2009.02.28 16:00〜18:07 釧路・釧路アイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009プレーオフセミファイナル
日本製紙クレインズ 対 アニャンハルラ 3回戦
オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(White)
61石川-42清川
28ティリー-3伊藤賢吾-24飯塚-20三谷-18伊藤雅俊
7ディック-23大澤-75ユール-17飯村-11西脇
34原武-2外崎-10山野-21酒井-14佐藤匡史
33鬼頭-19佐藤博史-27石黒-47久保-16今村
【アニャンハルラ】(Blue)
30ソン・ホソン-32キム・ソンギ
24パク・ソンミン-44イ・クォンジュン-16イ・クォンジェ-6キム・ホンイル-8キム・ウォンジュン
79ユン・キョンウォン-27ブラッド・ファスト-9チョン・ヨンテク-25ブロック・ラドゥンスキ-1キム・ギソン
5キム・ウジェ-2ジョン・オゥ-11イ・ユウォン-36パク・ウサン-96ソン・ドンファン
4チャン・ジョンムン-15コ・ビョンヒ-7イ・スンヨプ-81キム・ホンイク-37チョン・サンヒョン
レフェリー:Olson,J.B
ラインズマン:三本、Byun
第1ピリオド
00:00 C61 GK in/H30 GK in
ハルラは主力プレイヤーであるH43,H89が欠場。概ねこれまでのセットを踏襲してはいるが、3つ目と1つ目を入れ替えている。そこに敏感に反応したのはクレインズ。1→2と出した後、すぐに1つ目をシフトしハルラの出方を伺ってはみたものの平然と3つ目を当ててくるハルラ。これでハルラのマッチアップのずらしに成功したように見えたが、次にクレインズが3つ目を出すとハルラは普通に4つ目をシフト。2つ目をシフトすると1つ目をシフト。何のことは無い、ハルラは普通に4セット回しをしていただけだった。だが、いちおうこの「ずらし」が効いたのか、ハルラが自陣のタマ出しをミス。
03:48 クレインズ1点目(EQ) G11西脇(Slap/正面/6m)
自陣左コーナーから大きく逆サイド前方にパックを出したがそれを西脇がゴール正面のスロットあたりで体に当てパックを弾く。ゴールにお尻を向けた状態だったので回り込むように正面に入りそのまま叩くとH30のブロッカーを弾きゴールネットに吸い込まれる。
その後は、クレインズもハルラのマッチアップに変化が無いことが理解できたのかクレインズも普通に1→2→3とセットを繰り出す。しかし、いずれのセットも敵陣でハルラのブレークアウトにプレスを与えスムースな攻め上がりの展開を許さず、しかもパックに絡んで逆に攻め込む形もつくりつつ、ハルラがパックを持った時には攻め上がってきてもメンバーチェンジしかできない状態にしており、クレインズはハルラのプレスをあまり感じることなく素早いブレークアウトから敵陣に向かいハルラ陣内でパックを動かしていく。
7分過ぎ、ここまで被ショットはおろか自陣への侵入もほとんど許していなかったのだが、その空気を変えたのはアジアリーグMVPが見せた左サイドのドライブからだった。
07:58 ハルラ1点目(EQ) G25(wrist/左30度/7m)←A1←79
左奥まで攻め行ったH25。今日初の攻め上がりである。それ以前に動きを食い止めることはできなかったが、それでも左サイドのサークルの外あたりまでDFが追いやったからまずまずのDFはしているのだが、厳しい角度でありながらも石川のグラブサイドを狙って鋭いリストショト。石川、正対していたが思ったよりも鋭いシュートだったのか差し出したグラブのコースがややずれていたのかパックをキャッチできず弾いてしまいゴールを許してしまう。ここは石川に守って欲しかったところ。
今日こそ締まった試合をクレインズに「作って」ほしかったのだが...。
12:07 C7/H11 Holding
徐々にハルラもクレインズ陣内に入ってくるも、まだクレインズが優位に立っているように見えた。しかし、この反則は自陣でパックを処理しようとしていたジョーに対してH11が「なんとしてもパックを取ってやる」という気迫溢れるプレーでジョーに当たっていくと2人もろとも転倒。立ち上がり際にジョーが切れ気味にパンチを一発お見舞い。こんな時間帯からイライラしていたらこの先どうなるの?。
4on4となった最初のシフトが長くなってしまい自陣からクリアされたパックをニュートラルゾーンで受けたユールが敵陣に向かって使い切った脚を懸命に動かしつつブルーラインを越え相手DFのマークを受けつつ、そのままダンプして交代かなぁと思った刹那、相手DFとの距離が近かったが打てる態勢ができていたのかいきなりシュートを放つ。
13:09 クレインズ2点目(EQ 4on4) G75ユール(Slap/左75度/10m)←A3伊藤賢吾
これが前に出ていたH30の股間を綺麗に捉え、パックはゴールで大きく弾んだ。
イケイケドンドンという感じで直後に外崎が自陣から単独で敵陣まで攻め上がり相手DFを交わしゴール前までパックを運び、「あわや」という場面を作ったものの、
14:08 ハルラ2点目(EQ) G25(wrist/右75度/4m)
自陣コーナーでパックを奪われてしまい、単独で右コーナーからゴール前に回り込まれあっさり石川のグラブサイド肩口を抜かれる。
15:01 ハルラ3点目(EQ) G96(backdoor/左75度/3m)←A11←36
立て直す間もなく、自陣ゴール裏のパック争奪に負けてしまいまたしてもゴール右脇から右スロットに回り込まれシュートを浴びてしまう。これをブロックするもリバウンドが出る。これを詰めていたH11が叩くも冷静に横パス。ゴール前の大混戦にも怯まず逆サイドで待っていたH96がきっちり叩いてバックドア。更に、
15:47 ハルラ4点目(EQ) G96(wrist/正面/15m)←A36
誠にもっておぞましい。
またしても自陣からのタマ出しにもたつきゴール周辺にパックを集められ防戦一方。ようやくパックを自陣右コーナーで拾うとこの状況をクリアしようとしたのか、それとも前線のFWが反応していてハルラDFの裏に出れる絶好の位置だったのを見てかなんと右コーナーから逆サイドの本部席前あたりにパスを通そうとするも、これをブルーライン際でH96にカットされるとそのまま正面からシュート。これがゴール前に立っているジョーがブラインドになっていたのか石川の反応が遅れ右スミに決められてしまう。
あっと言う間の3連続失点で2点ビハインド。
15:47 C Timeout
たまらずタイムアウト。まぁ、それは判るとしても...。1点目を取られるまでのあの見違える動きはどこへ行ったのか。守るべきところは守り、敵陣へのフォアチェックやバックチェックも機能していたはずなのに...。「判ったか!」と一喝するだけで判るとは思えない。何が悪かったかを具体的に指摘してあげたら、と思うのだが(結局、ここでタイムアウトを使ったことが後々響く)。
その後は、パックを扱うのにおっかなびっくり、という感じ。攻められなくてもいいから自陣でパックを奪われないよう時間を掛けていくも、ここぞとばかりにハルラに絡まれブレークアウトが遅くFWも低い位置で迎えに行く格好になってしまい攻めの形が作れないまま1ピリ終了。
Shots on goal:C12,H8
お互いがミスの連発もクレインズのミスがゴール及びゴール周辺だったというところが失点につながる(それもショット8でゴール4って何なのさ)。7分までは相手のブレークアウトを早いプレスで絡み攻めの形を作らせなかった見事な攻守のバランスを見せていたが、7分過ぎのハルラのファーストシュートが決まってしまうとそこからは点を取ることに躍起になってしまい自陣でミスを重ね勝手に崩れる。早く攻めたいと言うのは分かるが早く攻めようとする余り自陣からのタマ出しを1本で片付けようとする余りのロングパスカット。タイムアウト後、立て直そうとするこ急に動きが消極的になりプレスを受けまくり押され始める。守りが安定していない分、ある程度守りを犠牲にしないと攻めが形にならないことを露呈している。守りから入らなきゃこの叩き合い(下手すりゃ叩かれ合い)はまだまだ続くぞ。
第2ピリオド
21:19 C75 Slashing
21:27 H36 Slashing
お互いがパックキャリアに対してスティックを出し4on4。クレインズ、まだ1ピリ3連続失点のダメージから立ち直っていないのか、パスミスを連発し攻めの形を作れないままユールの反則が終わろうとしていたとき、右サイドを賢吾がパックをキープしつつ突進。その流れの中でユールがペナ箱から敵陣に突進すると右サイドの賢吾からの横パスを受け、左サイドから強烈なロングシュートを放つ。
23:27 クレインズ3点目(EQ) G17飯村(rebound/正面/4m)←A75ユール←3伊藤賢吾
ユールのシュートのリバウンドをゴール正面に出すとそこに飛び込んできた飯村がゴール正面で拾ってガラ空きのゴールにパックを放りこむ。
26:40 H9 Holding
短いながらも実質PPを決めた勢いそのままに、このPPも遠目からのシュートを中心にゴール前でリバウンドを拾って、という形を作ろうとしているのだが、そう簡単にゴール前のポジションを譲ってくれるほど甘くは無い。手数は出ていただけに遠目からシュートを打つ以外にゴール前での厳しいブラインドとかパス&ゴーでゴール前に強引に切り込むとか、もっと相手の嫌がるプレーを見せてほしかったところ。
この後は、点の取り合いとは打って変わった締まった内容。双方が自陣での攻めを凌いで早いブレークアウトから敵陣までパックを運びシュートまでは持っていくも二次三次と攻撃が続かず双方とも脚がよく動くリズミカルな展開に。
33分過ぎ、賢吾、匡史と相次いで2on1になりかける格好でハルラゴールにパックを運んでいくも、ハルラも横パスを封じる守りでクレインズにシュートしか打たせない動きで攻めを単発に抑え込む。
34:19 C17 Holding
自陣ブルーライン際で、大澤が敵陣に入っていくのをサポートする格好で邪魔に入ってしまい反則。
35分過ぎ、ダーシが2on1からマタ狙いの強烈なシュートを浴びせるもブロックされ、直後には酒井が単独で相手プレイヤー3人を交わしゴール前までパックを運ぶもねじ込めず。
35:53 C75 Crosschecking/H27 Roughing
ハルラの攻めを凌げると思われた終了直前、ゴール前に入ってきたH27の動きを止めようとユールが反則。しかし、直後の笛でH27が手を出してくれて両者反則になってくれた。なんとなく流れがクレインズに傾いてきたか?。
36:26 クレインズ側ゴールランプが灯るも
PP明け、H25の強烈なシュートに石川があっさりゴール前にリバウンドを出してしまうときっちり詰めてきたH1のパックを押し込まれてしまう。ただ、明らかに手だったので即座にレフェリーがノーゴール裁定。ただ、いかに相手が得点王であろうとも簡単にリバウンドを出してしまっては...。
Shots on goal:C13,H11
1点差に詰め相手を0に抑えたのはまずまず評価できる。双方とも早いブレークアウトからしっかりパックを前線に運び敵陣で勝負。ただ、クレインズが若干ハルラ陣内でのパックに絡む回数が多くその分良い形になる回数が多いものの、1ピリには双方不安な一面を見せていたGKがしっかりと守り試合を落ち着かせていた。クレインズとしては勝負所での反則とやはりH25への対応。H25を始めとするハルラのプレイヤーが繰り出す長いリーチを生かしたブレードに手を焼き、パックを持たれれば懐の深さでチェックを受け流していくだけに厄介。スコアリングに絡んでくるプレイヤーだけにDF陣は相当な粘りで動きを封じる必要がある。どんなにFWがフォアチェックで前線でプレスしてもたった1回でもいい形でパスが通ってしまうと高確率で決められてしまう。ここは叩き合いよりも我慢。ハルラに負けないパックへの執着を見せればチャンスは必ず来るはずだ。
第3ピリオド
41:49 C Too many players on the ice(#14)
どこで6人居たのか判断できなかったが、要は交代のタイミングが早かったということでしょう。
嫌な場面だったが、ハルラがクレインズ陣内に居る割には攻めが淡泊。ここはパックキャリアへのプレスでハルラのミスを誘い守り切る。
44分過ぎ、自陣でユールとジョーがパックを譲り合ってしまいルーズになるったところを絡まれる。カバーリングが居たからなんとかピンチ免れたが自陣での些細なミスは命取りになるぜよ。
45:45 C20/H16 Roughing
反則を取る程の接触でも無かったが、1点を争う試合だけに荒れそうな火種は早めに消そうとするレフェリーのコントロールと思われる。
47:08 C23 Interference
しかし、またしてもH25にゴール裏で動かれてしまい反則。この3on4は厳しかった。外から、というよりボックス自体が小さいからほぼミドルシュートに近い位置から放たれる強烈なシュートを石川がリバウンドを出さずにきっちりフリーズ。更にシュートが枠を外しリム経由で勝手にニュートラルゾーンに出ていくプレーもあり3on4を凌ぎ4on5も守り切る。
1点負けているクレインズ。このあたりからエンジンを掛けて行ってほしいのだが、
49分過ぎ、酒井が敵陣で相手のパックをテイクアウエィ。山野、匡史がゴール裏で粘るもパックをゴールには運べない。
50分過ぎ、賢吾が単独で左サイドを上がりそのまま左サイドのコーナー付近で競り合いパックを引っ張り出すことに成功。ゴール前にパックを流すもゴール右脇で待っていたダーシまでには届かず。
51:16 H24 Slashing
徐々にクレインズの攻めに対してハルラがスティックを絡めて反則をするようになってきた。絶好の同点機だったが、この攻めに迫力が無い。パックを軽々と扱う場面が多く、対峙する相手を交わそうと小手先でパックを扱いブレードを交わそうとするプレーが目立つ。が、これがことごとく網にかかってしまいクリア。その後も折角パックを敵陣でキープするも良い角度から強いシュートを打つことができず、D-Dパスのミスも加わって時間だけが過ぎていく嫌な展開。
本当なら1点負けているクレインズが相手が嫌になるくらいにパックに絡んで簡単に相手の攻めを許さないどころか、あわよくば敵陣でチャンスメイクしてこようとする動きになると思っていたが、ここへ来て攻めあぐね感が漂う。失点しなくなったのは良いとしても今度は攻めの面で精彩を欠き点の入る雰囲気が感じられない。最初っからロースコアの展開だったらそういう雰囲気であってしかるべきだと思うのだが...。
56:39 H2 Tripping
残り3分半で絶好のチャンス。飯村が敵陣ゴール裏でパックの争奪戦に絡み相手の反則を誘ってアドバンテージ。しかし、直後に笛が鳴ってプレーが止まってしまう。
56:39 C75 Interference
なんと、その後の敵陣でのプレーを継続させようと反則された飯村が立ち上がってパックを拾った後のゴール左コーナー周辺のエリアを作ってあげたユールにも反則が課せられ痛い4on4。
個人技が怖い直後のプレーでH25の突進を止めきれず左サイドコーナーからゴール右へ鋭いパス。そこにきっちり飛び込んできたH1。自分の前の空間にパックが来たので前傾姿勢でパックに絡もうしていくも一瞬早くH1に叩かれる。石川、痛恨のオープンネットと思いきや、H1合わせたパックはゴール右上トップに刺さる寸前のところで石川が懸命に差し出したグラブでパックをキャッチ。このビッグプレーに対して攻撃陣はゴールで応えてくれ。
58:49 C61 GK out
2つ目中心のセットにダーシが入った6人攻撃に出るも、
59:04 H5 Tripping
右サイドを強引に走りぬけた西脇が引っ掛けられもんどりうって転倒も敵陣でのフェイスオフでしかも6人攻撃が続けられる反則を誘い上機嫌。あとは、クレインズが粘って我々を本当の意味での上機嫌にしてほしいと願った直後、
59:17 クレインズ4点目(PP+1 6on4) G75ユール(wrist/左0度/5m)←A3伊藤賢吾←28ティリー
なかなかセットできずもたついていたが、右サイドティリーからD-Dパスで左サイドの賢吾へ。その賢吾が放ったシュートはブロックされるもリバウンドがゴール左横に転がる。それを拾いに行ったユールが殆ど角度の無いと思われるゴール左横(それもわずかに後方だったかも知れない)からユールが相手GKの体に当ててパックをゴールに捻じ込んだ。
59:17 C61 GK in
残り43秒。「これで延長?」、いやいやそうかも知れないが延長なんかやらずに43秒で決めてきてしまったらいう嫌な予感が図らずも的中...。
59:48 ハルラ5点目(EQ) G81(wrist/左0度/5m)←A1←25
またしてもH25のパクキャリーからゴール裏から崩される。パックはゴール裏にあれば入ることはないんだからしっかり相手と渡り合ってパックを奪うなりクリアするなりすべきだったのに、パックのセンタリングを許してしまうと両軍入り乱れてのゴール前での大混戦。最後はパックの位置が見えなかったが、突如としてゴール内にパックが現れているではないか...。
59:48 H Timeout
1点勝ち越したハルラ。滅茶苦茶喜んでいるチームを落ち着かせるようにタイムアウトを使う。
59:48 C61 GK out
抵抗を見せるも...。
60:00 H30 GK out
タイムアップ。
Shots on goal:C9,H11
終わってみれば1ピリの4失点が高くついた格好になったにせよ、やはり問題だったのは6人攻撃で同点に追いついた後の終了間際の失点。3ピリ残り43秒。追いついた後、何をすべきかの指示徹底と選手間の意思疎通ができていなかったしか言いようがない。少なくともクレインズは「これで延長だ」と思っていたし、ハルラ「まだ43秒ある」と気持ちを入れ替え攻め込んできた。もしそこまで深く考えていなかったにしても「敵陣で試合をすれば失点することは無い」と考えていたからこそ、残り43秒で今日一番の攻めを見せたハルラの前にいとも簡単に屈してしまったクレインズはあまりにお粗末。勝ちに行かなきゃならないのはどっちなのか?。勝ち越されてガックリする前にもっとやるべき事があったと思うのだが。ハルラが勝ち越し後にタイムアウトを取り「浮かれていた」チームを落ち着けていたのとは対照的。クレインズも同点にした後、タイムアウトを取って、ということも十分に考えたかったところだろうが、残念ながら1ピリの連続失点時にに使ってしまったのも結果こうなってしまう遠因の一つかも知れない。もっとも、タイムアウトが残っていても取らないまま試合を進めていたんだろうなぁ、浮かれたまんまで...。
こんな状態でRL1位のチームに勝ってはあまりに失礼。本当に闘志を見せなきゃいけないのはどっちなんだ?。
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