アジアリーグアイスホッケー 2003〜2004
12月7日(日)コクドVS日本製紙クレインズ(2回戦) 観戦記
(新横浜プリンスホテルスケートセンター)
(0)プロローグ
今日勝てばアシアリーグを制するのでは?、という気にもなるのだが...。負ければ、「やっぱりいままでのクレインズ」。コクドに勝ってこそのタイトル獲得こそ意味がある。
しかし、昨日の試合を見る限り、今日は勝つとしてもタイトな試合になるハズだ。無用な反則、失点を避け、少ない(パワープレー)チャンスを確実に生かすことができれば、そこそこ良い試合になるだろう...な。
【クレインズ】
30−31
71−47−10−44−7
32−19−18−22−23
14−27−24−2−77
13 −42−34
昨日と同じメンバーで、サブゴーリーが平岩に代わっただけ。今日も残念ながら健泰の出場なし。
【コクド】
44−39
18−33−8−5−11
22−77−40−28−37
9−26−12−2−88
75− −17−72
レフェリー:ランタラ
ラインズマン:小野(健)、小野(太)
(1)第1ピリオド
期待しつつも、厳しい現実を突きつけられる。今日も昨日の繰り返し。放り込まれてはパックを先に取られ、さんざん引っ掻き回され、動きを止められずシュートまで持っていかれる。今日は昨日よりひどい。2分過ぎにはゴール周辺でパックをフリーでキャリーされ、ラップアラウンドで次郎が吊りだされオープンネットになる始末。パックはゴール前に戻され押し込まれるところだったが、ゴール前に殺到するクレインズDFと次郎の懸命のフリーズでピンチを切り抜ける。
3:11 C44 Holding
その後の自陣でのフェイスオフをコクドに取られ、ボード際の競り合いでつい手が出てしまう。
いきなりのPKを迎える。4分過ぎには、ゴール前に入ってきたプレイヤーとクレインズDFが交錯したはずみで次郎がおっちゃんこ状態。そこにブルーライン中央から放たれたシュートが飛んでくるも、既に座り込んでいた次郎のおしりあたりにパックが到達。今日も立ち上がりから失点しそうな雰囲気がプンプンである。しかし、最初のPKを守りきった直後、執拗にパックを追い回すK40が「あっ、やっちまった」という、やんちゃ坊主のような表情でペナ箱に直行する。
5:16 K40 Boarding
ところが、このパワープレーが全くもって格好がつかない。シュートは打てないばかりか、敵陣に入ってもセットするまでもいかずに何度もカットされる始末。昨日は7分過ぎにファーストシュートを放ったが、今日はこの時間になっても枠を外した空シュートが1本という状況。
相変わらずコクドのパック支配は続く。クレインズは防戦一方。攻撃に出ても思うようにパックが前に進まない。まずもって、攻撃に移るまでの時間がかかりすぎな上に、上がっていくスピードも無い。それ以前にコクドの最終ラインに最低2人がニュートラルゾーンにしっかり戻っている。攻めあぐねるクレインズ。
12分過ぎ。ニュートラルゾーンからダンプイン気味のシュートを雅俊が放ち、K44のブレードに勢い良く当たったのが本日最初のシュート。
もう1ピリは守るだけ、と決め付けているのだろうか?。
12:35 K77 Slashing
これはコクドが早いタマ出しから2−1隊形を作り、ラストパスを大澤が懸命のブロックでチャンスを潰した後の出来事。ルーズパックを取り行ったスティックを思いっきり叩く。
いくら防戦一方とはいえ、ここはクレインズに2度ほどゴール前でのチャンスが訪れかける。ビハインド・ザ・ネットからのゴール前へのセンタリングが通るも合わせてスティックにコクドのスティックが絡みパックは大きく浮いてしまう。史郎がコーナーからポイントの位置から詰めて来たDFとのパス&ゴーでゴール前に切り込むもリバウンドパックが流れて届かない。攻めてはいるが、ゴール前の詰めが甘いような気がする。
その後もクレインズはタマ出しからニュートラルゾーンへのつなぎに手間取り、敵陣に攻め込むことが殆どできないまま時間だけが淡々と過ぎていく。対するコクドはあっさりといとも簡単にクレインズ陣内に攻め込んでいく。明らかに「力の差」を感じさせられる。
18:02 K17/C44 Roughing
ベンチ前でつかみ合う二人。セットチェンジの際に交錯でもしたのか?。でも、4on4になって困るのはクレインズではないのか?。
Shots on Goal:C4、K13
コクドに全くホッケーをさせてもらえないまま20分が過ぎた感じ。
(2)第2ピリオド
立ち上がりにクレインズがうやく敵陣で連続攻撃を見せる。自陣からの攻め上がりの最中で1つ目から2つ目へシフトチェンジ。しかし、コクドはチェンジできないまま自陣の守りとなり、脚が止まる。2つ目に代わったクレインズは執拗にパックをつなぐ。このままコクドに交代させずに一本決めてくることができれば、「クレインズもえげつなくなったなぁ」と言えるのだが...。
3:24 C2 Hooking
しかし、K18の執拗なパックへの突っ込みに対し、きちんとマークに入っていたにも関わらず、「とにかく前に出て行ってやる」という勢いが反則を誘っている気がする。
ところが、クレインズも昨日からPKは不思議と守りきっている。コクドのボックスフォーメーションは早いが、高い位置でのプレスが効いているせいか、パスの繰り返し状態に追い込んでいるものの、最後は外からシュート&ゴール前に飛び込んでリバウンド&リフレクションを2度見せるところは、点につながらなかったもののさすがだ(って相手を褒めてどーするよ)。
相変わらずチャンスの糸口さえ掴めないクレインズだったが、8分過ぎにコクドの攻めを凌いだ後のカウンターが嵌り、ニュートラルゾーンで博史−竹内による2−1の大チャンス。そこにフォローしているのは雅俊。何でもできる状況だったが、パックキャリアの博史は竹内を使わずDFをひきつけた後、背後にフリーで入ってきた雅俊に託する。スロットでK44と1対1。しかし、放たれたシュートは判断良く横転していたK44のレガースに当たってしまう...。ここで決めずにどこで決めるんだ雅俊!。
11分にもダンプインされたパックを(タマ出しの遅さかDFの戻りの遅さに業を煮やしたか)次郎が空いているスペースを使って前線にロングパス。これが見事に雅俊に通るとゴール左サイドのスロットまで突進しシュートを放つもブロック(ブロックされたパックがポストに当たるぐらいだから、シュート自体は悪くないのだが)。
12分にも同様にロングパスから3人のマークを強引に突破し、史郎が右サイドからシュートを放つも突破した時点で勢いが半減、シュートの威力も半減しあっさりキャッチされリバウンドが出ない。もっとも、コクドの戻りも相変わらず早く、充分な態勢でゴーリーが困っしまうような(リバウンドを出させる)プレーができなず、攻撃は単発に終わる。
ようやくクレインズの攻撃シーンが見え出したかと思いきや、13分には自陣に流されたパックがルーズとなりブルーラインとゴールクリーズの丁度中間あたりに転がると、そこに次郎が飛び込んでいく(早く戻ってやれよDF!)。好判断というより、そうせざるを得なかったのも辛いが、フリーズし損ねてしまい、コクドFWが次々と飛び込んでくる。一旦コクドに渡りそうになったパックを必死に掻き出したのは岸部。なんとか踏ん張れ!。
しかし、
14:30 一瞬脚が止まりマークが外れる G88←40←22
ダンプインされたパックをK40に先に拾われる。それでもマークがついて居るうちは良かったが、ラップアラウンの最中に交わされてしまい、一瞬フリーになる。それでもフェイスオフサークルのゴールラインに近いところまで離れていったため、ダイレクトでゴールは狙えないとタカをくくったのが命取り。シュートではなくゴール前へのセンタリングに切り替えるとマークを引き連れたK88の巨体が飛び込んでくる。スティックは生きていたようで、チョコンと合わされ、ラップアラウンドに備えて低い態勢になっていた次郎の逆を突く格好となりゴールを割られる。
点が取れなきゃ、取れないなりに守りもキッチリ気を抜かずに続けて欲しかったのだが...。残念な失点。
15:22 C7 Tripping
それでもコクドのPPはクレインズが良く守っている。近来のクレインズがパワープレーで見せるパスの連続状態にしている点はそれなりに評価できるのだが...。
19分過ぎ、1つ目、2つ目がコクド陣内で久々に見せるアグレッシブな攻めの連続。「もしや」と思わせる程の気合が感じられたが、コクドの堅い守りにシュートまで持っていけずに2ピリ終了。その「気合」を何故最初っから見せてくれない!。
Shots on Goal:C9、K8
昨日に比べコクドの守りは堅く、クレインズは数少ないチャンスをモノにできずに先制される苦しい展開。
(3)第3ピリオド
しかし、3ピリ開始からコクドが再三クレインズゴールを脅かす。しかし、1分、4分と2度あった2−1のチャンスをいずれもシュートミスで潰し追加点が奪えない。
逆にクレインズは早いコクドのディフェンスラインの戻りに手を焼き、パスが思うように繋がらず、バタバタし始める。
5:34 C77 Highsticking(Double)
ちょっと目を離してしまい、反則になったシチュエーションを確認できなかったのだが、コクドベンチがレフェリーに向かって抗議している様子を見ると、反則があったことは避けられない事態であり、あとはスティックが顔に入って血が出たか出ないか云々で抗議しているように思われる。結局、偶発的なハイスティックによる怪我との判断でダブルマイナーとなる。
6分過ぎ、私が座っている席にパックが飛んできました。左手でキャッチしようとしましたが、手のひらに当たってしまい、リバウンドを出してしまいましたが、同じ列に座っていた、さかなさんの手元にスッポリ収まりました(余談です)
一つ目のマイナー分は守りきった。素晴らしい守りだった。このまま4分間を守りきれば流れが来ると思われたPK残り1分。ブルーラインを超えたと思われたパックが結局超えずに連続攻撃へ発展してしまったことでゴール前の守りが一旦崩れたところにシュートを浴びると、ゴール前にコクドFWが殺到。リバウンドのが出てるも、更に次郎が懸命にクリアする転倒。しかし、パックは生きていた。
8:21 守りきれず G28←33←18
いかに次郎でも3発目は止められない。ゴール前で呆然と立ちすくむクレインズ守備陣。今思えば、この時点で勝負は決まっていたかも知れない。
12分過ぎ、山野が懸命にコーナーで動き回って奪ったパックがゴール左脇の樺山に出る。にじり寄るK44を避けようと逆サイドの桑原にパスするも足元に行ってしまい叩けない。「ゴール前なんだから、ちまちまこねくりまわさずに、パックもらったらすぐに叩き込まんかい!!」
13:18 K77 Holding
シュートはどうしたシュートは!。
焦りからパックは踊る、パスは繋がらない、前に進めない。点なぞ入る訳がない...。今年の全日本準決勝対コクド戦を見ているようだった。コクドの守りに満足な攻めをさせてもらえないまま残り1分。6人攻撃にも移れない。自陣に放り込まれたパックをDFが拾い攻めあがって行くと同時に次郎がベンチへ走る。しかし、敵陣にパックを入れてもシュートまでは持っていけずに挙句の果てにアイシング。
残り10秒でも放り込まれたパックを自ら追っていき前線にパスを出す次郎の姿が痛々しかった。と、同時に鳴り響くホーン。
Shots on Goal:C8、K8
失点は減ったが、決定力も低下するようでは...。
今日は完敗です。昨日の試合を観ている私に言わせれば、「負けるべくして負けた」。
所詮、この程度なのかクレインズのホッケーは?。
違うでしょう。頼むから「違う!」と言ってくれ。そして、「違う!」ところを見せてくれ!!。
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