(0)プレリュード
「今日勝たねば意味が無い」。「日光で勝ってこそ本物」。昨日は3分半で試合の主導権を握ったが、そんなことは10年に1度の出来事。地元の声援が後押ししている霧降では、釧路の2連戦のように簡単には勝てないことは百も承知。心を新たにして「いつものクレインズのホッケー」を見せてくれれば、自ずと結果はついてくるはず。
そんな思いを抱きつつ、東武日光から霧降アイスアリーナまでの道のりをひたすら歩く。昨日も歩いていったら勝ったので、今日もゲンを担いだ、というだけのことなのだが、試合開始時間が昨日より2時間早い分、日差しがきつく、リンクに着いて汗を拭いている私...(苦笑)。
しかし、昨日の西武戦とうって変わって、今日は会場全体が「オレンジと黒のエクスタシー」。クレインズのレプリカを着ている人間はすぐわかるという、まぁ、いつもの霧降の風景。別にクレインズの応援が少なくても構わない。チームが勝ってくれれば文句は無い。
【クレインズ】
33−31
18−20−32−22−7
96−92−24−3−34
14−27−10−2−23
13−39−21
昨日と同じメンバー。そしてスターターも1つ目。平岩以外全員出場。
【バックス】
61−97
9−93−23−34−33
41−51−74−24−8
36−10−16−31−7
25−19−11
レフェリーは、昨日に続き、アラン・フルネット。
試合開始前に「ルール説明」ということで日光高校の2人の選手がオフサイドとパスオフサイドとアイシングの実演をしてくれました。せっかくやるなら、日光高校のユニフォームを着せてあげれば良かったのに。
(1)第1ピリオド
スターターは共に1つ目。
立ち上がり、昨日と同じような局面を迎える。本部席側から敵陣に進入した竹内がゴール右45度からシュートを放つ。「昨日の再来か」と思わせたが、あっさり春名がセーブ。そんなに世の中甘くない。
その後、バックス2つ目がクレインズゴール目掛けて突進。さすがに地元の試合だけあって勢いがある。ポイントの位置からゴール前に出されたパスにFWが突っ込んで行ったが、ゴール前で大澤がその突進を止める。まずは、相手のスコアリングチャンスを潰したかと思ったら、
2:33 C23 Tripping
その大澤のプレーが反則になってしまった。いきなりのP.K.。立ち上がりの危険な時間帯で失点するとバックスに勢いがついて取り返しのつかないことになる。それを実現せんとばかり、バックス1つ目が外からシュート。ゴール裏ではクレインズDFとの競り合いに勝ち、ゴール前にパックを集めてくるが、この最初のピンチをなんとか凌いだ。
ペナルティが解けると、4分過ぎに今度はクレインズの3つ目快速コンビ山野、匡史がチャンスメイク。ゴール右から山野が出したセンタリングをドンピシャのタイミングで合わせに行った匡史だったが、空振り。
5分過ぎ、今度はカウンターからの攻めでゴール右サイドのダーシからのパスを竹内に通そうとするがDFにカットされる。この攻めはあまりにも上がっていくスピードが無さすぎて効果無し。
逆に、昨日カヤの外だった2つ目。今日こそはゴールを、という気持ちは判るが...。
6:22 C92 Roughing
ちょっと余計な反則だった感がありましたが、2度目のP.K.は外からのシュート1本に抑え守りきる。
しかし、このペナルティ明けからバックスの出足がクレインズを上回り始める。
9分にはバックス1つ目に攻め込まれ、ロブは転ばされてしまうなど、ピンチの連続。
その後、今日は動きの良いバックスの2つ目が外からのシュートをきっかけに、次々とFWがロブの前に飛び込んでくる。最初のシュートは防いだ(ロブなら当然)が、リバウンドをDFが処理できず、そこにB74に飛び込まれる。「ヤバイ」と思ったが、それもロブがセーブ。しかし、まだリバウンドが出ていた。
9:59 バックスに先制を許す G41←74
2本目のシュートを受けた時点でロブは横になってしまった。そのリバウンドをDFが処理する前に、ゴール左サイドから飛び込んできたB41にリバウンドを叩かれる。パックは一旦ロブの体に当たったが、わずかにパックの勢いが強く、ゴールに入ってしまった。これが、バックスファンの声援の後押しの力なのか。この連続攻撃はお見事でした。逆にクレインズのDFがしっかりしなきゃいけませんねぇ。ゴールが決まった瞬間は大盛り上がり。私、ボーゼン。当然ですな。
ついに許してしまった先制点。昨年、一昨年と、バックスに先制されると霧降では一度も勝てなかったクレインズ。その悪夢が私の頭をよぎり始めようとしている。今まさに、その悪夢のVTRがセットされつつあったが、そのVTRのセットを止めてくれた男が居た。
直後、クレインズは3つ目が登場したが、私はバックス1点目のメモを(仕方なく)書いており、書き終わった直後に目を上げると、敵陣に入って今、まさに、これからシュートを打つぞ、という男の後姿が確認できた。しかし、その男が、まさか「霧降悪夢のVTR」のセッティングを止めるとは...。
10:18 わずか19秒後に同点弾 G14←27←10
匡史の放ったシュートは春名の左肩口を襲ったが、シュート態勢に入ってからシュートを放つまでの身のこなしの早さと、その絶妙なシュートコースが春名の左肩口を綺麗に抜き、パックはネットに突き刺さった。ようやく、山野にもアシストがついて良かったですわ。でも、匡史までどうパスがつながったかは、実は見てませんでした...。VTRで確認してください。でも、匡史のシュートは素晴らしかったです。来週、釧路に行った際、佐藤家のお父様にコメントを伺ってみます(「いや〜、高校の時からああいうシュートは得意だったんだわ」と嬉しさをかみ殺すのがやっとというニヤニヤした顔をしながらのコメントが返ってくるでしょう、きっと)。
さて、一旦はバックスに傾きかけた流れがこの一撃でクレインズに傾いてきた。それが証拠に、
11:37 B34 Roughing
今日最初のP.P.を迎える。敵陣への進入、パス回しは巧いのだが、最後の決め手がまだまだ甘い。1つ目、2つ目ともにスコアリングチャンスを作ろうとするのだが、さすがにバックスもゴール周辺を固め必死のDF。さすがのクレインズも遠目からシュートを浴びせるか、強引に中に突っ込みスペースができたところにパスを出しワンタイムシュートを打たせるしかできず、それが全て春名に正対されてしまっては...。もっとスピードが欲しかったところだった。そんなこんなで2分間が過ぎフルストレングスになった。しかし、パックはまだバックス陣内のゴール裏。P.K.が解消されホッとしたのか、バックスのプレイヤーが一瞬、腰を上げてしまったところを見逃さなかった。
13:44 クレインズ逆転に成功! G20←18←7
ゴール裏を経由して継続されたパスは、ゴール右付近まで雅俊がキープ。すぐさま、逆サイドのダーシにパス。DFはついていたが、ダーシのスティックは生きていた。ゴール左スミにゴールが決まる。文字通り「ペナルティ明けは要注意」。
これで、ペースを握ったクレインズ。16分過ぎまでは膠着状態が続いたが、パック支配の面ではクレインズが上回っていた。
16分過ぎ2つ目の3人のFWが決定的なスコアリングチャンスを作る。ニュートラルゾーンベンチ側でC96→C92とつなぎ、ブルーライン上でC96に戻ると、ゴール左サイドからパーサイドへラストパス。C24が飛び込むも枠を外す(DFも入っていたけど、ゴールに入れるだけのスペースもあった)。そろそろ2つ目が決めてくれないと...。
19:10 B34 Holding
またもや転がり込んで来たP.P.。時間は50秒しか無かったが、少なくても2、3度はスコアリングチャンスがあったはず。あと一歩というところまでバックスゴールを脅かすのだが、脅かすだけではねぇ。
というわけで、1ピリ終了。
Shots on Goal:C12、B7
(2)第2ピリオド
1分以上残っているこのP.P.で点を奪えばかなりクレインズには優位に傾くのだが...。いつの間にか終わってしまったP.P.。
しかし、2ピリはクレインズがパックをほぼ支配。しかし、多彩な攻撃を見せるがことごとく決まらず。クレインズの攻撃を凌いだバックスがカウンターでクレインズゴールを脅かす、という展開に終始した感がありました。
まず、2分過ぎ、ブルーライン付近に居た岸部が、「ゴール前に入ってくれ」といわんばかりの絶妙なパス。しかし、これを坪子がハードヒットできず(ただ当てて角度を変えただけじゃ入らないよー。体をグイッと入れてゴーリーに正対しないと)。
4分過ぎ、セットチェンジの間隙を突き、敵陣本部席側のボード際でパックをキープしていた竹内から、交代でブルーライン中央から入ってきたフリーの正和へパス。しかし、シュートは春名に難なく捌かれる(全部見えてるよ、春名には)。
しかし、自陣まで戻されたパックを取りに行って帰ってくるところで、
5:02 C92 Slashing
しかし、この3度目のP.K.も外からのシュートのみで終わらせる守りで点を許さないばかりか、逆にカウンターで攻め込み、
6:02 B74 Interference
反則を取ってくる。ところが、1分残ったP.P.では、B93にパックを奪われると、シュートまで持っていかれる始末。遠目からのシュートでDFがついていたから良かったものの、攻めらしい攻めがほとんどできずP.P.終了。
逆に9分過ぎには、バックス1つ目に連続攻撃を許し、ゴール周辺にクレインズのプレイヤーが釘付けとなる。B93のシュートリバウンドが出てしまい、そこにB9が居た時には「やられたっ」と思ったが、そのリバウンドをが叩けなかったので難を逃れる。
今度は11分過ぎ、ニュートラルゾーンでパックをキープし敵陣に入ろうとしていた佐曽谷が、絶妙のタイミングで前にパスを出すと、それをフォローしていた大澤がつなぎ、ゴール左45度からゴール前にパスを出す。しかし、そこに入っていた坪子がそのパックを叩けない。体入れなきゃ。DFを蹴散らしてでも。昨日からいいパスもらっているんだから...。
その後、ニュートラルゾーンでの互角のせめぎ合いが続き、双方とも決定的なチャンスを作れず。
13分過ぎ、B93に自陣への進入を許すも、DFがきっちりついていたおかげで、遠めからのシュートにとどまる。当然、ロブの守備範囲。
その後の攻めでクレインズは敵陣に攻め込もうとニュートラルゾーンでパックをつなぐが、
13:59 B51 Roughing
またもやチャンスをもらう。早く3点目を奪って楽になろうよ、という我々の思いを知ってかしらずか、どうしても決まらないP.P.。ま、さすがにバックスもクレインズのP.P.の凄さを予想してか、ゴール両脇、ゴール前をしっかり固めている。ましてやGKは春名。一発のシュートのみならず、1回のセンタリングではなかなかゴールを許してくれない。相手の守備陣系を崩すようなしつこい攻め+スピードが無いと...。と嘆きかけた18分。
ようやく2つ目がそのしつこい攻めを見せる。競り合いで常に競り勝ちパックをキープ。ゴール裏(横かもしれない)に居た腰越から出たリターンパスを賢吾が叩く。そのリバウンドがゴール正面に出る。ゴール前にはバックスとクレインズのプレイヤーが入り乱れている中、フェイスオフサークルの間あたりまで伸びたリバウンドに最初に追いついたのは正和だった。
18:04 欲しかった追加点が2つ目から生まれる G96←3←92
いつもなら思いっきり振りかぶるところだが、この局面ではコースに注意したショットを放つ。おそらく正和の視界にはゴール右(春名から見ると左)にスペースが見えていたのだろう。パックを上げずにグラウンダーで流し込んだパックはゴールに吸い込まれた。価値あるゴールが2つ目から生まれて良かったです。正直なところ。
で、このピリオドはそのまま終了。
Shots on Goal:C11、B9
(3)第3ピリオド
3点目が入った時間帯が、昨日の2ピリに奪ったゴールとほぼ同じだったせいか、私には「つまらないミスをせず、自陣からパックをクリアし、バックスのプレイヤーを自陣にまで何度も戻らせ、高い位置で当たり、攻撃の芽を早めに潰す。カウンターを取ってもその後、無理に攻撃を続けなければ、今日の試合は勝てる」と踏みました。確かに、何度かピンチは迎えてましたが、総体的に見て、クレインズのパック支配率が高く、パックへの集散、1対1での競り合いにもほとんど負けていなかった、という感触があったように思えたのです。で、現に試合もそんな感じで進みました。
2:48 C14 Tripping
これは、山野が敵陣に流したパックを取りに行って、バックスDFもろとも倒れたので、てっきりバックス側の反則かと思ったのですが...。しかし、ピンチであるはずのP.K.で2度カウンターを奪い2−1隊形を作るところを見ると、バックスも既にガス欠か。難なくP.K.を処理すると、
6分過ぎには辻からのセンタリングが佐曽谷に出るがシュートはゴール正面。
7分過ぎには2−1隊形。C32がゴール左からシュートを放つ。見事にリバウンドが出たが、逆サイドのダーシのブレードと足の間にパックが出てしまい、ゴールできず。
9分過ぎには14−27−10のラインが敵陣、ニュートラルゾーンでことごとくバックスのパックキャリアに絡むしつこい動きを見せバックスに攻撃の糸口さえ作らせない。
更に、放り込まれたパックを原武が拾い、前線の竹内にセンターラインパスがコンプリート。しかし辛うじてついていったバックスDFのおかげで、シュートコースが限定されてしまい春名のマタを抜けず。
10:47 C2 Slashing
この時間帯は、自陣での球出しが遅れたところからピンチを招いたための反則。それでも、各プレイヤーはしっかりバックスのプレイヤーをきちんとマークしており、自由に攻めさせない見事な守りを見せていたが、岸部のプレーはちょっとしつこかった。
しかし、このP.K.でも賢吾からタテパスで腰越が抜け、パーサイドを正和が走る2−1隊形だったが、パスを受けた正和のシュートは枠を外す。
12:33 B24 Elbowing
今度は匡史が敵陣でかき回していたところをたまらず押さえ込んでしまう。無駄な反則ですねぇ、負けているのに。
ただ、クレインズもクレインズで、さっさと4点目を取って息の根を止めてしまえばいいものを、このP.P.も失敗。またもや「P.P.決まらない病」が出てきたか?。早く処置してくださいね>リーブコーチ。
試合も残り5分を切った。よっぽどのミスさえしなければ行ける。間違いなく勝てる。ハズなのに、ロブが流れてきたパックの処理をしにゴールを離れてしまった。が、逆に、バックスにパックを奪われ「大ピンチ」。無人のゴール前にパックが流され、そこに飛び込むロブとミワ。しかし、幸いなことに、パックを叩かれる前にゴール前を横切ってくれて、ホッと胸を撫で下ろす。「よっぽどのこと」なんか起こさないでよ。
というわけで、終始クレインズがパックを支配していたため、ピンチらしいピンチは前述の場面ぐらい。
18:35 バックス タイムアウト 直後に6人攻撃
この最初のプレーでバックスは最後の力を振り絞りクレインズゴールにパックを集める。そして、18:40過ぎ、ゴール右に振られたところから放たれたシュートは、完全にロブの守備範囲外。「やられたっ」と思ったパックはなんとポストに当たり難を逃れる。その後、2度のオフサイドに助けられ、そのたんびにベンチから出てくる春名...。別にエンプティなんかいらないよ。勝ってくれれば。というわけで、そのまま試合終了。
Shots on Goal:C10、B5(うち3本が6人攻撃だったかな???)。
3STARSは1st:C14、2nd:C33、3rd:B41
終わってみれば、クレインズの完勝でしたね。ただ、それを「完勝」にしたのは、先制された直後に同点にした匡史のゴールこそがその最大要因。1stSTARは当然でしょう。
そして、昨年までコクドにさんざんやられていた3ピリをクレインズがやってのけました。相手にホッケーをさせず、確実に勝利をモノにする試合運びは「安心」して観てられましたね。
話によると、これで単独首位に立ったようです。ですが、これはあくまで11試合を終わった段階でのこと。単なる「途中経過」に過ぎません。過去にも「単独首位」になったことはありますが、40試合終了時で「首位」であるかが問題であって、今はそれに向けて、一戦一戦、相手がどこであろうとも「絶対に勝つ」という気持ちを忘れず、次に備えてください。さらに、聞いた話によると次の相手は現在最下位チームらしいです。なおさらのこと油断せず、キッチリ叩いてほしいものです!!!。
クレインズ首脳陣様に緊急発注です。
もう自覚されていると思いますが、「P.P.の決定率が落ち始めています。28日までに決定力をアップさせた上で、選手をリンクに送り出して下さい」。
お忙しいところ、申し訳ありませんが、ご配慮の程よろしくお願い致します。