2009.03.20 14:00〜16:15 釧路・釧路アイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008-2009プレーオフファイナル
日本製紙クレインズ対西武プリンスラビッツ 5回戦
オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(White)
61石川-42清川
28ティリー-3伊藤賢吾-24飯塚-20三谷-18伊藤雅俊
7ディック-23大澤-75ユール-17飯村-11西脇
34原武-2外崎-10山野-21酒井-14佐藤匡史
33鬼頭-19佐藤博史-27石黒-47久保-16今村
【西武プリンスラビッツ】(Blue)
39菊地-20片山
74河合-43河村-9佐藤-33パーピック-18鈴木
2三浦-22大久保-12内山-8今-30石岡
5宮内-19ローチフォルト-16小原-14田中-10神野
3山口-11川口-24増子-40藤田-13樫野
レフェリー:Derek,Berkebile
ラインズマン:千葉、滝澤
非常に残念な結果に終わったため、今回観戦記はポイントを絞って簡略化させてもらいます。後で気が向いたら加筆修正が入るかも知れませんが、たぶんしない。
第1ピリオド
00:00 C61/S39 GK in
主だったマッチアップはC1→2→3→4に対してS1→3→2→4。
過去4戦の公式記録を見ると、クレインズは3つ目並びに4つ目が得点にも絡んでいないが失点にも絡んでいない。逆に西武は2つ目(メンバーが多少入れ替わっているが)に得点が無い。クレインズがここまで結果を残しているのは3つ目、4つ目のEQでの頑張りがあったことを裏付けていたのだが、
04:37 西武1点目(EQ) G12(breakaway,wrist/正面/4m)←A30
05:27 西武2点目(EQ) G3(direct,wrist/正面/4m)←A13
シフトが2回り目に入った矢先の連続失点。
1点目は敵陣での積極的なプレスでパックを奪うも右サイドやや遠目から放った山野のシュートがプレイヤーブロックで左サイドにこぼれた。これをクリア気味でフライになったパックはカウンターを狙って走り込んでいたS12の頭上に来る。それを前に弾き落とした時点でクレインズのDFを振り切っておりドフリー。シュートフェイクで石川を前のめりにさせた直後にあっさりトップにパックを放りこまれる。
2点目はニュートラルゾーン中央で拾ったルーズパックの処理が巧かった。右サイドブルーライン上に居たS13へパス。その時点で1人目のDFの裏を取られてしまう。S13が右サイドを突っ込むと2on1。パス&ゴーでゴール前に突進していったS3へ素早くリターンパスが出てワンタッチでネットを揺らされる。
さすがの石川にもどうすることもできず(ノーマークを止めるというビッグプレイを期待するのはあまりに酷)。
ここまで結果を出してきていたはずの3つ目4つ目がEQで失点してしまう苦しい展開。
05:40 S33 Crosschecking
この人が余計なプレーに目もくれずきっちり仕事をされると非常に苦しくなっていたのだが、クレインズの攻めの中でゴール前に入って行った西脇を狙いうちで明らかな反則。
06:50 S5 Crosschecking/C11 Interference
これまた、過去4戦で結果を出しているPPですぐさま点差を詰めたいという気持ちが強くシュートは出ているがゴール前で良いポジションを取れずリバウンドが叩けない。
07:49 C23 Hooking
PPの終盤にパックを奪われ自陣まで引っ張られてしまい反則。
1分半近く自陣に釘付けとなった史郎、酒井、賢吾、ティリー。脚が止まりいつ失点してもおかしくない状態の中、ポストにも助けられ辛うじて守り切る。
10:37 S30 Highsticking
ユールが左サイドからパックを運んでいく中でパックではなくユールの顔付近にチェックを浴びせる。
11:24 S16 Highsticking
2度目のPPはセットにも手間取りかなりもたついており、このPPも決まらないようでは今日は本当に厳しいなと思った矢先、クレインズ陣内に流れたパックを追い掛けたジョーに対してこれまた顔付近にチェック。まったくもって西武の余計な反則に救われた格好。そうなると、
12:06 クレインズ1点目(PP+2) G11西脇(rebound/正面/2m)←A3伊藤賢吾←28ティリー
右サイドのティリーからのD-Dパスを受けた賢吾がワンタイムシュート。これがゴール前に立っていた西武のプレイヤーの脚をかすめ、S39が正対していた位置よりもやや右へ角度が変わる。左足でブロックしきっちり反応したところはさすがだがリバウンドがこぼれたところを詰めていた西脇が押し込む。更に、
12:33 クレインズ2点目(PP+1) G24飯塚(rebound/正面やや右/3m)←A18伊藤雅俊←28ティリー
ティリーの左サイドからのシュートがこれまたプレイヤーブロックで右45度のスロットの位置に居た雅俊の前に出たところをすかさずシュート。このリバウンド
がゴール前にこぼれたところを飯塚がきっちり拾って放りこむ。RLではあれほど決まらなかった5on3をこともなげに決め、しかも連続した5on4もモノにし一気に同点。
西武の反則に乗じ過去2戦のように一気に勢いに乗ったクレインズ。
14分過ぎ、3つ目が敵陣でパックを連取し西武の懸命のチェックを振り切りパックを生かしつつ徐々にメンバーチェンジ。右サイドのスロット付近で山野がターンで相手のチェックをやり過ごすもパックがゴール裏に流れていくも何故か氷上に居た西脇がそこに絡み相手DFのチェックを受けながらもゴール前にパックを出した。
14:27 クレインズ3点目(EQ) G20三谷(behind the Net,direct/左75度/7m)←A11西脇
そこに入ってきたのはこれまたチェンジで入ってきたダーシ。脚の止まった西武の陣形を切り裂くようにフリーでスロットに飛び込んできたダーシが軽く合わせるとゴール右横を鮮やかに捉え一気の逆転。
15:35 C20 Highsticking
そうなると第3,4戦の再現。反則を犯してもクレインズは積極的なパックキャリアへの潰しが効いてパックに絡むこと2度3度。殆ど攻めの形を作らせない守りで流れを作っていく。
17:24 S40 Interference
そして西武が攻めている中で石川へのチャージがありまたしても突き放すチャンス。
しかし、ここで西武が踏ん張る。12分の連続失点が嘘のようにクレインズに攻めの形を作らせない。
19:58 C3 Slashing & Crosschecking
そしてPP明けの残り30秒弱でクレインズが弱気になった。明らかにブザーで逃げようとした雰囲気が見てとれた。そこを反則明けのS40も含めたS18,S33に攻め込まれ反則を重ねる。
Shots on goal:C13,S9
1ピリ終了間際にクレインズが攻め疲れたところを突かれ2ピリ開始早々4分のPK。このPKを凌げれば守りから試合を作る流れになっていきまたしてもクレインズに風が来るのではないか?。いずれにせよこの4分が最初のヤマになる。
第2ピリオド
21:20 S16 Boarding
ところが、ヤマと思われた4分間のPPを西武があっさり手放してくれた。もっとも4on4ではS14の小手先&クネクネでゴール前までドライブを許すなど危ない場面があったもののやはり4分→2分の時短の効果は大きかった。
25:52 S8 Roughing
匡史が中央突破を図るも既に2人のマークが効いていて抜け出せずスピードを殺されながらも強引に割って出ようとした匡史に手を出してくれる。
このPPをモノにすれば大きくクレインズに流れが来る。これまた中盤のヤマ場に思えたこの場面も、
26:02 S33 Missconduct
一旦クリアされたパックをS33が右サイドから単独で持ち込みマークを引き連れながらも強引にドライブ。最後は石川が正対しパックをフリーズするもそのグラブ目がけて思いっきりブレードで突っつき強引にパックをゴールに流し込んでしまう。最初のフリーズで笛が鳴っておりノーゴール裁定は出ていたがこれに不服のS33が一言→ミスコン。一応、パックがゴールの中に入ったのでVGJに回されるもやはりノーゴール。
S33が10分間氷上から消えてしまい突き放す絶好のチャンス、と思われたのだがなぜかここからクレインズのプレーがヌルくなる。早いパス回しが影を潜め明らかにゴールを狙って(狙うことは良いことだが)一発で仕留めようとミドルシュートを多用するもこれがいずれも溜め過ぎ。DFも遠目から脚を止めてシュート放つなど動きに冴えが無いPPを消化してしまう。
何を遠慮しているのか?。
逆に29分過ぎ、ダンプされたパックを自陣で処理仕切れずガラ空きのゴール前にパックを流されると石川がカットしようと前に出るがこれが中途半端。逆に西武に拾われパックを流し込まれる大ピンチもポストに助けられ失点は免れたがゴール前のカバーは一体どうしたのか?。
更に30分過ぎ、クレインズが自陣からのブレークアウトに時間を使い始める。西武の(それほど速くはないが)寄せを見ながらロングパスで一気に敵陣へパックを動かす場面が見え始めるが攻めが中途半端になったり、パスが通らずアイシングになったり...。何か楽しようとしてないか?。
そして31分過ぎにはまたしても自陣のブレークアウトが遅く西武に絡まれ、そこからパックを連取され、動かされ明らかに防戦一方。
31:57 C17 Roughing
そして耐えきれず反則。
明らかに動きが悪くなっている。この悪い状況、苦しい時間帯ということを理解しているのか?
32:56 西武3点目(PP+1) G16(rebound/右30度/3m)←A8←74
理解できていなかったようだ。
右サイドからのロングシュートのリバウンドを拾われ更にミドルシュート。これを石川が左に体を寄せ脚でブロックするもリバウンドをゴール右横に居たS16に拾われると石川がやや左に寄ったためゴールの左サイドが開いてしまいS16が石川を交わすようにパックを押し込む。
この失点は単なる同点とは意味が違う。明らかにハードに動くことができなくなりパニック寸前の状態。流れを変える意味でも一呼吸置いてほしかったが、
33:51 西武4点目(EQ) G18(wrist/正面/5m)←A14←5
とにかく敵陣でプレッシャーを掛けようとウィングが前に出ていくもそれを見透かしたように交わしつつパックを確実につないでスムースなブレークアウトを見せるとS14がニュートラルゾーン左サイドで浮いておりそこにボードを使ったロングパスが通ると2on1。というか素早く左サイドからゴール前正面のスロットにパックを流すと勢い良く入ってきたS18がどフリー。きっちりグラブサイド肩口へ。
逆転を許した直後、クレインズも西武ゴールを襲うがリバウンドを拾った飯塚がハンドが逆で強く叩けない場面もありもはや運も味方せず。
34:38 西武5点目(EQ) G10(touch/正面/2m)←A16←43
クレインズのチェイスをあざ笑うかのように自陣できっちりパックを回すとS16が自陣からニュートラルゾーンをあっさり抜け右サイドからクレインズ陣内に入っていく。マークしてはいるのだが全く効いていない。そして横パス。これを正面から走り込んでいたS10に合わされてしまう。こちらのマークもお粗末。
34:53 西武6点目(EQ) G18(rebound/左45度/4m)←A9
更にお粗末なプレーが続く。
S9がブルーラインを右サイドの壁を使って越えるようダンプ。そこにS18が鋭い突っ込みで入っていくもクレインズのプレイヤーが3人で囲んでいるのに誰も潰しに行かない。あっさり抜かれてしまい正面からシュート。石川が止めるもリバウンドを出す。これを再びS18に拾われると左サイドに回りつつ石川を寝転ばしオープンネットにパックを難なく放りこむ。
34:53 C Timeout
もう手遅れです。
36:32 C23 Roughing
38:07 C3 Tripping
でも試合を投げずによく守りました。
39:31 S18 Holding
こうやってこの後に及んでまだ反則が飛び出すのですから(とってくれた、と言う感じもするが)。
Shots on goal:C10,S16
運動量ががっくりと落ちた。ウィングがプレスをかけるもきちんと自陣で作りパックキャリアを走らせてしまうとニュートラルゾーンで誰にチェックに行くのかがあやふやになりあっさり自陣への侵入を許し、走りまわられ反則→失点で同点にされてから辛うじて保っていた緊張感が切れる。面白いようにDFラインの裏にパックが出ていく。いくらプレスをかけても素早いトアンジッションで守りを崩され綺麗に失点。そして自陣からの攻め上がりで迷いからミス。小さなほころびが大きな傷口へと発展。とても2ピリでは修復不可能な状態まで放っておいてしまったベンチにも問題有り。
第3ピリオド
どうやったらダメになったかわかっているはず。その逆をやれば活路はあるのだが...。正直3点差は厳しい。これは自分達だけの力ではどうにもならない。
44:30 C23 Hooking
守りを立て直そうとしている気持ちはわかるがブレークアウトでもたついており攻め上がる形が作れずやはり守りの時間が長くなり耐えきれず反則。
なんとか失点せずに凌いだが、既に脚も止まりかけ、ハンドリングミスも出始めたこの状況では反撃の糸口が見つからない。
48:03 S12 Interference
なんとか敵陣でパックを動かしゴール前へ入っていったところに西武が過剰反応。やはり5on5よりは5on4。まだこじ開けるチャンスが残っているのだが、敵陣でのD-Dパスのブレ、自陣からのパスミスも加わり点が入りそうな匂いがしない。
52:08 C11/S8 Roughing
なんとかゴール前に突っ込み局面を打開しようと西脇が奮闘するも空回り。
53:27 S9 Slashing
西武も苦しいはずでパックキャリアに対するチェックがスティックになっていることは事実(辛うじて反則をもらったようにも見えたが)。
54:28 クレインズ4点目(PP+1) G75ユール(backdoor/ゴール右横/1m)←A17飯村←11西脇
ジョーの右サイドのポイントの位置からのシュートのリバウンドを西脇が拾って左サイドコーナーの飯村につなぐと横パスが通りユールが合わせる。ハードヒットではなかったがそれが幸いしパックがうまく浮きゴールに入ってくれた。
残り5分で2点差。さぁ、ここからという場面だったが、ここから2分間の西武のプレーは厳しかった。まさに踏ん張りどころと言わんばかりにクレインズにプレーをさせずパックを支配。クレインズ陣内で試合を運び確実に時間を消化した。さすがというべき試合運び。
57:26 S19 Slashing
これもレフェリーが「取ってくれた」ような感じ。ここまで演出してくれているんだからもう少し踏ん張ってほしいのだが...。
57:58 C61 GK out
PPは敵陣でのフェイスオフからスタートだったのに最初から6人攻撃を仕掛けられないところも悲しい。実際フェイスオフを取れなかったから致し方ないものの、それにしても対応が後手後手。
58:43 西武7点目(PK-1/EN) G18(wrist/正面/2m)←A33
ようやくセットするもスコアリングチャンスを作れないままDFの位置でパックをカットされ万事休す。
58:43 C61 GK in
59:30 C23 Slashing
60:00 S40 Crosschecking
60:00 C61/S39 GK out
Shots on goal:C7,S9
折角の地元での胴上げを「決めきれなかった」クレインズに対して大きく失望。相手が一枚も二枚も上手だと分かっていても過去4戦でどうやって勝ってきたかを体感してきたはず。何がダメで何をすればよいのかという明確な意識統一は果たしてできていたのか?。何故2ピリに手綱を緩める。これではRLで西武に負け続けてきたクレインズと何ら変わりがない。それをこの大事な地元最終戦で曝してしまったことに激しい怒りを覚える。1ピリの2失点だって防げた失点。それを逆転したところはここまで勝ち上がったという片鱗を垣間見せてくれたが...。
対戦成績は3勝2敗。まだ1つ勝てば良いという状況は続いている。
何としてもチャンピオンになって釧路に帰ってこい。それが目の前で優勝を見損なったファンへの「最低限」の償いだ。
まかり間違っても「感動の名場面」の「脇役」になってはならない。
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