(0)プレリュード
このところ失点の多いクレインズが、ついに「奥の手」を繰り出した。
【クレインズ】
31−33
18−20−32−3−34
13−92−10−22−77
96−21−14−2−23
24−27−19
ついに平岩が第32回リーグ以来、実に4年ぶりの日本リーグ出場。しかも先発出場(ロブも最近お疲れのようだし)。さらには昨日、動きの悪かったディックを引っ込め(ケガをしているのかもしれないが)勇が久々のラインナップ。そして、FWライン2つ目以下の組替え...。なによりも、平岩をGKに据えたことで「守りの意識を徹底させる(思い出させる)」というカンフル剤になるという狙いなのか?、それとも残り3試合バックス戦、ポラリス戦で取りこぼしをしないためにロブを休ませたのか?(と、するとこの試合は捨てゲームなのか)...。いずれにせよ、4年ぶりにゴールに立つ平岩の姿は普段見ているロブとの体格差のせいもあるかも知れないが、どうもピンと来ない。果たして、西武の強力FW陣の攻めをどこまで凌げるか、そして、他の5人がどこまで平岩を助けることが出来るか?。注目して観ていたのですが...。
【西武鉄道】
39−30
22−77−13−28−33
19−40−18−7−51
12−47−17−2
10−16−78−23
あいも変わらずのDF5人構成。
【レフェリー】山田幸司
【ラインズマン】吉新、川口
(1)第1ピリオド
心配した通り、立ち上がりから西武の攻めにクレインズは早くも守勢に回ってしまう。開始20秒で2本のシュートを浴びる平岩。
1分過ぎにもゴール裏からのセンタリングをゴール左サイドで合わされるもののシュートミスに助けられる。
クレインズの最初のシュートは2分過ぎ、敵陣でDFに絡まれながらもS39にようやく当てたという感じのシュート。しかし、クレインズ守備陣の踏ん張りはわずか3分しか持たなかった。
3:16 あっさり先制される G33←13←22
一旦パックを自陣からクリアしたが、ニュートラルゾーンで立て直されると、なぜか数的不利な状態で攻め込まれているではないか。最後はS13がゴール前まで持ち込み、フォローしてきたS33につなぐとあっさりとゴールを割られてしまう。守りはどーしたの、守りは?。
その後、試合は落ち着くものの、クレインズは動きが悪く、敵陣に入ることすらままならず、放り込んでも二次攻撃、三次攻撃へとつながらない。逆に、西武は平岩に対してシュートを集め、ゴール前にFWが密集。平岩、パックをDFにつないで次の攻めにつなげるどころか、飛びついてパックフリーズするのが精一杯。
7:27 S17 Boading
それでも、放り込まれたパックにようやく先に追いついた正和が反則を誘う。
しかし、今日最初のPPも前半は自陣からニュートラルゾーンへのDFの球出しが遅く、敵陣に入れない。見せ場と言えば、自陣ブルーラインからニュートラルゾーンをクロスするようなロングパスで竹内が抜け出しDFにつかれていたもののシュートまで持っていけた場面ぐらいか。残り、30秒あたりでようやくセットするもシュートが打てない。
フルソトレングスになった後、今度は自陣に放り込まれたパックを賢吾がクリアミスしてしまい、そこをS47に拾われるとゴール前に上がってきたS51がシュート。そのリバウンドをS51の居る方向に出てしまった平岩。再び叩かれたパックはグラウンダーだったにも関わらず平岩全く動けず。
10:22 何してんだDF G51←47
クリアミスする方も悪いが、これを止められないほど錆び付いてしまったのか平岩(そんなことはないと、この時点までは信じてはいたが)。
さすがにこのままでは何点取られるかわからない。久々の敵陣でのフェイスオフが小林に渡ると、そのまま単独で西武DFを交わしつつ、ゴール左(小林から見て)まで持ち込み、S39とゴールとの間に隙間ができたのだが、最後にパックを放り込めない。
しかし、西武も反則で「試合らしくしようと」してくれる(苦笑)
12:56 S13 Highsticking
だが、ここのところの不調を象徴するようなPPでの情けない攻めにブチ切れる私。「点取る気あんのか、しっかりやれ!」と静かな館内に響き渡る私の野次。これが効いたのかどうかは知らんが、PP終盤にようやくセットすると、ポイントの位置から岸部がゴール前に入っていた竹内にパックを出す。ただ、パックは竹内の足元とフリーズしようと飛び込んできたS39との間でルーズになっている。一旦、S39が押さえたかに見えたが、そこに飛び込んできた腰越が、
14:39 ようやく1点をもぎ取る PP成功 G92←32←2
パックをもぎとるようにゴールに叩きこむ。これで、なんとか試合になりそうな雰囲気になってきた。
15:20 C22 Interference
本部席前一発当たりに行く。それはナイスチェックだったが、それでも動きが前へ行こうとする西武プレイヤーを手で邪魔してしまう。
本日最初のPKを迎えるが、そりゃも目を覆うばかりのピンチの連続で平岩大忙し。それでも何とか2分間はクリアしたが、その後も1分近く自陣からパックを出せず、岸部がベンチに戻れない。最後はDFを2人入れて、やっとアイシングで逃げた(岸部、肩で息してた)。
18:31 C34 Holding/S13 Holding
Stick
両成敗はまだ良いが、
19:52 C20 Unsportsmanlike Conduct
オフサイドの裁定に一言文句を言ってしまったのか、それを反則にされてしまう。こういうつまらない反則を無くさないと...。2ピリの開始が心配だ。
なんとか1ピリ終了。
Shots on Goal:C6、S16。
(2)第2ピリオド
ところが、心配していた開始早々のPKは凌げなかった。
0:40 あっさりPPを決められる G47←28←77
正面ブルーラインから豪快にシュートを打たれ、平岩の左肩に当たってネットが揺れる。余計な一言が1点と引き換えになるんです。無駄な反則はとにかく止めてもらいたい。
4:45 S33 Holding
西武陣内で山野と辻が激しく動き回り、最後は反則まで取ってきたのに、それを生かせないPPユニットがふがいない。特に雅俊の動きがイマイチ。
それでも、7分過ぎには飯塚と本日400試合出場となった中村との間でセンタリング&シュートまで持っていくが正面。クリアパックをブルーライン上で止め原武が豪快にシュートを放つもこれも正面。2つ目、4つ目の頑張りで敵陣でパックをつなげるようになり、「もしかしたら」と思った私がバカでした。
9:50 またもや競り負けから失点 G18←19←40
ゴール裏での競り合いでC32、C3がことごとく負け、パックを奪われゴール前にパス。そこにS18がフリーで飛び込み平岩の左肩口を抜く。しかし、当の平岩は一歩も動けず。しかも、グラブさえ出せず。それじゃお地蔵さんじゃないの。自陣でパックを奪われては絶対にいけないはずなのに...。
11:53 S51 Holding
これも飯塚が西武ゴール付近で粘って反則を取ってきたのに、またもやPPユニットがそれを無駄にするどころか、カウンターを喰らうと、
14:00 もう止まらない G40←2
PP終了後、自陣からニュートラルゾーンにパックを出され、その時点で2−1隊形。更に、反則退場明けのS51まで加わった3−1隊形になる。パックキャリアのS40。どーするかと思ったが、そのままシュート。平岩、またもや「お地蔵様」状態。ナメられてるよ完全に。
この時点で野次る元気も無くなりましたわ。
14:47 C96 Holding
この先、何点とられるのやら、と思いきや、
16:28 S18 Holding
このPPのチャンスに敵陣のゴール左フェイスオフサークルあたりでパックキープしていた腰越。正面には西武DFが居た。パスを回すかと思いきや、思い切り振りかぶってのシュート。
18:07 ようやく2点目が決まる G92←14
もう開き直ったのか、パスせずに思い切り放ったシュートは前にいた西武DFのブラインドになったか、K39のマタを見事に抜いた。
このまま2ピリは終了。
Shots on Goal:C9、S15。
(3)第3ピリオド
3点差ではあったが、クレインズは平岩をそのままゴールクリーズへ送る。そして、動きの悪い正和、雅俊、佐曽谷を引っ込め、32−20−10、14−92−24、13−27−19の3セット回しに変更。それでも、3点目を先に奪えばまだ試合はまだわからなかったはず。しかし、こういう状況を把握しているのか、と首をひねりたくなるようなDF陣の連続反則には閉口。
3:01 C3 Slashing
4:38 C22 Highsticking
この5人対3人のPPをしっかりモノにされ、完全に息の根を止められる。
4:55 外から豪快に G28←40←77
あと6秒で5人対3人が5人対4人になるところで失点。この流れは止められない。
6:25 ゴール前まで持ち込まれあっさりと決められる G28←40←33
ついに7失点...。もう試合を黙って見ているしかできませんでしたわ。あっ、ちなみにこのアシストで藤田は通算200アシスト達成だそうで、おめでとうさん(乾いた声で)。
さすがに、西武ももう「お腹一杯」という感じで、つまらない反則をしてくれる。
8:31 S13 Boarding
ここで西武のゴーリーはS39からS30へ(練習タイムですな)。
しかし、このPPを決めてくれた。
10:00 今日3つ目のPPが決まる G27←92←24
腰越の放ったシュートは弾かれて、ゴール右(腰越から見て)後方に流れたが、そこで待っていた史郎が素早くパックを拾い、前に出ていたS30とゴールの隙間にゴール左後方からパックを流し込む。6回あったPPのうち3回を成功させる。7点取られるとPP成功率は上がるらしい(苦笑)。
10:32 S51 Elbowing
このPPも西武陣内で攻め込むが、ここは押さえられる。もし、ここで決めていたら、もうちょっと展開は変わったかも知れないが、もう7点取られている状況では、むしろ無駄か。
しかし、400試合出場の中村と辻はひたむきに自分のプレーを続けていた。その結果が形として現れる。
16:38 400試合記念ゴール(???) G19←13←27
ゴール左(クレインズ側から見て)のボード際で西武DFを翻弄していた辻が角度の無いところからシュート。DFをひきつれつつ、ゴール前に合わせに来た中村に目が行ったか、S30が前に出たところに辻の放ったパックが飛び込む。記録上は中村のゴールになったが、辻のシュートがそのまま入ったことは事実。しかし、400試合出場といいうことで、変更申請も無く、そのまま中村のゴールになりました。今日は昨日のミスを返そうとひたむきに一生懸命プレーしていたご褒美として、「ゴール中村」で良しとしておきましょう。
結局、3ピリはクレインズ優勢のまま終了(時既に遅しという感があるが)。
Shots on Goal:C15、S3(で2点取られるなっちゅーの)。
スカイAスリースターは、1st:S28、2nd:S33、3rd:S40
完全にクレインズの守備は崩壊していることが立証されました。その分、いかにロブに助けられていたかが解ります。でも、今日、ロブが守っていたとして、やっぱり負けていたでしょう。
せっかく会場に来てくれた観客の前で「情けなく、恥ずかしい試合」を見せてしまった以上、「ここで膿を出し切った」という解釈を私はしたい。当然、この後の試合は全勝するための布石なんですよね。
「捨てゲーム」という言葉は嫌いですし、負けるつもりで試合に臨むバカは居ないでしょう。でも、結果は今季最多失点...。平岩はほとんどのシュ−トに反応できず...。「長野まで来て何をやってるんだ」と言われても仕方ありませんね。もう呆れてこれ以上モノが言えません。年内の私の観戦記はこれで終わりになってしまうのも、これまた悔しい。が、当の選手が今日のどうしようもない負け方を「悔しい」と思っているかがどうかがポイントですね。
チーム事情があるにせよ、観客、そして相手に対して「非常に失礼」な試合です。