第38回日本アイスホッケーリーグ レギュラーリーグ前期
10月19日(日)コクドVS日本製紙クレインズ(2回戦) 観戦記
(サントリー東伏見アイスアリーナ)
(0)プロローグ
一晩で建て直せるのか?。
応援する気持ちは強いが、昨日の試合を見せられると...と正直考えてしまう。
昨日と同じでは、間違いなく今日はやられる。それは既に気がついていると思いたいのだが...。
【クレインズ】
30−41
71−20−10−22−23
32−47−18−2−3
19−27−13−72−44
14−16 −77
「そろそろセットを固定できないものか」なんて言ってみたら、固定してくれた(むろん単なる偶然に過ぎない)
【コクド】
39−44
12−33−18−11−5
8−77−22−37−28
24−14−9−88−2
26−40 −4
レフェリー:山田
ラインズマン:根本、小野
(1)第1ピリオド
先ずフェイスオフを取られ放り込まれる。ダンプインされたパックの処理はどうか?。う〜ん、やや遅い。なんとかパックを支配下に置くも、なんとなく怪しい連携がニュートラルゾーンで展開されパックは小林に渡る。放り込むかと思いきや、コクドのブルーライン上の守りがやや甘かったのか、そのまま突進すると1on1。しかし、コクドDFが小林の突進をしっかり止めシュートは打たせない。しかし、離れ際にパックが左(攻撃視点、以下同様)45度のスロットの位置にフラフラと流れていく。そこに飛び込んできた山野はフリー。そのままシュートを放つと...、
0:33 あっと言う間の先制ゴール G10←22←71
結果的にこれがファーストシュートとなったが、K39のポジションが低かったせいか、山野が放ったシュートがゴール右スミに吸い込まれる。気を抜いていたか、コクド。ここ3試合、すべて先制を許し苦戦を強いられていただけに、先制点は欲しかったが、こんな早く、しかもあっさりと決まってしまうと、先制したという実感が沸かないのは不思議だ。やはり、私の頭の中には、昨日の試合を引きずっているようだ。そんな私の嫌な思いを早く払拭してくれ!。そのためには追加点。中押し、ダメ押し、と立て続けにゴールを奪え!。
しかし...、2分過ぎあたりから、昨日と同じような試合展開になってきてしまう。いとも簡単にクレインズ陣内に入ってくるコクド。ニュートラルゾーンからDFとコクドの攻撃ラインとの距離が大きく、「入ってください」と言わんばかりの守り。それでも、ゴール前をそのままの形で固める格好にはなっているから、遠目からシュートを打たれる分については次郎がセーブできる、ということなんだろうけど。それで本当に大丈夫か?、と思った4分から5分あたり。
ようやく、史郎と辻が久々に敵陣に走りこむ。何度か敵陣でパックを奪われそうになるも、なんとかパックに喰らいつく。ゴール裏での競り合いでは若干劣勢だったものの、しつこく粘りパックを離さない。その間にうまく1つ目にセットチェンジし、コクドの守備陣を自陣に釘づけにすると、由宇がパックをキープし巧みなスティックワークでゴール前に切り込んでいくところで引っ掛けられるとアドバンテージをもらうも、由宇は体勢を崩しベンチサイドのボード際へ流れてしまう。しかし、そこから小林がスルスルとパックを運びゴール前へ横切るように切り込んでいくと、
5:39 こんな攻撃が見たかった G22←10←20
バックハンドで放ったシュートが菊地の虚を突いたのかマタを見事に抜いた。
こんな攻めができれば負けることはないんだ。もっと脚を使い、体を張って、相手との競り合いに勝てばゴールにつながる。それを自陣でもやれれば大丈夫、なんだが...。
この先、10分間。コクドの攻めがばかりが繰り返される。
まずフェイスオフが取れない。で、そのままエンドに向かってどんどんパックを放り込むとウィングが早い出足で突っ込みクレインズDFとの競り合いとなる。しかし、その競り合いをことごとくコクドがモノにしている。「守りから攻めへ」の転換地点でDFが踏ん張らなければ、前線のFWは下がらざるを得ない。パックを取ってもFWが下がっているので、その分だけニュートラルゾーンを越えていくまでに時間がかかる。場合によっては、パスもつながらずコクドが再びダンプイン。すると、少しでもDFの戻りを早くさせようと、次郎がゴール裏に回りパックを止め、両サイドにパックを出していくのだが、そのパックに先に追いつくのがコクドのFW。ゴールがお留守になっており、ボード際からパックがゴール前に流されること2度、3度。ここはさすがにクレインズが処理しているものの、シュートされないように守るので精一杯で、再びパックはコクドがキープ。シュート&リバウンドでゴール前に殺到。次郎が懸命のセーブ...。
今日もまた「次郎任せ」なのか。今日もまた自陣で守り続けるのか。
そんな調子で時計はあっという間に15分。2−0で勝っているのに、勝っている気がしない。いつゴールを奪われてもおかしくない状況でありながら、コクドがミスをしてくれた。
敵陣に攻め込むも結局パックを取られDFからのタマ出しが始まろうとした本部席側ニュートラルゾーンのややコクド寄りの位置でそのパスをカットしたのは雅俊だった。「パーン」という綺麗なパックとブレードの打撃音が響いたかと思うとゴールに突進する雅俊。勿論、ノーマーク。
15:04 鮮やか G18
ミドルレンジから放ったシュートは見事に右肩口を抜きゴール右上スミに突き刺さるファインゴール。遅ればせながらの今季2ゴール目を決める。これだけ攻め込まれていながらも転がり落ちてきた3点目。でも、私はこれで「いける」とは思わなかった。それは、2点目から3点目を奪うまでの間の「クレインズの姿」をどこかで消さないことには始まらない、という思いが強いのだ。少なくても1ピリは無失点で終わってくれれば2ピリには違う姿になるかも知れない、と。
18:46 C32 Roughing
でも、ダメだった。この反則はそれまで1分近く自陣で釘づけにされ守り疲れから脚が止まった結果だったから。そして、
19:24 守り崩壊 G8←77
次々と浴びせられるシュートにさすがの次郎も転倒。ゴール前に殺到する両チームのプレイヤー。なんとかパックをフリーズさせようと必死に倒れこむクレインズ。そこに入ってくるコクドFW。次郎の目の前は完全に壁。しかし、パックはコクドがキープ。K77がフリーでゴール左から倒れこんでいる次郎の姿を確認しつつ、ゴールの空きスペースを探しながらシュートを打たんとしている。誰も止められないクレインズの守り。K77、ここからは無理と見るや、密集を避け逆サイドにパス。思いっきりパックを叩き込まれる。
Shots on Goal:C6、K18
今日も後手後手に回っている。良いタマ出しが出来ない。敵陣に入れない。厚みのある攻撃は5分以降、影を潜める。シュート数がなによりそれを示している。3点は「たまたま入っただけ」のこと。このままではダメだ。いつか追いつかれる。
でもねぇ...、「そんなことはないんだよ」というクレインズからのメッセージが出ることを私はずっと期待していたよ。
頼む、なんとか建て直してくれ!。
(2)第2ピリオド
しかし、クレインズからのメッセージは2ピリになっても発信されてこない...。
2:18 K8 Highsticking
これって、ものすごくつまらん反則だったよ。もらった反則は大事に使わなきゃ、っていうことが出来ないようだ。今日はパワープレーですらタマ出しに手間取り、パスが通らず。敵陣での実質セット時間は10秒前後...。
4:26 C18/K28 Roughing
4:46 C72/K40 Roughing
今度は笛が鳴った後にもめごとが起きる。いずれも、攻め込まれて次郎がパックをフリーズした後に起きている。そこに殺到するコクドのプレイヤーと接触。そもそも、そんな状況さえ作らなければ、もめごとなんぞ起きないのに...。
いずれにせよ、コクドのプレイヤーの動きが非常に躍動的でリズミカル。綺麗にパスが通り、あっさりブルーラインを越えてくる。クレインズDFとの競り合いにもことごとく勝つ。クレインズDFも決して無抵抗であるはずもないのだが、最終的にパックを奪われる以上、ピンチを招いていることは確か。しかし、ここで踏ん張らなきゃ攻撃につながらない。「負けるな!」と叫べど動けない、交わされる、置いてかれる...。
時計は15分。よくぞここまで1失点で済んでるなぁ、というのが嘘偽りの無い心境、いや状況だ。この試合を観ていた誰もが感じたことだろう。それほど、クレインズは次郎、次郎、次郎がパックを押さえ、ゴール裏までパックを追いかけ、フリーで打たれるシュートを止め続けている。早く助けてやれよ〜、という思いも空しく「その時」は来てしまった。
15:11 誰かリバウンドを〜! G11←33←18
K18にブルーラインを簡単に突破されたことから始まった。誰もチェックに行かないんだもん。自陣でようやくチェックに行くも、その後もゴール左のスロット周辺で粘りを見せクレインズのプレイヤーを引き付けると、これまたフリーになっていたK33にパックが渡る。ポイントの位置から大きく振りかぶり放たれる強烈なシュート(って大きく振りかぶられるような余裕を与えること自体、どうかと思うが)を放つ。次郎がなんとかブロックするも逆方向にリバウンドが出る。しかし、そっちには誰も居ない。居るのはK11だけ。ガラ空きになったスペースに次郎が飛び込んでいくも、パックはその次郎の背中の上を越えていく。
これで気落ちしたのか...、
15:51 あっさり G88←8←77
自陣でのフェイスオフ後のパックがポイントの位置に居たK88に出ると大きく振りかぶりシュート。「カコン」と空しく響く音と天を仰ぐ次郎...。
Shots on Goal:C5、K13
昨日よりもひどい。シュートを打っているならまだしも...。
(3)第3ピリオド
「奇跡」を起こして欲しい。勝ち越して欲しい。と思えば思うほど、そして呼べど叫べど、同じプレーが繰り返される。
3分過ぎ、自陣での守り。ベンチサイドコーナー付近。任田と中島谷がコクドFWに翻弄され続けている。頑張っているのはわかる。しかし、動きを封じることはできない。そこで諦めてはいけない。そのほんのわずかの「逡巡」がコクドFWから体を一瞬離してしまうことになる。コクドはその隙を見逃さない。
3:12 遂に逆転を許す G18←9←14
ゴール左後方から一瞬の隙を突いてゴール左脇に出されたパスにK18が飛び込みゴール左サイドを綺麗に抜く。
4:27 K77 Unsportsmanlikeconduct
オフサイドになっているにも関わらずシュートを放ったプレーに対する反則。まだまだ差は1点じゃないか。ここで同点に追いつけばいいんだ、と言うのは簡単だが、今日のクレインズにそれを望むのは酷だった。もう可愛そうで見てられない。パスが全くつながらず自陣から出て行けない。敵陣でセットしても短時間。シュートなんぞ出せる訳が無い。
7:05 K12/C77 Roughing
もめている暇があったらそのパワーを守りに使ってくれ!
8:41 K39 Deley of the Game(代行#40)
雅俊がルーズパックにくいつき強引に敵陣に詰めていったことで、クリアパックがエンドボード上のネットの外へ。シュートブロックと見なされても文句は言えないところだったが...、反則をもらった感じ。
しかし、このPPも無駄にしてしまう。
13:43 K24 Holding
辻が敵陣でしつこく動き回るところを押さえつけられる。それも反則にしてくれた。
ようやく、敵陣でパックをつなぎ、ゴール裏から組み立てられるかなぁ、と思った矢先、顔を抑えるコクドプレイヤー。
14:16 C71 Highsticking
これから!、というところでスティックが顔に入り「無過失責任」。折角のPPをまたもや潰してしまうと、
15:07 ノーマーク... G40←28←77
攻め込んでいたが、ブルーライン付近に流れてくるパックを止め切れず弾いてしまうところを見逃さない。タテ1本でニュートラルゾーンを通過。ブルーライン付近でパックを受けると次郎が懸命に前に出てシュートコースを消すもマタを抜かれる。
15:39 C20 Highsticking
まだまだ!、というところでまたもやスティックが顔に入ってしまう。もうツキも無いのか。
17:50 C Timeout
20−47−71−32−3で勝負をかける。
18:10 六人攻撃開始
雅俊が入る。ここは譲れないとばかりに敵陣でパックをつなぐ。必死につなぐ。惜しいシュートも出た。リバウンドも出たしK39も転倒している。しかし、そのパックが遠い...。そして、
18:36 エンプティネット G22←77←8
終了...。
Shots on Goal:C5、K13
GBP:1☆ K18、2☆ K77、3☆ 小林
今日の試合は1ピリ5分までだった...。シュート17本では勝負にならんでしょう。
なんか勘違いしてないか?。
MVPゴーリーにFW、日本代表の主将、イギリス帰りの大型FWが加入したんだから、クレインズはもう優勝できるんだと安易に信じ込んでないか?。クレインズは昨シーズン4位だったチーム。ここ5年だって、3位より上に行ったことの無いチームでしょうに。補強選手に頼りすぎでないかい?。いままでのクレインズのチーム力+アルファを補強した選手で補うことでチーム力は増すと言えるのであって(それは王子が立証していること)、今のクレインズはそれとは違う。他のプレイヤー、特に日本人選手がここまで全く目立ってないではないか?。補強選手とゴーリーに頼ってしまうという体質を根本的に改めなければ前期優勝はおろか、リーグ制覇なんか夢のまた夢。これでは、むか〜し昔のチームと何ら変わりない!。
去年のMVPゴーリーが5失点なんて可愛そうだよ。これが新生クレインズの出した「答え」なのか?。少なくとも今のままでは前期優勝なんぞ無理。悔しいけど...。でも、それが「事実」にならないようにチームが成長していくことができれば話は別。勿論、このまま終わるなんて思いたくもない!。クレインズは必ずや反抗する。私は信じている。
頼む、ここで踏ん張ってくれ!
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