第38回日本アイスホッケーリーグ レギュラーリーグ後期
2月29日(日)日光アイスバックスVS日本製紙クレインズ(4回戦) 観戦記
(日光霧降アイスアリーナ)

(0)プロローグ
 さて...、消化試合第2弾です(笑)。
 バックスの地元最終戦ということで、大変な入場人員。通路にも立ち見ができ、インターバルではトイレに行くのも大変。それにしても「今季最後の試合だから」というだけでこんなに一杯になるのはいかがなものか?。何故、最初っから観に来てあげないんだ、地元ファンよ。
 本日は、今季初の東側スタンドでの観戦。こっちで観戦した時の勝率って悪かったなぁ、と思いつつ。練習開始時に選手の動きをチェックしに来た田中監督とバッタリ。「最後はキッチリ決めて下さい」と声をかけるも笑顔で応えた監督。苦しい台所事象が「まぁ、観てて下さいよ」という一言を飲み込んでいた感じがした。とは言ったものの、やっぱり正直言って力が入らんのは変わりない。東側で唯一(たぶん)クレインズレプリカを着ていた私だったが「とても静かに」観戦してました(苦笑)。

【クレインズ】
30−41
20−47−18−33−72
8−19−32−7−22
24−27−21−23−44
13       −77−2
昨日と同じメンバー。辻はキルプレーと2ピリ途中でシフト。勇も2ピリ途中でシフト。それ以外はDFのペアリングも含め3つ回し。

【バックス】
1−37
32−9−18−33−24
14−16−10−3−8
11−41−74−34−19
97−15  −82

レフェリー:根本
ラインズマン:赤坂、椎谷

(1)第1ピリオド
立ち上がりはクレインズの動きがやや重かった印象があったものの、パックを概ね支配。しかし、バックスも自陣で攻めを凌いだあとのカウンターの攻めにスピードが感じられ、次郎に1発シュートを浴びせる積極的な動きを見せる。

 3:05 C33 Slashing

流れのなかでやらかしたらしい(その瞬間は見てなかった)。
本日最初のPKだったが、これが昨日の1ピリと同じで、高い位置でプレスをかけ早めに相手の動きを潰しシュートを1本も打たせない守り。ここで動き回ったせいか、クレインズの動きが良くなっていった。昨日、再三パックを支配しながらゴールを決められなかった1つ目が敵陣で連続攻撃。次々とパックを奪うと、雅俊がゴール裏で完全にフリー。

 
6:56 今日は決めたぞ G18←22

ゴール裏からゴール右(GK視点)側から弧が大きめのラップアラウンド。ゴール左(攻撃視点)45度に回り込むと右スミ(マタ?)にパックを流し込む。
今日はいい形で先制したし、昨日のようにFWのフォアチェックとDFの高い位置でのプレスが機能すれば大丈夫かと思いきや...。2つ目、攻めに熱中するあまりFW3人が奥に入り込んでしまった状態でカウンターを食らうとタテパス1本で2on1の状態に。フォアチェックも高い位置でのプレスも全て吹っ飛ばす状況になっちまった。

 
7:33 「お得意」の「束の間リード」かい G32←3←9

ゴール左(攻撃視点)からB3が上がっていく。絶妙なタイミングで逆サイドにパス。バックドアを綺麗に決められる。今日も40秒弱のリードか...。

 7:59 B41 Highsticking

このPP、無失点に終わったけど、昨日のPPに比べると遥かに内容は良かったです。外からシュート、リバウンドを叩く。スキあらば切れ込んでスロットからシュート。左右に大きく振ってバックドア&リフレクション狙い、と1分半にわたりPPスペシャル1つ目(47−20−18−33−7)は厳しい攻めを見せてくれた。ただ惜しむらくは、左右の「振り」のスピードが遅く、全てB1に見切られてしまったことか。

 11:06 C44 Crosschecking

自陣Dゾーンでパックの奪い合い。キープしたかと思えば突っつかれ、また奪い返してクリアするかと思えば、モタモタしてる間に突っつかれ、ブルーライン上で双方のプレイヤーのスティックが接触し合った中でパックがフライとなりゴール前スロットの位置に落ちる。先にパックを触ったバックスプレイヤーをゴールクリーズ内で「お手本のような」クロスチェッキングで倒してしまう。そもそも、タマ出しが遅い、というか、切るなら切る、攻めるならFWが早く前に出てフリーになっていればいいのだが、それが出来ていないためにDFが自陣で孤立してしまう。

しかし、このバックスのPPは見ごたえがあった。とにかくゴール前にパックを集め、守備を崩しリバウンドを叩く、という「意思」が明確だ。PP終了間際にはバックドアを決められそうになり次郎が転倒しながらセーブするもパックをDFがクリアし切れず、ゴール前にルーズになっている。そこを叩かれ「やられた」と思いつつ、ここはバックスのシュートミスに助けられる。

さすがに最終戦とあって、今日のバックスにはカウンターの攻めに迫力を感じる。大観衆のメガホンもそれを助長していたかも知れないが、ちょっとクレインズが気を抜くと、あっさり数的優位を作られてしまう場面が何度か見られた。
しかし、これは裏を返すと、今日のクレインズの動きは昨日と比較すると良かった、ということ。攻めに関して言えば、敵陣での連続攻撃には迫力があったし、スピードもそれなりにあった。ただ、好守全体通してそれが観られなかったのが残念なのだが、動きは悪くない。、

 18:59 B41 Holding

ただ、このPPは肝心なところでパックキャリアがパスしてみたり、DFがすぐに打って崩せばいいのにフリーのFWを探そうとワンテンポ遅れてしまったり...。

Shots on Goal:C12、B9
私が見る限り、今日のクレインズは昨日よりも動けている。だが、今は同点。パックを長く持っていても「気持ち」が乗っていない攻めではゴールは奪えない、ということか?。

(2)第2ピリオド
残っていた1分のPPも実らず。
しかし、動きは悪くないクレインズ。
1分には、タテ1本で太郎が右サイドから強烈なミドルシュートを放つもセーブされる。
3分には、1つ目が連続攻撃。雅俊の中央突破が攻撃の起点となり、敵陣でシュート&リバウンド。クリアパックも樺山が拾い、ベンチ側のブルーラインよりもやや内側に居たダーシにつなごうと流したパックに、なんと嗅ぎ付けてゴール前にオーバーラップしようとしていたフォスターが交錯。ワンタイムで叩こうとしたフォスターとパックを拾って得意なポジションに移動しようとした動きが止まってしまい、結局、ダーシがゴール前に弱いシュートを流したところでチャンスを潰す。天を仰ぎ「(たぶん)ごめんよ(勿論英語で)」とダーシに声をかけるフォスター。

 5:29 C24 Tripping

たまたま出していたスティックに引っ掛かってくれちゃったりする。ちょっと不運な反則。

しかし、今日のバックスのPPは最初は別として、「気持ち」がこもっていた。シュートリバウンドをクレインズが処理しようとしても、そこに喰らいつきパックを奪い返す。6分半には守りが完全に崩されゴール前でDF一人。右サイドからB8がシュートと見せかけて左サイドでフリーのB18へパス。完全に「やられた」と思ったところで次郎が決死のダイブ。辛うじてシュートを止めた。
その様子をメモっていると、何故か場内が騒がしい。なんとリンク中央でもみ合いが始まっていた。竹内が珍しく檄高しつかまれていたスティックを振り払ったり、パンチを繰り出す...等。そこにフォスターが出てくるわ、そしてバックスファンで一杯のスタンドからヤジられるは罵声を浴びるは...。で、結局、

 6:32 C32/B8 Roughing(Double)
 6:32 C33/B19 Missconduct

何があったか知らないが...。詳細はスカイA見てね。

で、このためにフォスターの代わりにジョーが上がり7−72、22−23、44−77で回す。また竹内のところに真治郎がシフト。真治郎はパックに絡む動きを見せ、ゴール前でチェックを喰らいB1の上に倒れこんでしまう場面も。

得点は1対1で同点なんだが、なんとなくクレインズがリードしている気がしてならない。バックスの勢いも無視できないが、クレインズの動きが全般的に上回っている。ただ、時々そいつが「切れる」ところがあるのがいただけない。自陣からのタマ出しに時間をかけてみたり、敵陣で攻め続けているのに、自分で打たずにパスしてみたり、それが繋がればまだしも...。

 12:19 B Too many players on the ice(#97)

これはねぇ、審判団の処理が遅すぎ。ラインズマンからの進言だったようだが、レフェリーが最終的に裁定を下すまでに2分以上もかかっているようでは、大勢集まった観客のテンションが下がるでしょうに。

 
13:48 ブチ込んだ G23←21

本日3回目のPP。そろそろ決めてほしいなぁ。フォスターが居ないPPスペシャルには博史が入るも有効打が出ない。2つ目は32−21−8−23−22(だったかな?)で組んでいたが、その急造2つ目が結果を出した。D−Dパスの格好で右サイドの酒井からブルーライン際、左サイドから強烈なスラップショットが乾いた打撃音を残しネットを揺らした。ゴール前で相手DFに当たったか?。

しかし、勝ち越しゴールを決めたヒデが張り切りすぎたか、

 16:27 C23 Holding

これは反則する必要は無かったと思ったんだけどなぁ。確かにタテパスでベンチ側に1人抜けて行ったことは間違いないが、逆サイドにDFが戻ってきており、決して大ピンチというわけでは無かったはず。まぁ、それでもDFの仕事だからパックキャリアに追いつきチェックに行ったまではOK。でも、スティックで前進を止め、それを振り上げて転倒させてしまうのは、やりすぎ。

このPKはある意味注目して観ていた。ここを守れば、まず負けることはないだろうと思ったから。それほど重要なPKだった。1分半をなんとか守りきりパックをクリア。「これで行けるかな」と思った直後に、タテパスが出ているではないか。

 
18:06 選手交代のスキを突かれる G14←18←16

自陣からのタテパスがB18に通ると完全に後追い。平たく言うとノーマーク。しかし次郎が倒れこみながらも決死のブロックで死守。しかし、パックがゴール前にこぼれており、そこに飛び込んできたB14に押し込まれる。ベンチが遠い分、サッサと走っていかにゃならんのに...。これじゃ次郎がいくら頑張っても無理。
こういう時間帯での失点、そして些細と思われるプレーが命取りとなり、今季のクレインズは勝ちを逃していたのでは、と思わせるような象徴的なプレーのような気がした。

Shots on Goal:C10、B13
動きは良いんだけどねぇ...。あっ、誤解しないで、今日のバックスよりも、という意味ですよ。

(3)第3ピリオド
1つ目、自陣からのタマ出しのモタツキ。いい加減にしてくれないものか。さかんにバックスに突っつかれ後手後手に回りバタバタになる始末。攻めているときはいいんだけどねぇ。

 1:17 B16 Interference

これはジョーが自陣のコーナーでB15の動きを封じようと動き回っていたが、結局、止め切れずピンチになるかなぁ、と思っていたら、後ろで構えて待っていたB16のスティックに引っ掛かり綺麗に転倒してしまったんだよね。「演技がうまいなー」とバックスファンから野次が飛びました。

 2:33 C20 Tripping

突き放すチャンスでしたが、敵陣でパックを奪われその相手を引っ掛けに行くのはどうか?、と思う。自分で流れを切ってないか?。

5分過ぎ、守勢に回るとバックスの攻めにタジタジのクレインズ。30秒近く連続攻撃に振り回され続けバタバタ。
「あっ、そうか」とハタと気がついた。クレインズの動きがいいのに突き放せない。逆にバックスの攻めにタジタジとなってしまうのは、「気持ち」が入ってないからじゃないのか?。「なんとしても地元で1勝を」という気持ちが入っているからバックスの攻めに「迫力」を感じるのかな、と。昨日から1つ目に精細が無いのはそのせいか、と勝手に思いつつ、だったら、ここまで出場機会の少なかった選手に期待するしかないかな、と思った8分過ぎ。
3つ目が敵陣で動き回る。パックを渋とくつなぐ。一旦、奪われるかに思われたパックを酒井が拾うと、バックスは人数不足。最後は右サイドでフリーになっていた史郎にパスが通り、B1は寝てしまう。1人残っていたDFが飛び込むも落ち着いて逆サイドにパスを出す。

 
8:49 貴重な勝ち越しゴール G24←27←21

最後は落ち着いてパックを放り込む飯塚。飯塚にパックが回るまでのFW3人の動きは素晴らしかった。

9分、ダーシ→雅俊のホットラインが通るも肝心の雅俊が決められない。昨日からモヤモヤが続くこの2人。

 10:11 C8/B3 Roughing

ホイッスル後にもめる。

その後は膠着状態になるも、諦めないバックスの攻めがわずかに優勢。しかし、肝心なゴール前での連携ミスやパスミスが続き、クレインズは労せずしてピンチを免れる。
クレインズも17分にまたもやダーシ、雅俊のコンビでバックスゴールを襲うも決めきれない。
18分には、大澤がブルーラインから強烈なシュートをB1に浴びせ、リバウンドがフライとなりゴール左手前に落ちる。殺到する両チーム。しかし、わずかにバックスDFのクリアが早かった。そのクリアパックを攻めにつなぎクレインズDゾーンに入っていくバックス。その間にB1がベンチへ走り6人攻撃。しかし、30秒後にプレーが止まると、いつの間にかB1はゴール前に立っていた???。しかし、

 18:32 B 六人攻撃

クレインズDゾーンからのフェイスオフとなり迷わずB1が上がる。このフェイスオフをバックスが奪うと、ゴール裏からの攻めを起点にゴール前へセンタリング。この試合でも何度か同じシーンを見たが、誰も入っていけず実らなかった攻めが、この1人多い場面でつい実る。しかし、そうはさせじとゴール右に立っていたB34へチェックを入れるクレインズ。スティックを上げつつももみ合っている間にパックは次郎の右手前にルーズ。それを逆サイドに流すと、直前のゴール右脇でのもみ合いで次郎が棒立ち状態。その足元にパックが残っていた。

 19:03 バックス、クレインズゴールにパックを叩き込むが...

「やはりやられてしまったか」と思ったが、ゴール真横でさかんに「ウォッシュアウト」を繰り返すレフェリー。そう、あのもみ合いがハイスティックだったようでノーゴール裁定。場内は同点ゴールに大爆発のバックスファンのメガホンが耳をつんざくように容赦なく入ってくるも、私の目に見えるのはレフェリーのシグナル。そして、「ハイスティックがあったためノーゴール」という場内放送後には大ブーイング&罵声の雨あられ。

結局、アウトサイドのフェイスオフとなるも六人攻撃は継続。しかし、今度はクレインズがパックをクリア。敵陣でバックスにプレスをかけパックを奪うと、

 
19:17 今日も決まったエンプティネット G20←47

Shots on Goal:C14、B6

GBP:1☆ 酒井、2☆ 雅俊、3☆ B32

「こんな状態で勝ってしまってすいません」ってバックスに謝りたい気分でしたね。でも、飯塚が決勝点を奪ったということは良かったと思うし、バックスの「気持ち」のこもったプレーをクレインズは大いに見習うべきだと思った。1☆は酒井になったのは2アシストという数字もさることながら、バックスに居たからじゃないかなぁという粋なはからい、かと思いました。

最後にバックスファンから「吉田健泰コール」が出ました。初ゴールは決めたし、昨日の試合ではアシストも記録したし、後期は全敗に終わったけど試合に出る機会が増えて良かったと思います。バックスファンに認められたのですから。また、試合途中、1ピリのインターミッションでは、2月上旬の釧路でのバックス戦で行った合同カンパで沢山カンパがありましたよ、という場内放送。バックスファンのメガホンによる「感謝」があったことを付け加えておきます。

来季の日本リーグはどうなるか、またもや先行き不安な状況です。我々がどうしようもならない大きな力で、「やめてしまうこと」は簡単ですが、そういう「大きな力」を持った人には、アイスホッケーを愛する人が大勢居るんだぞ、ということを忘れないでほしいと思いつつ、バックスファンが大勢残っている霧降アイスアリーナをそそくさと後にしてきました。

これで今季も終わりです。寂しいですが...。

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