第69回全日本アイスホッケー選手権大会 Aグループ 3位決定戦
日本製紙クレインズVS西武鉄道(国立代々木競技場) 観戦記

(0)プレリュード
 正直に白状します。昨日、負けた時点で、今日はリンクに来るつもりはありませんでした。ですが、昨日、代々木でちょっとしたミスをやらかしてしまったために、代々木に行かざるを得ませんでした。昨日の時点で私の照準はリーグ再開後初戦の名古屋に向いてましたから。
 12、13、14日と日が進むに連れてクレインズの試合開始時間が早くなっていくという観に行く方にとってもキツイスケジュール。早起きは正直きつかったですが、やっている選手もキツかったでしょう。ですが、それも3位決定戦に回ってしまったから仕方の無いこと。そうなりたくないのなら「勝つ」こと。これが全てなんだ。
【クレインズ】
33−41
18−20−32−22−7
96−92−24−3−34
10−27−14−2−23
13−21−11−77−9 
さすがに中村達哉は欠場。代わって山本祐が出場。果たして、今日は勇、圭祐、そして大滝の出場はあるのか?。
【西武鉄道】
39−30
22−77−13−28−33
19−40−14−7−51
12−47−18−2−3

10−16−17−23−78
クレインズも西武もほぼベストメンバーを揃えて臨んできました。3位決定戦とは言っても、リーグ再開後の初戦が名古屋での西武VSクレインズであることをお互いが意識しているのか...(深読みしすぎか)。「リンクに来るつもりは無かった」と思った自分が恥ずかしいですわ。
【レフェリー】山田幸司
【ラインズマン】赤坂、小野
ホームチームはクレインズ。

(1)第1ピリオド
 立ち上がりは、パックを敵陣に放り込んではウイングを走らせ、パックをつなぎスコアリングチャンスに持っていこうという意思はうかがえるが、双方ともDFが早いパック処理でシュートを打たせない展開が続く。

 6:21 S51 Holding

どうもここのところPPの調子がよろしくないようで...。シュートが出ない。唯一、枠を逸れたシュートがバックボードに当たってはね返り、ゴール右手前(クレインズ側からみて)にポロッと出たところを賢吾が突っ込むがS39が難なくクリア。シュートはその1本かな。
 その後も、立ち上がりと同様の展開が続くが、わずかに手数(シュート数)で上回る西武がクレインズゴール前で「あぶない!」と思わせるような場面を見せてくれる。しかし、心なしか日本リーグで見せるような「いやらしい」動きが見られない。シュートミスやセンタリングミスにクレインズは助けられている。しかし、クレインズも攻められているが、ゴール前でDFが頑張っているせいもあるように思える。

 10:36 C7 Tripping

最初のPKを迎えるが、西武はパス回しがそれほど早くないため、ゴール前にパックを集めてるのだが、ここでもシュートミスやセンタリングミス、そしてロブの素早いパック処理に救われるどころか、

 12:08 S13 Interference

あからさまにロブに手を出す(しかもクリーズに入り込んで)。失礼な奴っちゃ。
その後、1分半ほどの2度目のPPを迎えるものの、最初のPPよりかはちょっとはマシか、という程度。
その後、またもや膠着状態が続くが、スピード、運動量はほぼ互角になってきた16分過ぎ、クレインズは匡史、山野の快足コンビが持ち前の早い動きで西武陣内でパックをつなぐ。一旦、攻撃が切られパックをクリアされつつあった。それに呼応して西武プレイヤーが上がっていくところを、ブルーラインで大澤がカット。すぐさまゴール右(クレインズ側から見て)に残っていた匡史へパス。それをワンタイムで逆サイドにパスを出すと、

 
16:57 一瞬のスキを突き先制 G10←14←23

山野が匡史から出されたパックに飛びつくと、既に逆サイドに振られていたK39をあざ笑うかのようにオープンネットにパックを突き刺さすファインゴール。
しかし、点を奪ったすぐ後に失点するのがここのところのクレインズの悪い癖。18分過ぎにカウンターを取られ、2−1隊形。絶妙なタイミングでラストパスが出され同点か、と思いきや、ロブが横転し体全体を使ってナイスセーブ。結局1ピリはこのまま終了。
Shots on Goal:C6、S11。終盤の一瞬のミスを生かし、手数で上回る西武から先制するナイスな展開。

(2)第2ピリオド
2ピリは立ち上がりから双方ともパスミスの連発で攻めにならない。しかし、3分過ぎに意外な展開で試合が動く。西武DFが放ったブルーラインからのシュートをスライディングでブロックした山本。その後、立ち上がった彼の姿はどう見ても「足痛てよー」状態。足元がおぼつかないのにも関わらず、ベンチに戻らない。ボード際で辻が西武プレイヤーと競り合っている状況を後方で伺っている様子。しかし、そこから出たパックを佐曽谷が拾うと、ベンチサイドで西武DFを交わし、あっさりニュートラルゾーンに出る。すると、足元がおぼつかないはずの山本が呼応しパーサイドを走り2−1隊形に、ゴール前で絶妙のパスを出す。

 
3:27 またもカウンター ゆうゆうアベックゴール達成 G11←21←13

びっこ引いていたのに、チャンスとならば目一杯走る。FWはこれぐらいやらんとね。1点目と同じ感じでゴーリーを振りオープンネットとパックを叩き込む。いい流れがクレインズに来たかと思いきや、こちらも自陣ゴール裏でのマークが甘くなり、

 
4:32 失点... G40←14

ゴール裏を素早く回られる。ロブ正対していたが、スティックを横にして前傾していたせいか、肩口かわずかな隙間にパックを決められる。

 5:50 S2 Hocking

3回目のPPだが、これも決まらない。一旦、クリアされたパックを3−2隊形で攻め込むと、最後は飯塚が決める、と思いきや見事に外してしまう。その時点でK39が寝ていたが、パックは生きている。そこを腰越が叩きに行くが西武DFにクリアされる。精彩が無いぞ2つ目。
その後、10分過ぎまで双方決め手の無いまま時間が過ぎていくが、その間、プレーが止まった後、ダーシがS77やS40に「やってやるぞ」といわんばかりの態度で挑発(挑発に乗っているのかも知れないが)。昨日のような乱闘が起きなきゃいいのだが...。

 10:34 S14 Hocking

4度目のPP。確率的にそろそろ決まる頃なのだが、大きくクリアされたパックを持ち込み、敵陣で素早くボックスを組むと、今度は早いパス回しで西武守備陣を翻弄。腰越から前方に居たゴール左(クレインズ側から見て)の岸部にパスが通る。そのままシュートすると思いきや、潰しに来るDFと岸部に正対しているK39の動きを交わすように、やや斜め後方にバックパスを出すと、そこに飛び込んできたのは、再三チャンスを潰していた飯塚。

 
11:38 ようやく決まったパワープレーゴールで突き放す G24←2←92

言葉にするとこれだけ長い文字を並べなければならないが、目の前で見せられたフィニッシュまでのパス回しは「鮮やか!」の一言。いつもこうだと良いのだが...。
しかし、この1点は予想以上に西武にダメージを与えていたようで、直後の1つ目がシフトされてきたが、自陣からパックキープして持ち上がってきたダーシ。スピードに乗ってブルーラインを越えたあたりで前に居るDFとの間に充分な距離があることを確認した上で、大きく振りかぶったスティックから放たれたシュートはK39の左足レガースを直撃。まあ仕方ないか、と思った矢先、パックが浮いているではないか。

 
12:25 連続ゴールで3点差 G20←18←22

シュートは打たなきゃ点は入らないが、レガースに当たったパックはダーシのシュートスピードが勝り、レガースを弾きゴールに入ってしまった。日光でもダーシと菊地の間で似たようなプレーがあったが、その再来なのか、否、PPで2点差がついたことで、何かが「切れた」音がした。
あとは、つまらないミスで失点さえしなければこの試合はクレインズのものになるだろう。これ以降、西武の攻めは単調となり、クレインズ陣内に放り込んでも、難なくクレインズDFに処理され攻め手を作れない。

 18:43 S3 Interfernce

クレインズ陣内でパックの奪い合いをしていたが、おそらくこのパックがクレインズのものになったら、きっと匡史につながって、ブルーラインで行かせまいとする西武DFが匡史を引っ掛けるだろうなぁ、と思ったら、本当にそうなったので一人ほくそえんでしまった。ちなみに、このPPは失敗(ぉぃぉぃ)に終わり(17秒残しで)2ピリ終了。
Shots on Goal:C14、S3。

(3)第3ピリオド
 またもや1ピリ立ち上がりのような展開になる。しかし、点差を詰めたい西武をあざ笑うかのように、クレインズのスコアリングチャンスが2度3度と訪れる。しかし、西武もそのたびに反転し、クレインズゴールにシュートを放つも、西武のいやらしいくらいの攻めが見られない。勿論、クレインズDFもゴール前をしっかり固め、さまざまな角度から繰り出されるセンタリングを食い止めているのも確か。ただ、西武が3点差をひっくり返そうとしているのか、あきらめているのか...。淡々とホッケーをやっている感じにしか思えない。ここで先に1点を取ってしまえば、完全に引導を渡せるだろう。しかし、西武は自ら攻撃の核を失うプレーをやってしまう。

 4:43 C32/S77 Roughing

西武ベンチ前ボード際での競り合いで、S77が竹内の頭を2度3度小突く。その前から伏線はあったのだろうが...。しかし、レフェリーに何か言ったのか、

 4:43 S77 Miss Conduct(合計12分の退場)

4対4の展開で腰越と正和が2−1隊形でスコアリングチャンスを作るも正和がシュートミス。そのパックを再び腰越が拾い、ゴール裏からセンタリングを出すが、またもや正和が外す(案の定、終盤には正和と由宇がポジションチェンジされていた...)。この兄の不調を見かねてか、弟が決定的な1点を奪ってくる。

 
6:03 見事な個人技 5点目を奪う G14←3

西武陣内に強引に持ち込んだ賢吾から出されたパックをゴール裏でもらうと、そのままラップアラウンド。見事、「スカートメクリ」を決める。

 7:51 S51 Hocking

それにしても今年のクレインズには数多くのPPが転がり込んでくる。それだけ、他のチームに比べて点を取る確率が高くなる時間が多いのだが、4回に1回弱しか決まらない。6回目のPPだが、8回目を迎えないと決まらないだろう(苦笑)。しかし、PP終了直後、一瞬ゴール前のDFの寄せが甘くなったところを突かれた。

 
9:58 西武2点目 G22←51←47

ポイントの位置からのシュートのリバウンドを処理するDFが遅れ、ロブが飛び込んで処理に行ったところを先にパックを叩かれる。これは防げた失点では?。
これで、ちょっと怪しい流れになりかける。

 10:42 C20 Highsticking

このPKを守れなかったら、西武が再びやる気を出してくるところだったが、終了間際にスコアリングチャンスを作られ危うくゴールを割られるところだったが、ロブの攻守に助けられる。

 13:47 S77登場

 14:38 C96 Holding Stick

まだまだ油断できない時間帯だったが、逆に竹内−ダーシが抜け出すと2−1隊形。しかし、ダーシが竹内にパスをするタイミングを逸し潰される。この後はセットされるも、DF陣がよく踏ん張り失点を防ぐ。

 17:29 S9登場

一昨日よりも滞氷時間が長かったので、パックタッチもかなりあり、身体接触も軽めのぶちかましを一発決めてくれました。
このまま5−2で試合が終わるかと思われた18分。西武が自陣でパスミス。それを西武陣内で史郎が拾うと、飛び込んできた匡史にパスが渡りノーマーク。

 
18:01 駄目押し! G14←27

これで勝負有り!。このまま試合終了。
Shots on Goal:C6、S6。
ま、リーグが再開すれば、こんなにうまく行くとは思えませんが...。3試合で6失点。12月の中盤に失点が増えていた時期に比べれば、幾分修正されてきたと思いますが、PPの決定率だけはなかなか上がりませんねぇ。ま、その分、相手が攻める時間がなくなっていると、今は思うことにします。
3連戦、お疲れ様でした。