第38回日本アイスホッケーリーグ レギュラーリーグ前期
11月9日(日) 日本製紙クレインズVSコクド (4回戦) 観戦記
(釧路アイスアリーナ)

(0)プロローグ
 私にとっては今季初の丹頂アリーナである。しかし、よもや今季初丹頂がコクドの前期優勝決定ゲームになるとは夢にも思わなかった。が、それは現実のものとして目の前に突きつけられている。果たしてクレインズはコクドの前期優勝を阻むことが出来るのか?。阻止してほしいという強い気持ちとは裏腹に、これまでの戦績、そして試合ぶりを見る限り、「それは無理なんじゃないの」と思う気持ちが同居している。苫小牧連戦、帯広と3試合の「負け」を全て見ているが、王子とは接戦にこそなっているものの、チームとしての力の差は歴然。点差以上の開きがあった。そして昨日の帯広でのコクド戦。2ピリの3連続失点を始めとして、いたるところで力の差を認めざるを得なかった。残念ながら...。
 そんな不安を抱えながらも、出足の鈍かった丹頂アリーナには1200人もの観客が集まった。こんな瀕死な状態にあるクレインズであるにも関わらず、である。その意味をチームは充分に汲み取って欲しいものだ。

【クレインズ】
30−41
18−20−10−22−23
8−47−71−77−3
32−27−19−72−2
13−16   −7
ジョーは昨日の反則退場の懲罰的な意味があるのかは知らんが、3つのDFペアから外されていたが、パワープレーを中心に起用されていた。

【コクド】
44−39
12−33−40−11−5
8−77−22−37−28
24−14−9−88−2
   26−13−4

レフェリー:山田
ラインズマン:高橋(剛)、

(1)第1ピリオド
チームの不振は新入団選手加入による連携がまだ完全でないことも考えられるが、それ以前に1対1での競り負け、当たり負け、パック処理の遅さ、そして杜撰さ、という極々基本的な部分が少なくてもコクドや王子と比べて明らかに劣っているようにシロウトの私には見える。その「弱さ」が開始早々如実に表れるてしまった。

 
2:43 あっさり先制を許す G9←24←88

2つ目から3つ目へのシフトが出来ないまま、コクドがクレインズ陣内での攻撃を続ける。一旦、敵陣でひとしきり動き回ってきたまま自陣に戻っていた賢吾。結果的にアイスタイムが長くなり、K9の動きに全くついていけずラップアラウンドを許しゴール左サイドからねじ込まれる。

先制してコクドを慌てさせなければならないクレインズが先制されてしまってはリズムに乗れる訳がない。守れそうになかったらアイシングで逃げてもいいのに。失点するより遥かにリスクは少ないと思うけど、そのクリアも甘くブルーライン際でカットされるとすぐさま放り込まれる。そうなると、エンドボード周辺に転がっているパックへ先に追いつくのはコクド。あっさりゴール正面のスロットにパスが出る。

 
3:46 今日もやっちまった連続失点 G77←22←37

K77のシュートコースを消しに行ったがそれがブラインドになったのか、次郎のグラブ出しの反応が遅れてしまう。それよりも、相手GKに対して充分な守備態勢を作らせないうちにシュートを放たれてしまっては、いかに次郎でも止められない。

これ以上の失点はもうダメだ。ってことが解っているが、思うように自分達のペースに持っていけない。そして、

 5:21 C72 Holding

 8:02 C8 Highsticking

流れを変えていかねばならないのに反則が続き、相変わらず守る時間が長くるようでは辛い。ここは頭を低くしてじっと我慢し、PKで守り切ることで新たな波を作りたいところ。

 8:41 K9 Interference

PKでありながら、ニュートラルゾーンで2−1のチャンスになりかけるところ、パックキャリアの山野に呼応したダーシがK9の執拗なマークに遭う。ここは反則を取ってくれたが、振り切ってもらいたかった。
が、約1分半のパワープレーでは決定的なチャンスを作れず、相変わらず息の合わないパワープレーを見せられる始末。

 11:10 C7 Interference

折角、2つのPKを耐えたのに、PPをこれといったチャンスすら作れないまま「流して」しまうとその後のPKはさぞかし応えるだろうな、と思っていたら...、

 
12:15 ツキもないか G40←28←8

岸部がクレインズウ陣内奥深く攻め入るK28をマークしていたが、スティックは生きておりゴール裏あたりで中央に戻しパス。ところが、このパスがゴール前の混戦によるプレイヤーのスケートに当たり角度が変わりゴール右に流れていく。既に正面から来るシュートを待ち受けるべく構えた次郎の逆を突く格好でK40が開いたゴール右サイドのスペースにパックを流し込まれてしまう。

重苦しい空気が漂う丹頂アリーナ...。今日もダメなのか、こんなに応援してもダメなのか...。

 14:37 K5 Holding

 15:56 C3 Elbowing

 17:35 K12 Interference

一向に改善できないパワープレー。パスがつながらない、シュートを打たない、打ってもリバウンドや枠を外れたパック処理をコクドがきっちりやっているので、攻撃が長続きしない。一旦、外に出されると、中に入っていくことだけで苦労し続け、敵陣でのセットから分厚い攻撃にまで発展させていくスタミナが切れる。なんとももどかしい。

Shots on Goal:C10、K11
今日も昨日と一緒。「どうしても勝ってやるんだ!」という気持ちが見てこない!。

(2)第2ピリオド
さすがにこのままではイカンと思うよね、普通は。と、言うわけで、立ち上がりから7分あたりまでは、クレインズが敵陣に入ると高い位置でのまずシュートを放つ。ところが、ことごとくリバウンドが出ているんだよね。綺麗に決めてやろうとせず、シュート&リバウンドでゴール前にこぼれたパックを叩けばいいんだ。
3分過ぎには、左サイドから博史がブルーラインの突破スピードをそのまま生かし強烈なシュートを放つと、対角にリバウンドが出ている。そこに史郎が突っ込むも叩いたパックは僅かにゴールをかすめる。
4分過ぎには、左サイドから山野が放ったシュートで綺麗にリバウンドがゴール前に出る。すかさず叩きに行った雅俊だったが、肝心なところでシュートを外す。
5分過ぎにも、桑原のシュートリバウンドを太郎が叩きに行くもコクドDFに潰され叩けない。
どうして、この動きを最初っからできないのかなぁ。この動きができていれば3失点は無かったと思うよ。ただ、この積極的な攻めも7分以降は影を潜めてしまう。コクドも黙って見ているわけではない。早いパックへの集散といやらしくクレインズのプレイヤーに絡んでいくチェックでクレインズが作り出そうとした流れを消しに掛かる。

 13:05 K24 Slashing

ところが、パワープレーになると元に戻ってしまう。どうしてもセットして華麗なパス回しでゴールを決めてやろうとしか思えないクレインズの動きは、コクドの思うツボなのに。それでも、クレインズはPP終了近辺で決定的なチャンスを作る。ゴール左のダーシからゴール裏の雅俊へ。そのままフェンス際まで走り、改めてゴールライン沿いにゴール左ポスト際からパックをねじ込もうとするも弾かれる。さすれば、そのパックを自分で拾いゴール裏を回って正面に入ってきた由宇へ絶妙なパス。左肩口に決まったかに思えたシュートはゴール脇を固めていたK88がゴール枠前に立ちはだかりゴールを割らせない。点にはならなかったが、早い動きと執拗にゴール前にパックを集めることで、1ピリには見らねなかったコクドのバタバタぶりがを引き出すことが出来たのだ。あとは、それを60分間継続できるためのチーム作りが必要なんだろう。そのこころは、

 
19:43 痛恨のカウンター G11←8←22

決めるべきところで決められないツケが大きな代償となって降りかかる。2P終了にカウンターから2−1となる。今日は次郎とDFの呼吸も合い、ファーストシュートを次郎に任せ、パーサイドにDFがマークに行ったが、最初のシュートを止めるも、リバウンドがゴール前に出ている。そこに飛び込むK11はフリー。いかにカウンターとはいえ、2−1を凌げばそれでいいという守りではなく、素早いパックへの集散が足りないのでは厳しい。

Shots on Goal:C10、K8
1点追加を許したものの、この2ピリの動きが出来るんなら早く見せて欲しかった。しかし、終了間際の失点で4点差...。辛い...。

(3)第3ピリオド
クレインズはついにセットの組替えに打って出る。
@19−20−18、A8−27−32、B10−47−71
しかし...、いろいろと組替えてみてもすぐに結果が出るとは思えない。でなければ、こんなに負けが込むことなんぞ起きないはずだろうに。
しかし、この組替えもさほど効果的ではなく、連携ミスがからパックを奪われると、自陣での長い守りに付き合わされる。自由自在にクレインズ陣内を闊歩するコクドの躍動感ある動きは3ピリに入っても落ちることがなかった。
このまま完封されるかと思われた6分。新3つ目が久々にコクド陣内で連続攻撃。ジョーのブリーライン中央の高い位置からシュート。一発では決まらないが、リバウンドを拾い素早くパックをジョーに返すと、1発目と同じ位置からもう一度シュートを放つ。

 
6:46 完封免れる G7←71←47

最後はゴール前でブラインドになったのか、ジョーんぼシュートに反応できず。結果的にセット組替えが嵌った形にはなったが、時既に遅し。

 8:45 K5 Tripping

 11:06 K14 Elbowing

どうしてもPPになると「よそ行き」をやろうとする。どうしてシュートを打たないのか?。持ちすぎるから打てないんだろう。セットするから打てないんだろう。それなら、適陣に入って即シュートを打ち、リバウンドを拾い、またシュート&リバウンドを拾って...、っていう簡単なプレーでいいと思うのに?。ガムシャラにゴールに向っていくことがそんなに恥ずかしいことか?。

結局、6回あったPPをモノにできなくては接戦どころか、同じ勝負を挑む土俵にすら登れない!。

Shots on Goal:C14、K8

1☆:K44、2☆:K9、3☆:K77

モノの見事にコクドの前期優勝を引き立ててしまった。ただ、コクドも試合終了後は手を上げて喜ぶ程度(まだリーグ優勝したわけではないけど)であっさり終わる。こんなクレインズ相手にさほど苦しんだ試合でなけりゃ、喜びはそれほどのもんでは無いだろう。

どうやって建て直すのか?。このまま休み無くアジアリーグへと進んでいく。ノンビリしている訳には行かない。このまま昔昔の「負け続き」のチームに戻るかぃ?クレインズよ。

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