2009.01.04 14:01〜16:06 釧路・釧路アイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
日本製紙クレインズ 対 High1 6回戦
オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(Black)
42清川-61石川
7ディック-23大澤-75ユール-20三谷-14佐藤匡史
28ティリー-3伊藤賢吾-11西脇-21酒井-18伊藤雅俊
2外崎-34原武-19佐藤博史-17飯村-47久保
33鬼頭-37角田-10山野-27石黒-16今村
【High1】(White)
39金丸-31オム・ヒョンスン
51マグヌス・オステラビ-15ファン・ビョンウク-79アレックス・キム-27ブレント・コブロウ-33イ・スンジュン
53クリス・アレン-96キム・ドンファン-61クォン・テアン-16イ・ヨンジュン-71桑原
24キム・ヒョンス-10キム・ユンファン-9ソン・チヨン・ベネディクト-73キム・ウンジュン-19チェ・ジョンシク
18キム・ドンヨプ-12イ・ミョンウ-11ペク・ヒョング-7イ・ユ-74クァク・ジェジュン-7イ・ユ
レフェリー:Thomas,Sterns
ラインズマン:三本、根本
第1ピリオド
00:00 C42 GK in
00:00 H39 GK in
00:24 クレインズ1点目(EQ) G14佐藤匡史(wrist/右75度/4m)←A20三谷←75ユール
開始直後、チェックを喰らいながらもニュートラルゾーンを強引に超えていくユール。呼応してダーシと匡史がパックと共に敵陣に入る。パックは守っていたHigh1のDFの足元に転がる。処理しようとするところを匡史が突っつくとハンドリンングミス。左に転がったところをダーシが拾いすぐさま右サイドの匡史に返すプチ2on1となり最後は匡史が右サイドからゴールの右サイドを抜く。相手のミスを逃さず幸先良く先制した、が。
00:42 High1 1点目(EQ) G61(rebound/左60度/2m)←A71←96
中央からのフェイスオフで試合再開も、私は今のゴールを反芻すべくメモ帳に視線を落としていた。すると、私の背後から「イヤーン!」という女性の悲鳴が。「何が起こったの?」とリンクに目を向けると転倒している清川を尻目にH61がオープンネットにパックを豪快に放り込む場面が飛び込んでいた。というわけで、そこに至る過程を一切見ていない。ただ、失点直後の氷上を見る限り、ゴール周辺にはクレインズの選手が(清川以外)誰も居なかったことを考えると、桑原にドライブを許し態勢を崩してしまった清川にシュートを浴びせリバウンドをコントロールする暇もなくパックを右に弾いた直後を見てしまったのかも知れない(むろん想像)。
開始1分以内で1-1の同点って試合は初めてだよ。
ところが、私を驚かせたのはこの事実だけではなかった。
01:21 High1 2点目(EQ) G61(reflection/正面/3m)←A53←96
自陣に放り込まれたパックの処理に手間取りビハインド・ザ・ネットの展開を作られるとクレインズの守りがゴール前に固まる。失点は避けたいと思うが故にゴール前に集まってしまう悪いパターン。左サイドのポイント位置で待っていたH96にパックが戻されると素早くD-Dパス→右サイドから強烈なスラップ。これをゴール前でしっかり角度を変えられまたしてもゴールネットが揺れてしまう。成す術無しでまさかの病殺連続失点。
03:19 H71 Tripping
自陣ゴール裏からパックを前線に出そうとしたティリーにH71が突っ込むもこれが反則。やや玉出しの動きが緩慢なティリーが狙われた。
なんにせよ早めに同点に追いつきたいクレインズにとっては有難いPP。セット組み換えの結果が出ない2つ目がシフトされるも敵陣でセットするまでに時間を要し有効打が出ない。1つ目に変わるもPP残り時間は少ない。早くシュートを打て!。
05:16 クレインズ2点目(PP+1) G23大澤(rebound/正面/1m)←A7デイック←20三谷
最後はブルーライン際のディックが正面から強烈なシュート。これをH39がブロックするもリバウンドが自身の手前に小さく転がる。フリーズに行く寸前にゴール前に入っていた大澤が拾いH39を巻き込むようにパックを押し込む。
これで試合が落ち着くと思われたが、
09:23 C47 Holding
やはり4つ目をシフトしないHigh1に合わせるようにクレインズも昨日同様の3つ回し。昨日は2ピリから登場した山野だったが、今日は1ピリからシフト。今、クレインズの中で最も運動量のある博史と久保がパックキャリアへ執拗なマークを続けるも滞氷が長くなるとチェックが甘くなる。
同点に追いついたものの、PKでの失点は避けたいところだが、High1の攻めは昨日同様にスムースさを欠いており自陣でセットはするもののプレイヤーの動きが少なくクレインズの守りが殆ど崩されることなく空シュート1本に抑えたのだが、
12:04 High1 3点目(EQ) G73(rebound/左45度/3m)←A10←9
High1がダンプしたパックを追っていくティリーだったが、そこへH9が絡むとパックを制御できずゴール裏まで引きずられる。自陣へのパックをDFが処理することが分かった時点で早いトランジッションを狙うべく他のプレイヤーは前へ意識がある状態なのにゴール裏でもつれてしまっては自陣に戻らざるを得ないが、その時のカバーリングができていなような。慌てて戻るまでは良いのだがゴール前に固まってしまいHigh1のDF2人へはノーケア。そこへパックを戻されるとDFは余裕を持ってパックを扱える左サイドのポイントの位置からH10が放ったシュートはリバウンドが出てしまい、それをあっさり叩かれる。崩される、というより勝手に崩れている。
12:25 C14 Tripping
輪をかけるように反則。これでは試合の主導権なんぞ握れない。
ただ、このPKもHigh1に攻めの形を作らせていないだけに、PKでできることがEQでできなくなる。要は守りに徹すれば、それなりにできるが、攻めて守って、というある意味アイスホッケーの醍醐味である部分への対応が不十分だと言わざるを得ない。
その後は、双方とも敵陣に入るも決め手を欠き決定的な場面を作れない。そんな中、昨日は動きがいま一つだったH71が勝手知ったる元チームとばかりに随所でパックに絡み、うまく周囲のプレイヤーを使ってチャンスメイク。終了間際にはクレインズのDFをかいくぐりゴール前までドライブ。シュートを打つとみせてクレインズの守りを崩すとゴール前の狭いスペースながら2-0態勢を作りゴール前で横パス。決められてもおかしくなかったがシュートミスに助けられる。その反転で西脇と雅俊が2on1となる絶好のチャンスも敵陣に入ってからの雅俊からの横パスが遅くカットされてしまう。パックを手放すタイイングが遅い上にパスも弱い。
Shots on goal:C12,H8
守りから攻めヘのトランジッションが遅いところを見事に突かれる。ゴール裏やゴール周辺でDFがHigh1のウィングの出足に絡まれ前線へパスが出せない。このままでは不利な状況になるからとりあえずクリアしなきゃというパックを自陣で取られ、攻めに回っていたFW陣も帰っては来るがゴールが危ないとばかりに守りが小さくなったところをDFに戻され外からドーン→リバウンドを叩かれるという相手にとってはしてやったりの得点。敵陣で相手の攻めを殺しているのは評価できるが、自陣に放りこまれたパックからミスっているようでは...。
第2ピリオド
21:21 H16 Holding
早く追いつきたいクレインズにとってはうってつけの相手の反則によるPP。
2つ目がシフトされたが、敵陣でセットしてからの展開が遅い。しかも相手がスティックを破損し自陣に戻ってしまい、5秒前後に5on3になったにもかかわらずご丁寧にHigh1のベンチから代わりのプレイヤーが入ってくるまで左サイドでパックをもてあそぶ始末。そこが狙い目でしょうに。
25:07 C28 Hooking
自陣奥に放り込まれたパックを処理するも、やはり絡まれるティリー。いつもは相手の動きを見透かして慌てずパックを前線に繋いでいくのだが、今日に限ってはHigh1のプレスに簡単に屈しパックを手放してしまう。さすがに、相手にすんなりパックを渡さなかったものの結果反則では意味が無い。
ここまで精彩のなかったHigh1のPPだったが、ここはチャンスとばかりに厳しい攻めを見せる。遠目から積極的にシュートを浴びせる。清川がキャッチするも確実に敵陣でのフェイスオフの場面を継続。左サイドのスペースでパックをつなぐと果敢にスロットに飛び込みゴールにパックを打ち込み混戦に持ち込む。なんとしても追加点を奪い一気に試合を優位に運ぼうとギアチェンジしてきたHigh1を垣間見た。辛うじて踏ん張ったクレインズ。
27:26 H16 Holding
やや熱くなっているH16がまたしても反則でクレインズに同点のチャンス。
右サイドのコーナーでユールと匡史が相手の守りを翻弄しゴール前へ入り込むスペースを作ると匡史がゴールラインに沿ってゴール左脇からねじ込もうとする。止められるもユールが叩き、更にこぼれたところをダーシが突っ込んでいく場面を作るもあと一歩。
結果が出ない2つ目。遠目から賢吾とティリーのシュート力でゴール前にこぼれるリバウンドで勝負しようとする狙いはわかるのだが、肝心のDFからのシュートが枠を逸れたり、GKの正面い行ってしまったり。さかんに西脇がゴール前で合わせようと粘るも空回り。
決して攻め込まれている訳でもなく、さりとてチャンスが無い訳でもないのだが、結果として2-3と1点ビハインドは変わらない。少なくても2ピリで最悪でも同点に追いつきておかねばズルズルと行ってしまう感じも無くは無い。が、30分過ぎ、自陣から久々に早いタマ出しが決まってニュートラルゾーンで3on1。左サイドをジョーが上がっていくと右サイドに匡史が走る2on1。更にダーシが中央からフォローしており何でもできる状態。ジョーが敵陣に入ると横では無く中央をはいってきたダーシへパス。走り込んだ勢いそのままにダーシが強烈なスラップショットを放つと、
30:42 クレインズ3点目(EQ) G14佐藤匡史(rebound/正面/1m)←A20三谷←75ユール
H39がブロック。リバウンドをコントロールされたかに見えたが僅かに左手前にこぼれた。そこへ詰めていた匡史が飛び込みパックを叩くのと、H39が体を寄せるのとがほぼ同時。H39が止めたかに見えたパックだったが後方にこぼれておりゴールラインをするすると越えてくれた。
勢いずくクレインズ。そのまま逆転を狙うべく1つ目が敵陣でパックを連取。最後はユールが正面からフリーでミドルシュートを放つところまで行ったが力が入り過ぎて相手DFに体を入れられる。
32:53 C47 Slashing
しかし、自陣ボード際の競り合いでスティックを使ってしまう。パックキャリアと距離を保ちつつうまくマークはしてはいるのだが...。
前のHigh1のPPが厳しかったが、ここは意外と淡泊な攻め。特にFW陣の脚が止まっており左サイドで2人でパックを回している間をティリーの脚が全く動かず、目で追ったままで済んでいるというのは余りに動きが少な過ぎやしないか。
36:42 H53 Tripping
逆に絶好の勝ち越しのチャンスを掴むのだが、こちらも直前のHigh1のPPを見ているかのような「もったり」とした動き。パックがゆっくりと動き、パックを叩くブレードの音が響いてこない迫力の無いパス回しでは、如何にゴール前でシュートのリバウンドを叩こうと西脇が踏ん張ってみてもそう簡単には実らない。しかも、脚が無くなると雅俊からティリーへの戻しパスや、一瞬ルーズになったパックに対して思い切って振りかぶっていく酒井がことごとくH71にカットされ逆襲をうらう場面もあり、あちこちから溜息が聞こえる。
39:18 C20 Holding
Shots on goal:C14,H8
チャンスは作っているけど、ラストシュート&ラストパスが決まらない。PPでは安易なパスをきっちりカットされるは、シュートコースにしっかり入られるは、テンポが悪いことこの上ない。さすればゴールニアサイドから抜け出し正面に入り込むまでは行くが仕上げが...。それでいてHigh1はクレインズで動きの悪いプレイヤーに狙いを定めパックを奪うなど、やみくもに攻めてきていないところが不気味。僅かなミスや怠慢プレーは一切許されない。
第3ピリオド
1分ちょっと残っていたPKが心配だったが、High1が攻め込む前に早めのプレスで攻めの形を作らせず守り切った。
その後は1点を巡って双方がさかんにパックを敵陣に運びチャンスを伺う。
43分過ぎ、High1のクリアパックを外崎がブルーラインでカットするとDFの裏に絶妙なパスを出す。残っていた飯村が拾ってワンタイムで叩くも打ちきれない。その後のルーズパックもゴール裏で奪うと久保がゴール右脇の角度の薄い位置から肩口を抜こうとバックハンドシュートを放つもオーバーフェンス。
44分過ぎ、ニュートラルゾーンの後方から上がっていくH71の突進をあっさり許すと右サイドから強烈なロングシュートを浴びる。清川がブロックするもパックは頭上を越えゴールのクロスバーに当たって清川の後に落ちる。慌てて清川が振り向きスティックを出すも飛び込んできたH16に思いっきり叩かれてしまう。「やられた」と思われたパックは(私が見ている限り)ゴールに入って跳ね返って出てきたところを慌ててクリアしたように見えた。が、ゴールランプも灯らず、High1は抗議もしない。もしや、本当にH16がシュートミスしてくれたのか、定かではないが...。
いずれにせよ、まだクレインズにはツキがあった。
47分過ぎ、High1ベンチ前付近で匡史がパックキャリアへチェックも潰される。が、粘ってパックは相手に渡さなかった。そこにユールが素早くフォローに入ると右サイドには大澤が入った2on1になる。
47:34 クレインズ4点目(EQ) G75ユール(wrist/ほぼ正面/3m)←A23大澤←14佐藤匡史
敵陣に入ったユールが早めに右サイドの大澤にパス。すかさず大澤がリターン。完全に相手DFを振り切った後、ユールが相手GKとあまり距離が無いなかでシュートフェイクを一つ入れるとあっさりマタを抜いた。開始24秒以来のリードを奪った。が、
47:58 C2 Deleying the Game
外崎が相手のプレスをやりすごそうとニュートラルゾーンから自陣まで下がり背走しながらパックをバックハンドで苦し紛れに放ってしまう。っつーか、誰かサポートしてあげなよ。
49:07 C23 Crosschecking
更に、High1の厳しい攻めにボード際のパックを拾いに行った相手を綺麗に背後からクロスチェック。パックキャリアはフェンスへもろに激突し倒れる。即反則裁定が下ったがまかり間違えばメジャーになってもおかしくない危険なプレー。いずれにせよ3on5のPKと本日最大のピンチを迎える。20-3-28で臨む自陣でのフェイスオフ。ダーシがフェイスオフで粘り綺麗に相手じ渡さずパックを足元で留めていたが多勢に無勢。強引にパックをもぎとられるも左サイドボード際でまだもたついているHigh1。なんとかカットした賢吾がチェイスするも一瞬早くパックを引かれDFの位置に戻されるとすかさずD-Dパス。
49:18 High1 4点目(PP+2) G79(slap/正面/17m)←A51←27
最後はブルーライン際中央からH79の強烈なシュートを浴びる。清川、ブレードで弾こうとするもシュートのスピードに屈し弾いたパックがゴールに飛び込んでしまう。束の間のリードも自陣での反則がきっかけで守り切れずまたしても試合は振り出し。
その後、51分過ぎ、敵陣ブルーライン際でパックを抑えた原武がシュートでもパスでもなく不用意にパックを相手プレイヤーが固まっているゴール前に流してしまいカウンターをくらい自陣まで運ばれる。
直後、逆にカウンターから右サイドを酒井が走り、左サイドを西脇が走る2on1も、早めにパスを出し西脇に任せればいいものを変に溜めてしまい相手DFに絡まれ何もできず。
54分過ぎには、敵陣左サイドのブリーライン際でのせめぎあいからHigh1がクリアしたかに見えたパックを雅俊が奪ってノーマーク。左45度のアングルからゴールに突進するも決めきれない。
57分過ぎには、またしてもカウンターから西脇が左サイドをタテ突進。ゴール前に入ってきた賢吾へ相手DFをかいくぐる絶妙なパスを出すも打ちきれない。一旦、パックをクリアされクレインズベンチ前あたりに転がる。ここでクレインズは一部メンバーを変えユールが氷上に出ていく。残っていた酒井が交代前に前線にパックを戻すと、High1のメンバーチェンジが間に合わずユールが右サイドへパックを出す。脚が無かった賢吾だったが、
57:13 クレインズ5点目(EQ) G3伊藤賢吾(slap/右60度/15m)←A75ユール←21酒井
すかさず振りかぶるとパックはH39の右足をかすめネットに吸い込まれた値千金の勝ち越しゴールになった。
High1がメンバーオーバーを主張するも認められず、三度リードを奪う。
59:15 H39 GK out
勿論、このまま黙っちゃいないHigh1はH39を上げ六人攻撃。なかなかクレインズ陣内に入れとみるや、H71にパックを託すとあれよあれよとニュートラルゾーンを駆け抜けクレインズ陣内に入ったところでドロップ。フォローしてきたプレイヤーに遠目からロングシュートを打たせつつ、自身はゴール左手前でリバウンドを叩くべく詰めているソツの無さを見せるもここは清川が懸命にリバウンドをフリーズし笛をとる。
59:41 H Timeout
そのままタイムアウト。
直後、クレインズは守りの陣形を確認し、18-20-75-3-28が氷上に。High1も71-16-27-51-79-53と助っ人全投入でクレインズ陣内のフェイスオフも、なんとかダーシがフェイスオフを奪いパックをクリア。再度攻め上がってきたHigh1がクレインズ陣内に入った時点で残り5秒。1点差を守り切った。
60:00 C42 GK out
Shots on goal:C9,H12
よく勝った。最終的に結果を出した点については充分に評価できる。ただ、最後までプレーのテンポを上げることができず、試合の主導権を握れなかったことは否めない。また5回目のセット組み換えもまだまだきっちり機能しておらず、得点するセットと失点するセットが決まってしまうのも気掛かり。
目についたのは自陣でのパック処理のもたつき。ここで時間を掛けているようでは3日後のハルラ戦で痛い目に遭う可能性が高い。だが、悲観ばかりしている訳にはいかない。現状の戦力でいかにして試合に勝つか、相手の弱いところを徹底的に突き、少ないチャンスをモノにしていった今日のHigh1の試合運びを大いに参考にしてくれると良いのだが...。
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