2003 STVカップアイスホッケー大会 第2試合
9月14日(日) 日本製紙クレインズ対コクド 観戦記

(0)プロローグ
 今年もついに始まってしまった。アイスホッケーシーズン幕開けと言えばこの大会。やはりSTVカップからスタートしないと、という感じで白鳥に乗り込んだ。チームが1つ減ったおかげで、STVカップも3日間という長さは変わらねど、試合数が3試合と寂しい状況に。しかし、氷に飢えたアイスホッケーファンが、北海道にしてはまだ蒸し暑さが若干残る時期でありながら、そんな気候を拒否するかの如く、まるで別世界とも言える氷の世界に向いていたかのように続々と集まってきた。
 そんな中、噂には聞いていたが、実際に目にしてビックリだったのはコクドの新ユニフォーム。まさしく(西武)ライオンズブルーのユニフォームの胸にはそのまんまのライオン(というかレオ)の絵が...。慣れるまでにしばらく時間が掛かりそうだなぁ。だって、コクド=黄色って奴でね、そいつを乗り越えないと、という自分の中にある思いが、なんか逃げて行っちゃったような複雑な気分...。
 久々に会うお仲間の皆さんも元気そうでなにより。釧路から送られてきているはずのダンマクが届かないというハプニングもあったが、明日もあるし...。
(私信:私の後ろで見ていた某○Kさん>それなりに叫んでいたようにも思えたのですが、今日はやや欲求不満気味だったのではないですか?。明日はもっとやっちゃって下さい。適当に突っ込み入れときますから)

 オールメンバーは以下の通り。一応、今回の特典として、クレインズには新加入選手が、コクドは西武からの移籍選手が加入したことで背番号と名前が一致しないところがあると思い名前入りにしておきます。
【クレインズ】
30(二瓶次郎)−31(平岩)
71(桑原)−20(ミタニ)−32(竹内)−7(ディック)−44(任田)
8(二瓶太郎)−19(博史)−10(山野)−23(大澤)−77(勇)
13(辻)−27(史郎)−14(匡史)−72(中島谷)−42(吉田)
16(正和)−21(酒井)−24(飯塚)−34(原武)
原武は練習には出ていたものの、試合出場はなし。

【コクド】
39(菊地)−31(松本)
9(佐藤)−8(今)−24(増子)−43(河村☆)−88(小堀)
47(石黒☆)−13(佐々木圭)−32(茅森☆)−71(大久保)−11(川口)
19(佐曽谷)−26(薮野)−10(神野)−3(山口)−37(佐々木雄)
21(伊藤)−82(外崎)−7(斎藤☆)
(☆は今季高校・大学から加入した新人という意味でつけた。決して、☆=スターという意味ではないよ)
こちらは4つ目の出場が無かったはず。

クレインズはW伊藤にコバ。コクドは昨日の試合でマッチペナルティを喰らったパーピック。他、ユール、鈴木、内山、大川...という主力級が出ていない(出したくても定員は決まっているから逆に誰を出すかというのが大変だなぁ、というのは大きなお世話か)。顔ぶれだけ見れば、クレインズがしっかりと勝ちを収めなければならないのだが...。

レフェリー:山内
ラインズマン:石川、十津川

(1)第1ピリオド
 クレインズ、STVカップならでは(?)とも言える1つ目から4つ目までを順に回すシフト。DFは3ペアをこれまた順に回す。PPだろうとPKだろうと。対するコクドはたぶん3つ回しだった(はず)。
 立ち上がりは腹の探り合いという空気も、5分を過ぎたあたりから、コクドが積極的に前に出る。とにかく前に出る。新人や2年目の選手が多いせいか、立ち上がりからドカドカ敵陣に入り込み、クレインズDFにプレッシャーを与え続ける。そのせいか、DFのチェンジが遅れ、脚が止まり、ピンチを招く場面がしばしば。しかし、そこは二瓶次郎が冷静に処理し事無きを得ていた。10分過ぎまでは、双方共に決め手に欠いている印象。クレインズはDFからの球出しが機能せず、ニュートラルゾーンでのパスも思うように通らず。しからばスピードでかき回そうと博史中心の2つ目が強引に相手DFラインを交わそうとするも体だけが先走りパックが手につかない。また、桑原が加わったクレインズの1つ目もここまで全く息が合わず機能せず。
 しかし、10分を過ぎたあたりから試合はにわかに動き出す。
 11分過ぎ、自陣での守りが長くなり、一瞬のスキを与えると、右スロットの位置からK72が一瞬フリーとなり1対1。肩口にシュートを浴びるも、次郎が絶妙なタイミングでグラブが出しキャッチ。

 13:05 K11 Hocking

今度は放り込んだパックを有利な態勢で次につなげようとお尻を向けながらゴール裏に居たK11にぶつかりパックを奪うも、直後に倒される。本日、最初のPPで1つ目が出てくる。ディックが敵陣に切り込みブルーライン付近で中央にパスを出し、フリーで外からシュートを一発放とうか、としたところで笛が鳴る。

 13:32 C7 Interfernce

ジョーがパスを出し後、スペースを作ろうとコクドプレイヤーをボード際に押し付けようとして倒してしまいPP終了。
4on4の状況で太郎、博史に大澤が加わり、敵陣で見せ場を作る。膠着状態になりそうなところで大澤がパックを拾いシュートを打つかと思いきやゴール裏を回るとみせかけて、パスを出すとぞと思わせつつ、結局、ゴール裏を回ってやっぱり自分でシュートを打つかと思いきや、パックが手につかず取られる。打て打て!!。

 17:35 C27 Hocking

 18:04 C7 Crosschecking

結局、流れを掴めないまま時間だけが過ぎていく。しかし、終盤に立て続けに反則。史郎の反則は相手FWの突進を止めに行くものの、結果的にスティックを横にして止めざるを得なかったため。まぁ、それは仕方無いにしても、ジョーの反則はパックキャリアの背中への典型的なクロスチェッキング。思い通りにいかない気持ちはわかるけど、もう少し冷静になって欲しかった。
という訳で1分半もの3−5のPKという大ピンチ。しかし、ここでシフトされた大澤、勇が踏ん張りパックを再三クリア。次郎も好守を見せ無失点でブザーを迎える。
Shots on Goal:C6、K6

とにかく走る、前に出る、それも強引に、というコクドの動きにクレインズDFの対応が遅れ気味。FWのフォアチェックも当たり負け。その分、DFからの球出しが遅くなり攻めが甘い。このまま終わるとは思えないが...。

(2)第2ピリオド
4秒残ったPKも無事終了。と思ったら、クレインズゴール脇デコクドプレイヤーが一人倒れている。

 0:26 C7 Hocking

体が触れる瞬間にスティックを持っている手を上げるという「アピール」も今回は実らず、たった22秒でペナ箱に逆戻り、と思ったら...。

 0:45 あっさり先制される G19←24←8

本部席側ポイントの位置でDFの当たりをK24が交わしシュート。1発目はクリアしたものの、ゴール前で人数が足りなくなっていた状態でリバウンドが逆方向に出てしまった。既に次郎は態勢を崩しており、コクドに先に叩かれたパックがネットを揺さぶる瞬間を見せられる。ジョー、これまたあっさりと氷上に戻ってくる。どうもやることなすこと裏目に出ているような...。

 4:42 K11 Hocking

しかし、再び匡史がニュートラルゾーンに流れたパックを追いかけていったところで綺麗に転倒。2度目のPPを敵陣でのフェイスオフからスタートする。出てきたのは1つ目。ダーシがパックを後方に出すと、任田が拾い、前でもみ合っていたプレイヤーを交わしつつも、ブルーラインを越えないようにパックを扱いベンチ側ポイントの位置へ来るとゴール前にさほど強烈とは思えないシュートを放つ。その飛んできたパックを待ち構えていたのは菊地と桑原。

 
4:48 あっさり同点(リーグ復帰後初ゴール) G71←44←20

ゴール前で軽くスティックを出し角度を変えマタを抜いたか、それともタイミングが狂ったか。天を仰ぐ菊地と対照的に照れ笑いを隠せない桑原。何にせよゴールはゴール。
取るべきセットがゴールを奪い同点に追いつけば、今度は辻が素早い動きでチャンスを作る。

 
7:58 早い巧い G14←13

敵陣からニュートラルゾーンに戻されそうなパックに飛び込んでいき、ベンチ側フェイスオフサークル中央付近でパックをキープすると、前に居たコクドプレイヤーを回り込むよういあっさり交わしゴール前に切り込んでいきシュート。リバウンドがきっちりゴール前に出たところをこれまた飛び込んできた匡史が叩きネットを揺らし逆転に成功!。

その余韻がようやく収まったかなぁ、と思った9分過ぎ自陣でのフェイスオフ。コクドが取ったが次のパスが悪くルーズとなりコクドDFの裏に流れていく。そこに反応したのが竹内。ュートラルゾーンの本部席前あたりでパックを奪うとそのまま突進。逆サイドには桑原が走る2−1隊形。打つのかパスなのかDFを引き付けていく。これじゃ、パスも出せないよという厳しい角度までパックを持ったままのい竹内。その位置で決められるのか?。

 
9:11 絶妙なパス G71←32

一旦パスを出すと見せかけてパスを出さずに菊地を自分に引き付けたところで、ワンテンポ遅らせてパス。隙間はそんなに大きくなかったはずだが、DFとGKの間を綺麗に抜けてきたパックが出てきた時点でオープンネット。桑原ごっつあんでパックタッチ。
これでもう大丈夫かな、と思ったのだが、

 
11:26 敵ながらアッパレ G10←8←24

カウンターのタテパスが本部席側ポイントの位置に居たK24に通った時点でクレインズは止めるべきだったが、ケアしていたはずのDFが追いつけず、すぐさま中央に入ってきたK8にパスが出され、そのままシュートを打つと見せかけて、ゴール左手前でフリーになっていたK10へパス。見事にリフレクションシュートを決められた。さすがの次郎もこれはお手上げ。攻めから守りへのスピードがまだまだ、と言った感じですな。

 12:19 C14 Boarding

肩で当たりに行ったらボード側に倒れちゃうんだな、相手が。

 16:39 C77 Hocking

浮いたパックをジャンプして手で叩き落そうとした際、着地点に勇のスティックがたまたまあったんだな。で、コケちゃいました、相手が。

 そんな感じで立て続けにアンラッキーな反則を取られるも、1点目の反省からかバタバタしていたボックスがしっかり組まれまともなシュートを打たせない守り見せてくれた。特に中島谷が各プレイヤーにボックスのポジションを指示しつつ、パックキャリアーと対峙しているところなんぞは、さすがにチャンピンチームに居ただけのことはあるな、と思わせるプレーでまともなシュートを許さず無失点で切り抜けた。
Shots on Goal:C8、K8

(3)第3ピリオド
 点差は1だが今日クレインズが負けることは無いだろうなぁ、という感触は2ピリ終盤のPKを2つ守りきったところで掴んだ。ユール、パーピックの居ないコクド相手に負ける訳が無い。それを3ピリ開始早々に大澤が立証してくれた。
 ベンチ側ニュートラルゾーンにふわりと浮かされつつ出されたパックに大澤がジャンプして叩き落しそのまま突進。たまたま接触プレーの名残で折れたスティックが転がっていて、一瞬、脚を取られた感があったものの構わず前進。すると、何故か相手DFが1人だけ。パーサイドには太郎が走っている。

 
1:21 カウンター&ナイスパスで突き放す G8←23

大澤から太郎に綺麗にパスが通るとゴールネットが揺れる。ひとまずここまでは新戦力が存在感をアピールしたという感じか。
これ以降はクレインズのパックを支配。コクド、1ピリに見せた「推進力」はどこに行ったのか?。すっかり影を潜めてしまった感じ。

 
7:54 ダメ押し G7

ニュートラルゾーンに流れそうなパックにスティックを伸ばしパックを止めに行き、そのまま体を覆いかぶせるように強引にスティックを振り回すとシュートは浮きあがってしまう。しかし、「カツン」という乾いた音がしたかと思ったら、パックはコクドゴールの左上スミに突き刺さっていた。おそらくシュートラインに居たコクドDFと桑原がもみ合っている中、コクドDFの体かスティックに当たって角度が変わったんだろう。菊地、全く反応できなかったからね。

9分過ぎ、再三、チャンスメイクしている2つ目のCF博史が走る。前にDF2人が居るにも関わらず、その真ん中を抜けようと突進。すると、図ったようにDFを置き去りにしGKと1対1。これで決めれば「凄い」んだけど、シュートフェイクを入れGKを前に倒したところまでは良かったがパックを浮かしきれず。う〜む。

しかし、コクドもしぶとく食い下がる。
10分過ぎ、敵陣のフェイスオフが吉田の前に出る。軽くスティックを出すもあらぬ方向にパックが飛んでいきニュートラルゾーンへ流れK32に飛びつかれノーマーク。次郎が1発目を止めたもののリバウンドがゴール前に転がり、次郎は転倒してオープンネット。しかし、先に追いついたのは後を追った吉田がクリア。危ない危ない。
14分過ぎ、クレインズ1つ目が敵陣で攻めきれずパックを押し戻されると防戦一方となるも、次郎が鋭い反応と、シューターの真ん前までにじり出る大胆なポジション取りでコクドのシュートをことごとくブロック。コクド時代には見られなかったプレーを見せてくれたスキルの高さと、それが出てしまうようなピンチを作ってしまったクレインズ。ちょっと複雑な感覚に襲われるも最後まで失点を許さず試合終了に向って一直線、かと思ったら...。

 15:01 C23 Hocking

 16:28 C77/K9 Highsticking

と、ちょっと横道に逸れてしまったものの無難に守りきり試合終了。
(田中新監督、公式戦初勝利おめでとうございます)
Shots on Goal:C12、K10

GBPは2Gを挙げた桑原。

全般的に見ると双方共にミスが多くチームとしての完成度はまだまだ、という感じ。そんな中、クレインズが新戦力の活躍、特に二瓶次郎の好守で悪かった守りの流れを改善した点は評価に値する。心配なのはジョーの精彩の無さと、昨シーズン試合出場の少なかった吉田、任田の球際の弱さ。あと、ケガの影響が残っているのか、正和の動きもまだまだ。1つ目も桑原が2Gを挙げたものの、桑原自身の動きも「まだまだそんなもんじゃないだろう!」という感じか。コクド時代と比べると、歳を重ねた分、無駄な動きが減ったような気がするんだけど...。
とにかく、これで明日勝ってくれればひとまず文句は無い。18年ぶりにSTVカップを優勝するのも悪くないんでないかい?。

前に戻る