(0)プレリュード
今日勝たねば、一昨日西武に勝った意味が無い。ましてや、西武は昨日王子に敗れている。今日の試合に勝てば、首位に肉薄できる。しかし、それよりも、2位を狙っている当面の敵、王子を叩くことの方に意味がある。
【クレインズ】
33−41
18−20−32−22−77
10−92−24−3−34
14−27−96−2−23
13−39−19
一昨日と同じ布陣で臨むが、スターターは1つ目のFWラインに賢吾、原武。
【王子】
66−42
9−24−3−29−6
32−13−25−27−28
17−18−39−23−8
11−14− −37
対する王子は1つ目がスターター。
レフェリーは今日もユーリー・ローェン
ラインズマンは高橋、江島
(1)第1ピリオド
最初のフェイスオフを取ると、DFがパックを敵陣に放り込む。そしてウィングが詰めていくという定石通りの攻め。しかし、王子が球出しにもたついているところを見逃さない。ゴール左やや前方で竹内がパスカットしたところから攻撃の糸口をつかむと、見事なパス回しで王子DFを翻弄する。そして、
0:32 秒殺健在! G18←20←32
本部席サイドのポイントの位置から竹内が逆サイドのフェイスオフサークルにあたりに居たダーシへパス。この時点で2−1隊形。再び逆サイドにパスを出し、それを受けた雅俊がワンタイムで叩くと、O66、反応したものの、パックが脇に当たってこぼれたのか、マタを抜けたのか判別できなかったが、最終的にはゴール右(岩田からみて)スミにこぼれ、そのままゆったりと流れゴールラインを超えてくれた。
幸先良く先制すると、その後も1つ目がDFからの早い球出しを生かし、敵陣での早いパス回しで32→18でワンタイマー、20→32でGKと1対1となり、最後はGKを交わしてゴールを狙うなどのスコアリングチャンスを作る理想的な展開を見せ、早くも試合を優位に運ぶ。
しかし、3分過ぎ、カウンターでO24がニュートラルゾーンでタテパスを受け、そのままクレインズDFを交わし抜けようとするも、ここは岸部が踏ん張りシュートまで持って行かせない。
その後、ラップアラウンドを喰らい、ゴール正面でO13が瞬間的にフリーとなる。既にスティックを横にして前傾姿勢で脇を固めていたロブ。パックを上げられたら間違いなく失点、というところだったが、C13のシュートはバーの上を通過。序盤のピンチはこんなところか。あとは、10分近くまでクレインズが優位に試合を運ぶ。敵陣でのプレー(攻める時間)が明らかに長く、王子は放り込んでもクレインズDFの早いパック処理&パックキャリアに対する早い潰しにてこずり、ウィングのプレスが機能していない。というか、前日の西武との試合では走り勝っていた王子だが、その西武にほとんどホッケーをさせなかったクレインズのスピードは王子のそれを上回っているがために、王子はクレインズの動きを止められずペースを掴めない。
9:57 C77 Holding
ようやくチャンスを迎えたと思われた王子のPPも、クレインズは一昨日同様に、パッシブボックスで王子のパス回しにプレッシャーをかけ、パスミスを誘いクリア。被シュートゼロに抑える。
とならば、追加点を奪って、更に展開を有利にしたいクレインズ。
13分過ぎ、自陣での守りから攻めへのトランジッションが見事に嵌る。
13:20 見事なカウンター G18←20←32
自陣の竹内から出された本部席サイドの壁パスで前に居た王子DFを置き去りにすると、パックは置き去りにされた王子DFの裏に居たダーシにつながる。その時点でパーサイドには雅俊が走りこむ2−1隊形。敵陣に入るまで引きつけラストパスを出すのかと思いきや、ニュートラルゾーンで竹内からのパスを受けると、すぐさま、逆サイドのブルーライン付近に早めにパスを出し、雅俊を走らせる。そのままパスを受けた雅俊がゴール左(岩田から見て)45度の態勢でスピードに乗った勢いを殺さずシュートを放つ。そのスピードにシュートコースを完全に消せなかったO66。雅俊のシュートはまたもやゴール右スミに決まる。
このクレインズ優位な状況で2点のリード。今日は(も)行けると思ったクレインズファンも少なくないと想像する。
16:07 C33 Delay of the Game
ロブがパックを前へ出そうとしたらオーバーフェンスになる。いつものリンクならばボードがあったはずだが...。思わず自分の頭を叩き、ミスを戒めるロブ。しかし、王子も攻め手を作れない焦りからクレインズ陣内でデンジェラスなチェックを繰り出してしまいチャンスを潰す。
16:58 O6 Boading
ちなみに被害者は岸部だったが、「おおごと」にはならなくて済んだ。
これで1分ちょっとのPPが転がり込むのだが、18分半過ぎに賢吾のパックキャリーから敵陣に入り込むと、走りこんできた雅俊がフォローし、DFを引きつけたところで逆サイドのゴール右に居たダーシに渡る。「ダーシ得意のアングルで追加点」と思いきや、シュートをフカしてしまう。惜しい...。
結局、そのまま1ピリ終了。
Shots on Goal:C12、O12
(2)第2ピリオド
さすがの王子も1ピリの体たらくに、「昨日の西武とは違う」ということに気が付いたか、立ち上がりからクレインズが1ピリに見せた早い球出し、早い攻めを見せ始めると、今度はクレインズが守勢一方に回ってしまう。自陣で王子にことごとくパックを支配されボード際での競り合いやルーズパックを奪われ続ける。それでも、FWに対するマークはついていたのだが、
2:21 王子あっさり1点を返す G17←24
ゴール右やや後方から出されたセンタリングをO17が叩きに行く。しかし、DFが体を入れてマークしているので、これもなんとか凌げるかと思いきや、なんとスティックが生きていた。叩いたパックはロブの右肩口を破ってしまった。
これで2ピリは王子優位に傾く。流れを変えようと、チェッキングライン中村&辻コンビが粘りを見せ王子陣内でファイスオフを取るも、次に出てくる1つ目が1ピリとはうって変わって、王子のスピードに乗った攻めにパックを追わされる展開に変わってしまう。
5分過ぎ、O3へのセンターラインパスが決まり、そのまま突進。最後はゴール前にセンタリング。そこに王子FWがクレインズDFを引き連れて突っ込みパックを叩く。「やられた」と思いきや、ロブが横転して脚でセーブ。
7分過ぎには、クレインズの守備隊形がズタズタにされ、崩壊寸前まで次々とシュートを浴びる。最初のシュートコースを消すために前に出ていたロブ。1発目は思惑通りセーブするも、リバウンドを王子に拾われ、DFに戻され再びシュートを喰らう。「やられた」と思いきや、高い位置に居たままでロブが反応し、シュートを大きな体に当てセーブ。しかし、再三の王子の攻めを凌げたのもここまでだった。
9:10 見事にパスをつながれる G17←18←39
王子が自陣からの攻めであれよあれよと言う間にパスをつなぎつつ、クレインズ陣内に入り込むと、最後はゴール左やや後方からのセンタリングをDFがついていたにもかかわらずゴール前で合わせられる。センタリングのタイミングとシュートを放ったタイミングがあまりに良かったためか、ロブ、シュートに対して正対していたものの、ブレードが間に合わず、閉じたマタを一瞬早くパックが抜けてしまい天を仰ぐロブ。いい形で2点を奪ったのに、同じような感じで王子に2点を奪われ同点にされるというイヤ〜な展開。
その後も、王子自慢のタテパスからO9が抜け、ゴール左45度の位置でフリー。その瞬間、正対しようとしたロブがなんと態勢を崩して転倒。一瞬、オープンネットとなり「やられた」と目を覆う。しかし、O9のシュートはゴール右上方に逸れてくれる。いつ逆転されてもおかしくない感覚は、どうクレインズに対して贔屓目に見ても拭い去れそうにない。しかし、一瞬のスキを突き、クレインズがカウンターを奪い、ニュートラルゾーンに居た正和にパスが渡る。しかし、集散の早い王子DFに詰められ転倒。パックを奪われたものの、
12:05 O23 Tripping
となって、王子に傾いた流れを止めるチャンスがやっと来たかと思いきや、OH!,my
God。
13:19 C Too many players on the
ice(#18代行)
流れの悪いときはこんなものなのか。
しかし、4−4、4−5をなんとか凌いだ直後、自陣からパックを出そうとしたダーシを後ろから引っ掛ける。ダーシ、ウチのカミさん曰く「普通の選手なら内転筋を痛めてる」という感じの危うい態勢で転倒。
15:02 O3 Holdng
カミさんは心配していたが、直後のPPに参加。問題無いようだ。しかし、このPPをモノにできないクレインズは問題だ。まさに1ピリにクレインズがやったことを王子にやられてしまってはゴールどころか攻めもままならずシュートゼロ。このまま2ピリを押されっぱなしで終えてしまうのかと思った残り20秒。クレインズ1つ目が久々に王子陣内でパスをつなぐと、王子DF一瞬のスキをつきゴール正面からシュート。前に出ていたO66がセーブするも、パックはゴール左ポストをかすめるように後方に流れる。そこにミタニか雅俊かが居たはずだが、慌ててしまいパックを前に戻してゴールに入れられず、王子DFにクリアされる。ああ、これで2ピリ終了かと思いきや、パックは本部席側ポイントの位置で勇がクリアパックをカットしている。しかし時間はもう無い。それでもパックをゴール向って流すと、定位置に戻ったO66の態勢が定まっていなかったのか、タイムアップ寸前だから気を抜いていたのか定かではないが、パックはゴール右スミに入っているではないか。その刹那、時計を見る。19:59から20:00に変わったように私には見えた。自信無さそうにレフェリーが「ゴールかな?」という感じで腕をゴールに向って控えめに伸ばす。すると、ブルーライン上に居た、高橋ラインズマンが「自身満々」といった感じで「ゴール」のシグナルを出しながらレフェリーに駆け寄る。その後、両チームのキャプテンがレフェリーに詰め寄る。さぁ、一体どんな裁定が下されるのか?。
19:59 駆け込みゴール決まる G77
「ゴール」シグナルを出したものの、本部席でははっきりしないようす。まさか覆るのか?。そんなことは無いはずだ。しかし、時間が時間だけに「ノーゴール」にされても文句は言えない感もある。待つこと1分。クレインズベンチでは勇の頭を叩きながら喜んでベンチに引き上げてくる選手達が見える。電光掲示板も「GOAL 77」と表示されるも、消える。一体どっちなんだ。しかし、電光掲示板のクレインズ2ピリの欄に「1」が刻まれ、「只今のゴール・・・」と場内放送が流れる。もう間違いない。ゴールが認められた。最後の最後まで諦めずにプレーを止めなかった(当たり前のことだと思うが)クレインズの執念。そして、チーム状態の良さが、「勝負運」までも引き寄せた。
Shots on Goal:C11、O12。王子が終始押していた割にはクレインズも単発ではあったがシュートは多かったようだ。
(3)第3ピリオド
1点リードを奪ったものの、試合はどっちに転ぶかわからない。先に点を奪い、早く楽な展開に持っていければ良いのだが...。そのチャンスが開始1分近くに訪れる。
敵陣で1つ目がパスをつなぐと、ハイトライアングルの位置に居たダーシからゴール右サイドに居た雅俊へ絶妙なパス。そのままシュートかと思いきや、雅俊、それを更に逆サイドに流す。するとそこには、早めに交代していた飯塚が走りこんできているではないか。完全なオープンネットで4点目!、パサッと揺れたゴールネットを見て誰しもがそう思ったその瞬間。なんと、パックは外にこぼれている。そう、サイドネットに当たっていたのでした。「これを決めずにいつ決めるんじゃー!」。
その後は、双方とも「先に1点を奪おう」とする熱のこもった攻防が繰り返される。
4分近く、ゴール裏で競り勝った王子がゴール右へラストパス。フリーで飛び込んできたのはO29。しかし、巨体では小技が効かないのか、シュートを放てずピンチを逃れる。
5分過ぎ、クレインズ4つ目が敵陣ボード際で30秒以上の「粘っこい仕事」をきっちりこなし、敵陣でフェイスオフを取り、1つ目につなぐ。その後、膠着状態が続くも、パック支配は王子がやや上。しかし、クレインズも2ピリでの悪しき教訓を生かし、DF陣が最終ラインを踏ん張って食い止め、決定的な場面を作らせない。逆に9分過ぎ、腰越がニュートラルゾーンでパックをキープすると、そのままDFを2人交わし見事に中央突破成功。そのままノーマークとなるが、決まらない。
10分過ぎ、今度は王子が攻めの流れの中でO3がゴール前でフリー。ロブは態勢を崩しており「やられた」と思いきや、シュートミスに助けられる。
更に、13分過ぎには、ボードに寄っていたクレインズプレイヤーの一瞬の隙を突かれ、ゴール前にパスが出される。すると、ゴール正面にO24がノーマークで居るではないか。今度こそ「やられた」と目を覆ったものの、レシーブした態勢がバックハンドだったため肩口を抜こうとしたパックがゴールの上を越えていく。心臓に悪いー!。
王子優位の状況に、クレインズは15分過ぎから、1対1の競り合いに負けないシフトを出してくる。チェッキングラインの辻と中村を2つ目、3つ目に起用し、13−92−10、96−27−19で応戦。局面の打開を図る。これが効果を表したのか、王子の攻めもやや単調となり、時間は18分を経過する。ここで王子がクレインズ陣内でパックキープすると見るや、O66を上げ6人攻撃を敢行。クレインズも辛うじてパックを奪い、ゆったりとしたクリアパックで時間を稼ごうとするが、王子はゴールラインを越えるまでjust
looking.でもってアイシング。そりゃねぇべよ。で、クレインズ陣内に戻され、
18:44 O タイムアウト そのまま六人攻撃継続
しかし、クレインズはここで最後の踏ん張りを見せた。フェイスオフで出たパックがルーズになってクレインズ陣内に転がる。それを倒れながらもスティックでかき出しクリアした腰越。そのパックをダーシが競り勝って、ニュートラルゾーンベンチ側に流す。そこに走りこんでいったのは竹内。その状況で既に2−1隊形。そのまま敵陣へ攻めこむと、
19:01 勝利を決定づけるエンプティネット G32←20←92
それでも、王子は19:15から六人攻撃を敢行するも、クレインズ陣内で支配していたパックを奪われると、焦ったのか、
19:23 O3 Interfernce
これで完全に勝負有り!。4−2でクレインズ名古屋で見事に連勝を決めました。
Shots on Goal:C11、O12
スカイA3STARSは、1st:C18、2nd:O17、3rd:C77。
2ピリ終了間際に決まった勇のゴールが全てでしたね。あれが決まっていなければ、試合はどうなっていたか解らなかったと思う。しかし、1ピリあれだけ優位に試合を運んでいたクレインズが2ピリに形勢を180度ひっくり返され同点にされてしまうところが納得いきませんね。それでも、結果的に勝利をもぎとったことはチームにとって好材料であることは確かなのですが、今日の試合は悪くても3−1ぐらいで勝っておかねばならない試合だと思います。PPも今日は全く機能しませんでした。首位西武との直接対決を制し、その西武を更に王子が破り、その王子に勝ったことで首位西武とは勝ち点2まで縮まりました。しかし、今日の2ピリを見ていると、まだまだ油断はできません。調子を戻してくるであろう、クレインズ2位以上を阻む最大の敵は3試合を残しているコクド。そして、1つ目の決定力が抜群のバックス(勿論、西武、王子、ポラリスを無視している訳では無い)。両チーム共、自力2位の芽はありませんが、足元を救われないよう、今一度、競り合いに負けない、屈しない「精神的に強い、そして図太いチーム」になってほしいと、敢えて「苦言」を呈しておきます(でも、昨年よりはるかに成長していることは認めますよ)。