第38回日本アイスホッケーリーグ レギュラーリーグ前期
10月5日(日)日光アイスバックスVS日本製紙クレインズ(2回戦) 観戦記
(日光霧降アイスアリーナ)

(0)プロローグ
 「クレインズは霧降アイスアリーナで日光アイスバックスに対して連勝したことはない。」
 しかし、昨日の第1戦では2点のリードを守りきれず。バックスの反則に助けられ辛うじてOTで勝利をもぎとった。バックスの地元開幕戦でもあり、ある程度の苦戦は予想されたが、2ピリ以降は苦戦どころか完全にバックスペースに引きずり込まれた。とりあえず勝ち点2をもぎ取ったが、昨日のような試合は繰り返してもらいたくない。


【クレインズ】
30−31
71−20−32−7−23
8−19−10−22−34
18−47−14−72−77
13−27−  −2


DF面でのほころびが見えた昨日の試合を踏まえての岸部の投入か?。


昨日の終盤にケガをした竹内も元気にリンクに顔を出してくれて一安心。


(試合前の入念な打ち合わせ? 太郎と博史)

【バックス】
42−1
15−9−81(井原、ユニフォームを忘れたのではなく、無くしたのか?)−34−19
32−41−97−3−8
74−14−10−24

レフェリー:川村
ラインズマン:小野、吉新

(1)第1ピリオド
今日も立ち上がりからクレインズがパックを支配し優位に立つ。
シフトが一回りした2分過ぎ、バックスが自陣からパックをクリアしたかに見えたパックを桑原が飛び込んみ攻撃を継続させると、

 2:36 B8 Slashing

昨日、2度あった5on4のPPはいずれも失敗。今日はキッチリ決めて先制しペースをつかみたいところ。早くも71−20−10−32−7のスペシャルセットを投入。何度かクリアされるものの、敵陣でのパス回しは「お得意」。今日もなかなかシュートを打たないな、と思った矢先。DDパス気味でジョーから竹内。すぐさま体勢を変えゴール左脇の山野へパス。それをワンタイムで逆サイドに素早く通したパスがダーシのベストポジションに。

 
3:23 ようやく鮮やかに決まったPP G20←10←32

ゴール右(GKから見て)すぐ手前でアングル的には厳しいが、ダーシにとっては「ここしかない」という絶好のアングル。ゴールの上へ突き刺すようなショットが見事に決まる。

(山野のラストパス、見事でした)

4分過ぎ、3つ目のFWラインのDFとして岸部がシフトされるも無難な動きを見せ、まずは一安心。
直後の1つ目がシフトされるも、クレインズは殆ど敵陣でプレーを続けている。またもパックを次々と奪いバックスDFを攪乱すると、パックをキープしていた桑原からブルーライン中央でフリーになっているジョーにパスが出る。その時点でゴール前はガラ空き。そのままシュートを放つかに見えたが、意外にもスピードを殺したシュートがゴール前に飛んでいく。

 
5:04 ラッキー! G20←7←71

当然の如くクリアしようとしたB42。その前を横切るようにダーシが飛び込んでいくもB42が出したスティックのブレードに引っかかったのかダーシは転倒する。その勢いで転倒してしまったB42。その右脇を通過していくパック。ちょっと、B42にとってはアンラッキーという感じのシュートが決まった感じ。ジョーのゴールかと思いきや発表はダーシ。接触直前にダーシがパックを触り角度が微妙に変わったのかも知れない。

私が座っている席の正面はクレインズ陣内の氷上なのだが、試合が始まってここまで5分経過しているにも関わらずその氷はキレイなまま。体を冷えないようにインターバルでさかんに動き回っている次郎の姿。それ程にクレインズがパックを支配している。その状況は、たま〜にクレインズ陣内にパックが転がってきて、何の問題もなくバックス陣内へと進んでいく。太郎が詰めて来たバックスプレイヤーの裏にパックを出すと山野が拾い、そのままベンチサイドのボード沿いを突進。相手DFと1対1となるも、そのまま中央に切り込んでいく。「勝負!」と叫んだ私の声に合わせてくれたかのように、

 
7:25 鮮やか G10←8←22

前に居るDFを回り込むように交わしつつ放ったシュートがグラブサイド肩口を綺麗に抜きネットが揺れる。

 7:25 B Timeout

致し方あるまい。このタイムアウト。
しかし、9分過ぎまでバックスにシュートを許さず、クレインズの攻めは続く。
10分過ぎ、昨日から動きが目立っているB32が今日もラップアラウンドを見せるも、さすがに今日のクレインズDFは潰しが早く、バックスの攻めを単発に抑える。
その後が、クレインズがシフトチャンジしながらバックス陣内でパックをキープし続け、バックスに攻撃の糸口さえ許さない。

 
11:53 なおも畳み掛ける G8←19

最後はビハインドザネッツからゴール左手前のスロットの位置に博史からの素早いパスが出される。そのパスに対して太郎がワンタイムで叩く。DFのマークがあっても委細かまわず放ったシュートはゴール右スミに飛び込んでいた。

(打ち合わせの成果が出たか? 博史−次郎で4点目を奪う)

さすがに4点取るとクレインズも手を緩めたのか、それともバックスが目覚めたか、13分過ぎに久々にクレインズゴールを脅かす。ゴール裏をうまく使ったパスでゴール左サイドに固まっていたクレインズ守備陣を置き去りにするかのように、ゴール右のスロットにフリーで入っていたB19。次郎も完全に振られオープンネット。「マズイ」と思った瞬間、パックはそのまま後方へ流れていく。シュートミスに助けられた。危ない危ない。
18分過ぎには、クレインズ陣内のコーナーで久々の競り合い。そこからB81に抜けられゴール左サイドに向かってノーマークで突進。「マズイ」と思った瞬間、今度は次郎が転倒しつつシュートコースを消しセーブ(次郎、本日最初の転倒)。危ない危ない。

というわけで、終盤にピンチを招いてしまった点がいただけないが(攻め疲れか?)、昨日以上に圧倒的な強さを見せ1ピリを終える。

Shots on Goal:C17、B5。
16分過ぎ、樺山がバックスゴール裏でB24に潰されフェンスに顔をぶつけたか流血(鼻血?)。ベンチまで戻っていく間に血がリンクにしたたり落ちており、その清掃のため数分間の中断(その後、樺山は元気に出場)。

1ピリ終了時点で、「今日は完封しなきゃダメだな」と思わせる程の力差を感じてしまった。バックスには申し訳ないが、今日はいくらなんでも昨日のような事にはならない。昨日以上に動きが悪すぎる。これでクレインズが負けるようではリーグ制覇なぞ夢のまた夢。

(2)第2ピリオド
立ち上がりにタテパスを通され3人置いてきぼりにされる危うい場面を迎えてしまう。「おいおい」と嘆息するもバックスのレシーブミスに助けられる。直後、カウンターからニュートラルゾーンでパックを拾った山野がタテパス。それに既に呼応していた博史がブルーラインを超えるあたりでレシーブ。その時点でノーマーク。スピードが乗っていたため、B42との距離が近く、シュートを打てなかったのかと振り返った博史の顔が「してやったり」だった。

 
1:48 技あり! G19←10

体が既に右(博史からGKを見て)サイドに流れていたものの、長いリーチを生かしてパックはB42の右足元かマタ下にもぐり込ませるようにパックを流していた。

 3:26 C7 Hooking

折角、追加点を奪っても、キープ力のあるプレイヤーに対してちょっとでも対応が遅れるとピンチを招く。ここでもB32が持ち前のスピードでタテに突進。ブルーラインを中央から突破すると、フォローしてきたB81に対してジョーが抑えきれずに引っ掛けてしまう。
1度、1ピリ13分にあったピンチと同じシチュエーションになるピンチを迎えたが、ここでもシュートミスに助けられる。それ以外はクレインズが早め早めの潰しでバックスを攻めさせずPKが終わる。

この先、クレインズの敵陣での攻めは長い時は30秒以上も継続。ボードでの競り合い、1対1での競り合い、ブルーラインの突破力...。全てにおいてクレインズが凌駕しているも、敵陣に入ってからは「キッチリ決めてやろう」という意識が強いあまり、ここぞというところでパス&シュートの一瞬の迷いからパックを手放してしまうなどヤキモキさせる展開になる。対するバックスの敵陣での攻めは、クレインズの攻撃が終わった後、キープ力のあるプレイヤー(B32、81、14)の突進に頼る形が多く単発で終わってしまう。
すると、お互いがやりたいことが出来なくなってくるのを見越したかのように反則が続く。

 10:07 B14 Slashing

1ピリに鮮やかに決めた時と比べて遜色ない攻めではあるが、ゴール前での粘りがやや甘い感があり、あと一本が出ないままPPも終了かと思いきや、

 12:02 C71/B19 Unsportsmanlikeconduct

そのゴール前でのせめぎ合いがプチ小突き合いへ。

 12:39 C34 Slashing

B32に突進を許したまらずスティックが出る。

 14:01 B8 Highsticking

バックスのPPでありながらパックを史郎に奪われ逆襲をくらい、バックス陣内でようやくパックを手放した際に、双方がジャンピングボディアタックを敢行。スティックを上げて体当たりをしたのはB8なのだが、バックスファン95%の状況では罵声が史郎とレフェリーに浴びせられるのは仕方の無いところか。しかし、

 14:28 C18 Tripping

バックスがクリアしようと雅俊を交わそうと前に出ていくも、雅俊がケツを出して転倒させる。気持ちはわかるが、ほっとけばクレインズのPPになるのに、その反則はこの局面で本当に必要だったのか?。
結局、双方反則の出し合いで16分。クレインズは追加点が奪えないまま自陣での守りを迎える。コーナーでの競り合いになるも、対峙していた雅俊のチェックがあまりに淡白。案の定、コーナーからゴール前にパスが出される。「危ない!」と叫んだ後に待っていたのは、メガホンの嵐だった。

 16:48 一瞬の甘さが... G81←74←9

ゴール前に飛び込んできたフリーだったB81が合わせる。次郎、きっちり反応するもマタを抜かれたか。いずれにせよ、この失点はいただけない。
1点を奪うと元気が出るバックス。19分過ぎ、バックスの1つ目に連続攻撃を許し自陣で釘付けにされるピンチを招く。しかし、ここでも次郎が集中力を切らずに好守を見せ守備陣のミスを帳消しにする。

Shots on Goal:C11、B5
今日は負けることは無いとは思うが、だからと言って気の抜いたプレーは見せて欲しくない。

(3)第3ピリオド
3ピリに入りようやく落ち着いたのか、3つ目までシフトが一回りするも双方共に目立った攻め手もなく時間は4分を過ぎる。しかし、昨日に引き続き事件が起こる。
ベンチサイドのニュートラルゾーンでパックを持っていたバックスプレイヤーがプレーを切ろうと払ったパックが場外へ。しかし、飛んでいったパックがクレインズベンチに飛び込むとベンチの上に座っていたはずのヒラケンの姿が急に消えた。即座に慌しくなるベンチ。慌ててリンクに飛び出してきた原武が本部席に向かってドスの効いた声で「ドクター、ドクター」と要請する。パックがヒラケンに当たったことは間違いないが、一瞬のことでどこに当たったのか見えなかった。しかし、ヒラケンはマスクを被っていない。頭だったら...。
試合は再開されているのだが、氷上の動きもさることながら、自分の正面に見えるベンチ奥の動きにも気を取られている。
やがて、ヒラケンが自力で控え室に消えていく。走り回る調査員さんの姿を確認すると、手を口に入れるようなジェスチャーをしている。歯をやられたようだ。重症でないことを祈りたい。

試合は8分経過。クレインズが敵陣で攻めている。パックはブルーライン中央に居る樺山が持っている。前にはDFが居るのでベンチサイドの大澤へパスを出すと、すぐさま、逆サイドにパスが出る。そのパスワークに翻弄されたバックス。あっさりとフリーのプレイヤーをスロットに入れさせてしまう。

 
8:05 お待たせ今季初ゴール G18←23←47

最後はワインタイムで綺麗にネットを揺らす。

 8:34 B32 Highsticking

もう試合は決まっている。だからこそ、「次」見据える意味で決めて欲しかったPPだったが、スペシャル2セット(18−47−8−2−72/71−20−10−32−7)はいずれも不発。しかし、スペシャルを組んだことで3つ目以降の組み合わせが変わったことが好結果を呼ぶ。

 
10:53 7点目! G13←14←27

パックキープのままベンチサイドを走る匡史。フェイスオフスポットあたりで相手DFとぶつかるもパックを殺さず抜き去り再びゴールに向かって突進。その時点で2on1。逆サイドから突っ込んできた辻にパス。ワンタイムシュートが決まる。

(笑顔が眩しい真治郎)

 
13:14 ハットトリック達成! G20←71

1つ目の連続攻撃にバックスの守備は崩壊。最後はB42も転倒。ゴール裏に流れたパックを先に拾ったのは桑原。ゴール右の「お得意」の位置に居たダーシに渡ってオープンネットにパックを叩き込む。

(第38回リーグ最初のハットトリック達成 ダーシ)

 13:48 C27 Interference

こんな状況では、バックスにまともな攻めをしろと言っても無理か。

 
16:28 またもやこの3人 G27←14←13

直前にも、3−1隊形で(攻撃側視点で)左14→右13→中27がブルーラインあたりから強烈なシュートを浴びせる、というシーンがあったのだが、それを一回り小さくした感じでパスが中14→右13→左からゴール前に飛び込む27へと回ると今度はキッチリと決める。

(最後は史郎が締めた)

チーム初の2桁得点、という声もあったが、クレインズも1つ目を休ませる余裕を見せタイムアップ。

Shots on Goal:C19、B6

2ピリに反則でリズムを崩しましたが、今日はバックスが悪すぎたおかげでクレインズの圧勝。「誰がキープレイヤーということではなく全員が頑張ってほしい」という田中監督の期待に応えたかのごとく各セットがゴールに絡んだ。
でも、まだまだ受けに回った時の脆さは改善されてませんね。ちょっとでも初動が遅れると逆襲を食らってもおかしくないシチュエーションはいくらでもあったし、今日も自陣でのパックのクリアミスが見られた。
次の王子戦こそ真価が問われる。攻めに転じた王子のスピードはバックスのそれとは比較にならない程早く、的確だ。この試合はもう「済んだこと」として、地元開幕戦に向け気持ちを入れ替えてほしい。是非!。

GBP:1☆ ミタニ、2☆ 山野、3☆ 佐藤博史


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