試合を運ぶ。しかし、

 11:57 K75 Hocking

 18:11 K71 Roughing

と、優位に試合を進めているハズのコクドが反則を犯してくれておきながら、2度のPPを生かせなかったのが結果的に命取りになった。シュートは出ているが、ゴール前をガッチリ固めているコクド守りは一発のシュートではこじ開けあれない。もっと敵陣で動き回り、コクドの守備隊形を崩すような激しいプレーを期待してたのだが...。
Shots on Goal:C10、K8。

(2)第2ピリオド
2ピリに入ってもコクドのスピードは落ちない。それを止めに行くと、

 0:42 C7 Hocking

となってしまう。しかし、昨日から好調の辻が2度もパックを奪い時間を稼ぐ働きを見せると逆に、

 2:33 K7 Interference

コクド陣内でプレスをかけていた史郎がルーズパックを拾おうとスティックを出そうとしたところを邪魔する。今日3回目のPPをもらうが、竹内とダーシ、雅俊の息が合わずオフサイド連発。またもやチャンスを逸したかと思いきや、

 6:45 K71 Tripping

クレインズのPP成功率から考えれば4回目なら決まるでしょう。
放り込んだパックをゴール裏で岸部がコクドDFと競り合い奪うと、ダーシにつなぎ、ベンチ側ポイントの位置に居た史郎へ渡る。すかさず史郎がシュート!。

 
8:07 ようやく決まったPP G18←27←20

綺麗にゴールネットが揺れたので史郎のゴールだと思っていたら、なんとまたもや雅俊がゴール前で角度を変えていた。何という男だ。
同点を境にクレインズもコクドの運動量に引けをとらない動きを見せ始め、コクドゴールを脅かす場面が増える。昨日同様、匡史、山野、史郎で見せ場を作る。しかし、コクドも守備から攻撃へのスピードが早くカウンター攻撃も何度もくらう。しかし、その都度、身を挺して飛び込みシュート&パスチャンスを潰すDF陣。最大のピンチは11分過ぎ、2つ目の連係が悪く自陣ブルーライン上でパスミス。それをK75に拾われノーマーク。万事休すと思いきやオフサイド。クレインズも負けずにカウンターを奪うという激しい攻防の連続。また、一瞬のスキをつき、岸部得意のセンターラインパスが山野に通る。しかし、自分の決めに行かずパスしようとしてチャンスを潰す。そして2ピリ終了直前に1つ目がコクド陣内でパスをつなぎ、コクドの守備隊形をズタズタにする。最後はクリアし切れずゴール正面のブルーライン付近に流れてきたパックを飛び込んできた竹内が叩くと、

 19:30 コクドゴールネットが揺れる。遂に逆転か?

しかし、その時点でレフェリーが「バンザイ」しているではないか。悔しがる竹内、そして雅俊。おそらくゴール前に入っていた雅俊がインクリ−ズを取られたかと思ったのだが、直後に乱闘が始まってしまった。賢吾とダーシがK3、K9と激しくやり合う。止めに入る両チームの選手達。一旦、収まったかに見えた乱闘も、K12が転がっていたクレインズのヘルメットをクレインズベンチ方向にシュートしたことから乱闘が再開。結局、その時氷上に居たGK以外の選手全員が反則となる始末。

 19:30 C32、C18、C34 Roughing
 19:30 C3、C20 Roughing(ダブル)
 19:30 K30、K71 Roughing
 19:30 K3、K9 Roughing(ダブル)
 19:30 K12 Roughing&Unsportsmanlike Conduct

というわけで、相殺された結果、クレインズにマイナー1個分のPPが転がり込んできた。しかし、前述の竹内のシュートは、その前にゴールが動いていたらしく、竹内のシュートがゴールに入るか入らないかの段階で笛が鳴っていたらしい。ただ、クレインズの攻めにゴールを守るのに忙しくなった岩崎が自分でゴールを動かしていたという情報もあったが、定かではない。
Shots on Goal:C10、K4。

(3)第3ピリオド
 結局、1分半あったPPは生かせず。その後は、双方ともカウンターを恐れて淡白な攻めが続く。しかし、コクドの方が手数が多かった。フェイスオフ直後のパックをそのままシュート。プレイヤーの足元に転がっているキープしずらいパックをなんとかパスとして生かしワンタイムでシュート。そして、徐々にクレインズ陣内に放り込まれたパックに次々と飛び込んでくるコクドプレイヤー。それをなんとか凌ぐクレインズDF陣。しかし、いつしかその守備は体を使ったものからスティックへと甘くなっていく。コクドが1ピリ同様優位に試合を運んでいたが、クレインズゴール付近でコクドが反則を犯す。

 14:06 K16 Interference

6回目のPP。最大の勝ち越しのチャンス。そして決勝へ進むための最終キップとも言えるPPが転がり込んで来た。しかし、ここで踏ん張ったのがコクド。クレインズの攻めを単発に終わらせるどころかK75がカウンターで攻め込み最後にK12が飛び込んであわやショートハンドゴールかというところまで追い詰められる。
クレインズ唯一のチャンスと言えば、ポイントの位置に居た竹内からのパスがゴール右(岩崎から見て)脇に居たダーシに渡る。得意のポジションだったが、岩崎に体を寄せられてシュートコースを消されてしまったぐらいか。結局、クレインズは決め手の無いまま、コクドの攻勢を凌ぎ3ピリ終了。
Shots on Goal:C8、K12。

(4)オーバータイム
6回あったPPをモノにできなかったツケが回ってきた。
クレインズは思うように攻め込めず、3ピリの流れをそのまま引きずっているイヤ〜な展開が続く。2分過ぎ、恐れていたことが起きる。クレインズ陣内に放り込まれたパックは最初にクレインズDFが追いついたが、二瓶、菊池に突っ込まれパックを奪われると、今度はパックキャリアとなったその2人を追う展開。しかし、一瞬、二瓶へのマークが外れたその隙にブルーライン中央に居た川口にパスが出される。クレインズプレイヤーはゴール周辺に固まってしまっており、フリーの川口を押さえに行けない状況に。既にフォーカスを定めていた川口が放ったシュートが準決勝を終わらせることになった。

 
2:19 しゅーりょーー(矢部っち調で) G11←41←14

「遠めからはグラウンダー」の鉄則から足元を固めていたロブ。まさか自分の前に居る味方がブラインドになって、肩口に決まってしまうとは...。もっとも、シュートを打たれる前にその芽を潰すことができなかったことが気に入らない。

Shots on Goal:C1、K1。

「ここ一番に力を発揮できるか」という力の違いをまざまざと見せつけられた。現在、リーグ4位に甘んじてはいるが、「ここ一番に力を発揮する」ことが体に染みついているコクドと、そうでないクレインズの違いを見た気がする。これがクレインズに足りないところであり、だからこそ越えなければならない「壁」なのではないか?。
「ここ一番に力を発揮する」→プレーオフを見据えて戦って欲しかった...。