第38回日本アイスホッケーリーグ レギュラーリーグ後期
1月31日(土)コクドVS日本製紙クレインズ(1回戦) 観戦記
(サントリー東伏見アイスアリーナ)
(0)プロローグ
1月27日のコクドVSバックス戦を観に行ったウチのカミさんから、「客いっぱい入ってる」という情報。そして今週末2連戦のチケットも結構売れているらしいという情報...。テレビの効果ってでかいんだねぇ。そんでもって、私が取った行動は...。開場50分前(試合開始1時間50分前)にはリンクに行ってました(笑)。でも、当日券売り場に並んでいたのは10人だったりして...。ただ、開場の14:00前後には土曜日のしかもクレインズ戦とは思えないほどの待ち行列(「たこやん」あたりまで続いてたと思う)。で、次から次へと入ってくる客。試合が始まる頃には、「まるでプレーオフ」と思われるぐらい入りました。有難いことです。で、そんな有難い状況で素晴らしい試合、いや、もっと言うと、一見さんに「クレインズって凄〜い(ハート)」と思わせるような試合ができるか...。いや、もっともっと言うと、ここで勝たなきゃ優勝が遠のいていくことをきちんと認識している、という試合ができるか...。
【クレインズ】
30−31
32−20−18−33−23
71−27−10−7−34
8−19−14−22−77
13−21 −2
二瓶次郎が復帰。動きは大丈夫なのか?。練習でのフォスターの動きが緩慢だったのが気になる。酒井、久々のクレインズのユニフォームを身につけ溌剌としている。結果を出して欲しい。
【コクド】
44−31
18−33−75−11−5
22−77−9−37−28
24−14−8−88−2
12−40 −43
レフェリー:ホッカネン
ラインズマン:根本、高橋(剛)
(1)第1ピリオド
立ち上がりからコクド1つ目にかき回される。放り込まれ、競り負け、ブルーライン中央からファーストシュートを浴びる。次のフェイスオフを取られる。コーナーあたりでようやくパックを取ったと思ったら、そこにコクドのプレスが容赦なく入り前に出られない。結局パックを取られゴール前に流されK33に突かれる始末。明らかに1つ目同志の運動量に差がある。大丈夫か?。
シフトは2つ回ったあたりでようやく試合が落ち着いてきたが、自陣か敵陣に入って行こうとするスピードはコクドの方が明らかに早い。いや、それよりも自陣からのトランジッションが早いのだ。ワンパスでニュートラルゾーンの中央あたりまでパックが出てくるために、クレインズのプレイヤーは3人置いていかれる場面が何度か見られる。大丈夫か?。
しかし、そのコクドがやっている早いトランジッションをクレインズがやってくれた。6分過ぎ、コクドに攻め込まれていたものの、ルーズパクがニュートラルゾーンに転がっていくところを匡史が突っ込みリンク中央とベンチの間あたりを走る走る。そのまま敵陣に入ると前に居るDFを避け、逆サイドを走っていた太郎へパス。すぐさまリターンパスが出ると、
6:42 これぞスピードキングの真骨頂 G14←8
ワンタイムで叩いたパックがゴール右に突き刺さる。匡史の突進もさることながら、太郎のリターンパスにしびれたね。よく考えたら、匡史はこのゴールが今季日本リーグでの初ゴールだった。
まずは試合の流れを手繰り寄せて、と思っているウチに...、
8:19 何のためにDFがついてるの? G8←24←5
自陣から出されたパックをK8がニュートラルゾーンで受けそのまま突進。状況としては2on2。クレインズDFがK8に対峙しているのだが、逆サイドへのパスを警戒するあまり、K8との距離を開けたまま下がってくる。結局、ブルーラインをあっさり超えられ、その開いた空間を利用し、DFを軸に回り込むようにスロットからシュート。ゴールネットが揺れている。何故、早めにチェックに行かない?。
しかし、直後に出た3つ目がやってくれた。豊富な運動量で敵陣で優位に立つも一旦パックを出される。そこに太郎がくいつきダンプイン。自分でゴール左(攻撃視点)後方のボードまで飛んでいったパックを処理に行ったコクドDFに絡みつき競り勝つ。そのまま、ラップアラウンドでゴール右からパックをねじ込もうとするも逆サイドに流れた。
8:54 すかさずリードを奪う G14←8
その流れたパックに飛び込んでいったのは匡史。DFのマークを強引に引き連れて流れていたパックを叩く、というより辛うじて触れた、という感じ。しかし、ゴール裏から回り込んできた太郎をケアしていたK44の右(GK視点)サイドはガラ空き。
見ていて気持ちよかったよ今日の3つ目は。でも、1つ目と2つ目がどうも...。2つ目は途中からCFが史郎から酒井に代わり、史郎の出番は激減。1つ目はダーシのプレーに鋭さが見られない。点えお取らなきゃならないセットなのに、守る時間が長くなっている。
10:28 何故早めに潰しに行かないのか? G40←12←33
これも自陣に入ってくるまでは1点目と同じ。ニュートラルゾーンからパックキャリアのK12に対峙しているDFがそのまま真後ろに下がっていく。しかも距離を開けて。難なくクレインズ陣内に入ると、DFが下がりすぎているから、余裕ができる。その間に逆サイドからゴール前に相手の2の矢、3の矢が入ってきてしまう。で、シュート。充分にゴール前に入れるだけの時間的余裕を許したために、ゴール前に入られると、そのシュートをK40が受け止め、振り向きざまにシュートを浴びる始末。なんで、攻め込まれるのを「待って」しまうのか?。
11分過ぎ、またも3つ目がチャンスメイク。博史が持ち込み2on1。逆サイドに走りこんできた匡史にパスが出るも、自分よりもかなり前にパスが出てしまったためにバックハンドでレシーブ。ワンタイムで叩けずフォアハンドに直している間にK44に正対されキャッチ。
13分過ぎには、ようやく2つ目がコクドゴール裏で競り合いに持ち込みパックを奪い、ゴール裏の由宇から正面のライアンにパスが出るも、これまたK44が正面で受け止める。
しかし、1つ目は相変わらず防戦一方。1つ目の攻め込むシーンが見られない。
1ピリはこのまま膠着したまま終わるのか?。しかし、好調の3つ目に大きな落とし穴。カウンターからK18にタテパスを通される。そこはDFがついていたがその突進を止めきれない。しかし、一生懸命戻ってきた匡史が倒れこみながらも辛うじて突進を止めた、が、
17:06 C14 Tripping
何故、さっきまで攻めていたFWが戻ってきてDFの役目までしなきゃならんのか?。
今日最初のパワープレー。コクドはクレインズにほとんどパックを触らせない。ボード際のパック処理も巧い。クリアしてもいとも簡単に入り込まれ、簡単にセットされてしまう。それでも、なんとか守りきれるかと思ったPK残り15秒ほど。自陣でのフェイスオフを取られる(っていうかフェイスオフが全然取れないんだな)と、ポジションチェンジか何かの拍子で次郎がスティックを落としている。「早くクリアしろ!」。一旦、パックに触り
かけたがクリアが甘く拾われポイントの位置からシュートを浴びる。辛うじて次郎がブロックしたもののリバウンドをDFが処理できず、K8に拾われ逆サイドのK77へパックが出てしまう。おっちゃんこ状態の次郎...。
19:04 痛い失点 G77←8←28
この失点は痛かったよ。いくらPKでもゴール前で棒立ちになっているDFなんかいらねぇよ。先制しつつ、結局逆転された格好になった。ゴール前に集まるなら全員GKみたいに固める。そうでないなら、パックキャリアに対してタイトにプレスを与える。そのどっちもできないクレインズの中途半端な守りが気に入らない。
19:45 K9 Interfernce
残り15秒でシュートも打てず。
Shots on Goal:C8、K15
どうした1つ目?。そして、中途半端なポジション取りを続けているDF陣。流れがコクドに行きそうな感じがしてならない。2ピリ開始早々のPPを生かせれば...。
(2)第2ピリオド
71−20−19−7−33のPPスペシャル1つ目セットは全く機能せず。逆に、18−10−8−32−23の方が運動量があって良かった。1分過ぎ、ゴール裏の太郎から出たパスを雅俊が左(攻撃視点)サイドから叩くも決まらず。しかし、リバウンドが右サイドに出る。必死にスティックを伸ばす由宇が叩くもコントロールできず。結局生かせなかったPP。
3:06 K75 Interference
再三、いい動きを見せていた太郎が反則を誘った。しかし、PPスペシャル1つ目がセットしてもパスミス、コンビミスでパックを奪われシュートすら打てない。その悪い流れをひきずるようにスペシャル2つ目も遠めからのシュート1本しか打てず...。
7分過ぎ、ようやく1つ目がスコアリングチャンスを作る。ニュートラルゾーンでパスを受けた雅俊がそのまま敵陣に入り込む。DFのマークを一人交わし自分でシュートに行く。ブロックされたパックがゴール左脇にでる。厳しいアングルだったが、そこは「得意の位置」のダーシが叩く。しかし、きっちりK44に正対されており、既に打っても「ダメもと」状態。でも、打つ。そうでしょう、FWなんだから。で、更にリバウンドが左手前に出る。それを竹内が拾い、ビハインド・ザ・ネットからわずかな隙間を探すもゴール前に出せず左45度のスロットに出すと雅俊が叩くが決まらない。久々に1つ目らしい分厚い攻撃を見せてくれた。もっと早くからやれ!。
7:50 C7 Hooking
お得意の「片手上げアピール」も実らず。
それにしてもコクドのPPは巧いわ。クリアしても何事も無かったかのように再び入り込みセット。って、クレインズの守りは見てるだけか?。それでも、なんとか守りきったと思った矢先、安心しちゃったんんだろうな、きっと。ジョーが戻ってきたが、パックはその反対方向、ブルーラインベンチ側からK8が入ってきていた。でも、それを止められないんだなぁ。「これはやられる」と思ったら、
10:01 本当にやられた(苦笑) G77←8←88
結局そのままゴール裏を回られ、ゴール前右(守備視点)のスロットあたりで飛び込んできたK77へつなぐと、ワンタイムシュート。既に、K8の動きにつられていた次郎。ほぼがら空きのゴールに叩き込まれ、ついに2点差をつけられる。
当然、このままズルズル行きたくないから攻めるよね。で、決まれば問題ないんだけ...、12分過ぎ、案の定カウンターを食らう。それにしてもコクドのトランジッションは早いわ。あっという間にニュートラルゾーンまで出たパックにきちんと反応しているK22。その時点でもうクレインズのDFは1人だけ。2on1ってやつですな。逆サイドをケアしつつ、パックキャリアのK22は次郎に任せるようなポジションを取ったまでは良かったのだが、
12:35 サポートはどうした? G22
そのままK22は次郎の足元を狙ったシュート。そこはきっちりブロックしたものの、足元だけにリバウンドを出してしまう。そのリバウンドを再びK22に拾われてしまい、必死にセーブしようと倒れこむ次郎。しかし、パックはゴールに放り込まれていた。って、言うか、そのリバウンドをそのままK22に叩かせていいのかよ!。早く戻って来いや!。パックに対する執着が足りないよ。
15:20 K22 Tripping
やろうとしていることは理解できる。でも、「執拗さ」が無いよ。ボード際の競り合いで、相手が嫌がるような動きができないもんかねぇ。自分達が競り合いを嫌がってるようにしか見えないよ。シュートもなかなか打たないし。たぶん、シュート打ってもパックを奪われるから、きっちり相手の陣形を崩してから最後にシュートを打とうとしている。でも、シュート打たなきゃ入らない。「打っても入らない」って考えるより、「打ったから入る(或いは相手の陣形が崩れる)」という思考回路は無いのだろうか?。それなら、いっそのことセットしないで敵陣に入ったらまず一発シュートを打って、リバウンドを出させるとか、ゴール前に強引になだれ込むとか、やりゃいいじゃない。相手の嫌がるようなことを。見ている方が「えげつねぇ」と思えるようなプレーをすりゃいいじゃない。勝ちたいんでしょ?。だったらなりふり構うなよ!。
19:56 C7 Holding
Shots on Goal:C10、K10
なんかねぇ、ため息しか出ないよ。折角、目の前でゴールシーンが見られるという2ピリだっていうのに...。「金返せー!」って叫びたい気分だったね。
(3)第3ピリオド
キルプレーで始まった3ピリ。1ピリ途中から2つ目のCFに起用された酒井が、タイトなチェックとパックに対するしつこさを見せ、自陣に入る前にピンチを防ぐこと2回。酒井はウィングよりも、きちんとCFで起用してあげれば結果が出せるプレイヤーだよ。スコアリングに直接絡むことは無かったけど、今日は存在をアピールしていた方だよ。
その後も、クレインズは3点ビハインドという「大きな壁」に屈するかの如く、攻めようと前に行こうとしても、「無理に」攻めなくても良いコクドが守りで構えている人数の方が明らかに上回っており、優位な状況を作れない。逆に、攻め込んだツケが守勢に回るとバタバタになる。6分過ぎには、フォスターのタマ出しが雑。おそらく、相手の股下を通した起死回生のパスを出したかったのだと思うが、見事にコクドFWに当たり一転してピンチ、そのままゴール前への突進を許し次郎がつり出されること2回。その度にゴールがガラ空き。いずれも、コクドのシュートミス、パスミスに助けられ失点を免れたが...。
6:55 K Too many players on the ice(#18)
もう試合は「できあがって」しまったのか?。最初の1分はパックが敵陣に入っていかない。おまけに、クリアされたパックを自陣から攻め上がろうとしているところにK14に絡まれると、そこからタマ出しするのに、3人も寄ってくるクレインズプレイヤー。そんなんじゃ点なんかはいらねぇよ!。
ここからリンクは静まり返る。クレインズを応援する声援が止まった時は「シーン」としているんだよ。リンクが。目だった動きが無いんだよ。コクドも無理に攻めてこないせいもあるんだろうけど、それ以上にクレインズの拙攻が目立つ。折角、敵陣に入ってもシュートかパスかで迷い、結局、パックを取られる、或いは打っても枠を外れる。約8分近く、初めてアイスホッケーを見に来た人には、実に「退屈」な時間が過ぎ去っていったと思うよ。キツイ言い方だけどさ。
15:36 K37 Hooking
ようやくコクドの守備にミスが出て、ニュートラルゾーンを突っ切るタテパスが雅俊に通る、ノーマークになりかけるも引っ掛けられる。それでも、なんとかゴール前まで突っ込もうとするも、シュートまでは打てず。チェックを振り払うほどの「強さ」を見せてみろよ!。「決める」のが君の仕事でしょうに!。
でも、試合の流れは出来上がっているようだ。最後までPPスペシャルセット1つ目は息が合わずチャンスすら作れず。しかし、最後まで運動量の落ちていなかった太郎と山野だけは、守りに回ったコクドの一瞬のスキを見逃さなかった。
17:31 もっと早くそのゴールが欲しかった G10←8
取られそうになったパックを太郎が取り返し、ゴール裏からスーッとゴール右(攻撃視点)に入ってきた山野へタイミングよくパスを出す。それを山野が綺麗に合わせワンタイムでゴール右に叩き込む。
18:20頃から六人攻撃を仕掛けるクレインズ。リンクに本日好調の太郎に動きの良かった博史、そこに山野と酒井。2度ほどパックをクリアされるも必死にアンプティネットを阻止。敵陣に入るもクリアされかけたところを辛うじてブルーライン上でパックを止め、プレイヤーが残っているコーナーへ流す。その競り合いで太郎とジョーが踏ん張り、なんとかゴール前にパックを出した。
19:38 その必死さをなぜ最初から出さない! G19←7←8
センタリングに博史が軽くスティックをあわせるとパックはゴール右に吸い込まれていた。ようやく場内が沸く。残り22秒で1点差に追いつく。
19:38 C Timeout
直後に出てきた布陣が20−71−32−8−33。6秒後に6人攻撃に移行し雅俊が入るも、痛恨のオフサイド。時計は残り4秒。「まるでドラマじゃねぇか」、ってな感じだわな。でも、オイラに言わせりゃ、時既に遅し。ブルーライン手前のフェイスオフスポットでパックを取り、ブルーライン中央からジョーがシュートを放つも、コクドプレイヤーのスティックが伸び、威力は半減。そんなドラマどおりの展開になれば、クレインズも図太くなったなぁと思うけど、1ピリ9分から3ピリ17分まで寝てたんか?。
Shots on Goal:C8、K3
3ピリ、コクドは完全に守りに入ってた。それでも、自陣からK77に単独で持ち込まれ5人抜きをさせてしまうなど、明らかに3ピリは集中力に欠けていた。コクドがあまりに守りに徹してくれたことで終盤に「押し引き」の差が出た結果2点を取れたが、試合全体の流れは2ピリに決まっていた。それは、今日のスリースターを見てもらえばわかる。
GBP:1☆ K8、2☆ K77、3☆ K44
なんで、26ショットで4点取られたゴーリーが4点全部に絡んだ太郎よりも上なのか?。きっと、2ピリ終了時点でスリースターが決まっていたとしか思えない。最終的なスコアは4−5だが、試合を通した印象は2−5なんだよ。
それでも、2点を取れたことは事実なんだ。それができるんなら、60分通してその気持ちを前面に出してプレーしてほしい。折角、3つ目が結果を出しているのに、点を取らねばならない1つ目と2つ目がやるべきことをやれてない。おまけにフォスターの動きがまるでダメ。この先、タイトなスケジュールに耐えられるのか?。動けないプレイヤーを延々と使い続けるよりも、動ける選手を出した方が得策ではないか?。それでアジアリーグを勝って来たのではないのか?。
さぁ、どーするクレインズ。もう負けられないぜよ。
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