2008.10.18 16:00〜18:00 釧路・釧路アイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
日本製紙クレインズ 対 日光アイスバックス 1回戦
オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(Black)
42清川-61石川
28ティリー-3伊藤賢吾-14佐藤匡史-12フェアチャイルド-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-75ユール-20三谷-17飯村
7ディック-34原武-24飯塚-21酒井-11西脇
33鬼頭-37角田-10山野-27石黒-19佐藤博史
【日光アイスバックス】(White)
35白鳥-30川口
3尾野-8村井-10大日向-47篠原-21小林
6加藤-7福澤-91波多野-16土田-20ギルグリスト
2萩原-34岡本-12ラフリニエール-45瀬高-11塚田
50岩崎-22中居
レフェリー:滝澤
ラインズマン:千葉、舘岡
第1ピリオド
00:00 GK in C42/B35
開始早々、自陣からの早いリスタートで右サイドからフェアチャイルドが上がり、パーサイドに匡史が入った2on1の大チャンス。早めにパックを匡史に渡して欲しかったのだが、ギリギリまで引きつけたケリーからの横パスはB35の左足に阻まれ通らず。
大丈夫かなぁ、と思っていたら、
00:32 B47 Slashing
そのパックを生かし、再び敵陣で態勢を整え、最後は匡史が左サイドからDFの間を縫うようにスロット中央まで入りこむところで相手の反則を誘った。
いきなり先制のチャンス。ゴール左横の飯村が受けたパックを90度左に傾けゴールに向けてシュート。そのリバウンドがゴール前に転がり混戦状態。B35が座り込んだ状態でこぼれたパックをユールが正面から叩くもパックを上げられず混戦の中に飛び込んでしまう。
02:09 C12 Interference
敵陣ボード際でポジションチェンジを試みるも、相手に先読みされレシーバーに向かってチェックに入ろうとするバックスプレイヤーの動きを邪魔してしまう。先制点が入る匂いがプンプンしていた空気を断ち切ってしまう。
03:07 クレインズ1点目(PK-1) G20三谷(Slap,Onetime/ほぼ正面/6m)←A75ユール←7ディック
状況がバックスのPPに変わった直後、クレインズ陣内に放り込まれたパックをジョーがゴール裏で処理する。当然の如く大きくパックを叩くとコーナーに沿ってパックが流れていきニュートラルゾーンに出ていく。とりあえずクリアと思いきや、バックスのプレイヤーが前掛かりになっており、ユールがパックを拾った時点でダーシとの2on1が早くも完成。高い位置でダーシへパックを託しダイレクトで叩きショートハンドゴールが決まる。先制機を失ったかと思われただけに大きな先制点。
これで勢いがついたのか、この後は終始クレインズが圧倒。自陣から面白いようにパスがつながり、あっさり敵陣へ。シュートのリバウンドを相手に奪われてもタマ出しのところで早い出足を見せ、ミスを誘いパスカットorパックを奪いゴール前にパックを集めていく。接点での当たりが明らかにクレインズの方が力強く、力の差を見せつける格好になっている。バックスもなんとかクレインズ陣内までパックを運んでいくも攻め上がった時点でクレインズが数的優位に立っており、遠目からのシュートを放つのが精一杯。クレインズが早々に追加点を奪うのも時間の問題かと思われた。
10分過ぎ、自陣から5人が見事なフォーメーションでパックを繋ぐと、右サイド奥に入っていく外崎のオーバーラップが効いて、バックスの守備陣形が崩れゴール前がガラ空きに。すかさず横パスが出るとゴール前にフリーで入ってきたユールにつながる。もらった、と思ったがシュートがB35の正面に飛んでしまう。黄色いユニフォーム着ていたころはそういうのをあっさり決めてたじゃない。
クレインズの早い出足にバックスは自陣からのパスミスも多く、ニュートラルゾーンでルーズになる場面が何度かあったが、そこへことごとく先に入っていくのはクレインズ。飛び込んだ勢いのままに敵陣に入り込みゴールにパックを集めリバウンドが何度か出る場面を作るも決めきれない。
13:36 C37 Roughing
ちょっと試合が膠着してしまう嫌な流れ。自陣ブルーライン際でなんとかパックをクレインズ陣内奥に戻そうとするバックスの粘りの前に氷上に居た4つ目も多少押され気味になたっが最終的にパックを保持し前進しようとするところで笛。ブルーライン際の競り合いでつまらない反則。そこまでする必要はあったのか?。
怖いのは相手に献上した数少ないピンチを確実に決められてしまうこと。事実、自陣でのフェイスオフから実に1分近く攻め込まれパックをクリアできない。次第に脚が止まりマークが甘くなって行くと左サイドからフリーでミドルシュートを打たれる。しかし、そのシュートが枠を捉えずエンドボードに当たって跳ね返りバックスプレイヤーが居ないスペースにパックが流れていき結果的に難を逃れる。更にPK終了間際、バックスが攻め疲れクレインズ陣内でルーズになったパックをユールが拾うとバックスDFを置いてきぼりにしニュートラルゾーンに入った時点で早くもノーマーク。何でもできる状態だったが、正面から肩口を狙ったシュートはB35の肩に当たってしまい決まらない。黄色いユニフォーム着ていたころはそういうのをあっさり決めてたじゃない。
16分過ぎには、相手守備陣をズタズタにしB35を寝ころばす。パックはゴール右後方に流れていく。そこに匡史が待っていた。マイナスの位置えありながらも倒れこんだB35の背中を狙ってパックを流す。うまく当たったように見えたが、跳ね返ったパックはゴール左に流れていく。
更に17分過ぎには、ダーシからの横パスをゴール右手前で受けたユールが一瞬フリーもゴーリーとの距離が近く決めきれない。そのまま打つと見せかけてフェイクを入れてゴール正面に回りこむぐらいの技は持っているのかと思ったのだが、ユールは今日厄日なのか...?。
18:18 B2 Boarding
19:02 クレインズ2点目(PP+1) G18伊藤雅俊(wrist,topshot/ほぼ左横/3m)←A3伊藤賢吾←14佐藤匡史
いくらなんでもここで決めないと試合がもつれると思われた19分。バックス守備陣のギャップを突き匡史が左サイドの高い位置から右サイドにできたスペースに入り込み、シュートコースに入っている相手プレイヤーとのギャップを作ろうともう一歩右サイドに入ったところでゴール前へ鋭いセンタリング。代わりに入っていた賢吾に渡ったが位置がやや低く、ゴールに背を向ける形で辛うじてパックをタッチしリフレクションを狙うもヒットが甘くゴール左横に流れていくと、そこに入っていた雅俊のブレードへ。そのまま体を90度左に向けるや否やB35の背中越しにパックがゴールネット上に突き刺さっていた鮮やかなシュートで貴重な追加点。
Shots on goal:C16,B11
随所でクレインズが圧倒。バックスはシュートまでは持っていくも殆どが単発。力の差を見せつける格好で優位に立つも奪ったゴールは2点。スコアリングチャンスはもっとあっただけに、セットは組み替えたものの決定力に不安を感じさせる1ピリ。
第2ピリオド
21:54 B34 Holding
1ピリ同様、敵陣でパックを運びゴール前まで切り込んでいく飯塚が反則を誘う。
うってつけの追加点の場面だったが、まぁパスの繋がらないこと夥しい。しかも、右サイドに居たケリーがゴールににじり寄ると見せかけ相手の守備を小さくし、賢吾にパックを戻してシュート&リバウンドという場面が出来上がると思わせときながら、賢吾はポジションチェンジと思って右サイドに入ってしまい、哀れパックはニュートラルゾーンへ流れていく。ジョーのロングシュートにゴール前で飯村がブレードを出すも思ったほど角度が変わらず。大澤の右サイドからのロングシュートのリバウンドが出て左サイドからユールが叩くもゴールポスト左に当たり決まらない。
このPPが明けたあたりから、クレインズの攻めに迫力が欠けていく。
自陣にパックを戻してから前線に出すまでのノンプレッシャーのエリアの動きの悪さが気に入らない。そろっとパックを流し、(さほどついていない)勢いに乗ってそろっとそのパックを拾い前進するもニュートラルゾーンでバックスのフォアチェックに掛ってしまう。ブルーライン際まで運んでもダンプインに飛び込んでいくであろう二の矢に対してバックスのバックチェックがついており敵陣で攻めの形が作れない。
27分には、逆に左サイドのタテ突進を許してしまいそのままゴール裏まで運ばれ右サイド横に出てきた所でセンタリング。すると、ゴール前に入っていたバックスプレイヤーに対しノーマーク。ワンタイムで清川の足元を襲ったシュートにヒヤリとするも、清川が辛うじてブロック。今日、初めて見せた「甘い守り」である。それ以前に全体的に運動量が落ちているのもその一助になったに違いない。
28分過ぎ、さすがにこれではイカンと気がついたか、久々に敵陣でパックをつなぎ相手の守りを小さくすると、右サイドの大澤が強烈なロングシュートを放つ。これがB35のフェイスマスクを直撃。「パコッ」という乾いた打撃音もろとも崩れるように倒れるB35を尻目にこぼれたパックをケリーが押し込むも、顔に当たった時点でレフェリーの笛に遮られノーゴール。ややツキにも見放されたか。
28:41 C20 Hooking
バックスが自陣から早い攻め上がりを見せるも2on2。人数は揃っていたのだが、ニュートラルゾーンで相手の勢いを殺そうと出したスティックが後追い。そこまでする必要はあったか?。
非常に嫌な感じがしたPKだったが、どうもそこいらへんの空気をクレインズ、バックス双方が感じ取っていたようで、勢いに乗れると踏んだバックスの攻めはニュートラルゾーンでパスミスを連発し形にならず。クレインズもダンプされたパックを素早くしかも大きくクリア。
守り切ったかと思われたPK終了間際。ややゴール周辺の守りが甘くなりゴール左横までパックキャリアににじり寄られる。清川がポスト際を閉めに入るもフェイントにつられ一瞬前に出てしまい態勢を崩す。すかさず足元にねじ込まれたパックはなんとかゴール前に流れていくもそこはスロット。そして、がら空きになったゴール。目を覆いたくなる場面だったが、バックスプレイヤーが誰も叩けずD-Dの間を流れていく。
この悪い流れに輪をかけたのが12分過ぎ。氷上に出ていた4つ目が自陣→敵陣に入り掻きまわそうとするも早めに処理され→自陣。ここで脚を使い果たしバックスにパック回され後手後手に回る。いつ、どこでマークを外されてもおかしくない状態だったが、バックスにもハンドリングミスが出てシュートを打つ前にパックが清川の手前に流れていき清川がフリーズして辛うじてプレーを切る。
13分過ぎには、右サイドの高い位置から放たれたシュート。これは枠を外したがエンドボードに当たって跳ね返り左サイドのスロットにポロっと飛び出す。これは先にクレインズが処理すべき位置だったが、バックスの出足が勝り更に打たれる。が、これも枠を外す。どっちかが枠に行っていればストレートで点にならなかったにしてもリバウンドが出て押し込まれてもおかしくない状態を相手の甘い攻めに助けられる。
14分過ぎには、自陣でパックを処理していた原武がフォアチェックに来たバックスプレイヤーにパックを奪われる始末。1ピリに自分達がやっていたことを今、相手にやられている。
一気に形勢を立て直そうと、やや苦し紛れとも思える自陣からのクロスのロングパスは綺麗にブルーラインでカットされ逆襲を食らうなど、クレインズに点が入りそうな場面は完全に影を潜める。
shots on goal:C8,B10
中盤から終盤は1ピリと真逆。パックは取られるはパスは繋がらないはカットされるは。完全にバックスを圧倒する動きはどこへやら。終盤はバックスに好きにやられてしまう。といってもバックスがそんなに良い訳でもない。
なんかねぇ、楽して勝とうとしているように見えて仕方ないんだよねぇ。1ピリで「行ける」って踏んだんだろうけど、明らかに余裕をぶっこいた「甘さ」を曝け出した2ピリ。いままで苦戦してきたのも、これなら仕方ないと思わざるを得ない。何故、自分達で試合をコントロールしないんだろう。何故、攻撃の手を緩めるのだろう。何故、パックへの出足が極端に鈍るのだろう。そんな中、光ったのは清川。何度か危ない場面があったものの、集中力を切らさず無失点で切り抜けた。
このインターバルでもう一度ネジを巻き直してくれるか?。
第3ピリオド
韓国遠征からセットが変わり、3つ目に落ちた西脇。この日も随所でパックに対する鋭い動きを見せたり、トランジッションを察知し相手DFの間にポジションを取りタテ一本で抜け出す位置に入ったり、敵陣ゴール裏に転がったダンプインしたパックに追い付いたかと思った矢先、ワンタッチでセンタリングを出したり、光るプレーは見せているのだが...。
43:01 C11 Slashing
敵陣でパックを素早く動かし相手の裏を取ろうとするあまりにハンドリングミス。こぼれたパックを奪われた直後にスティックを出してしまう。う〜ん...。
このPKはきつかった。実に1分半に及ぶバックスの攻めにクレインズは完全に脚が止まる。ついにスロットへの侵入を許す。やられた、と思った矢先のバックスのシュートが枠を捉えずパックが流れていき辛うじてチェンジにこぎつけた。相手の詰めの甘さにも助けられている。
45分過ぎ、久々に右サイドを攻め上がるダーシがチャンスメイク。右45度からシュート。そのリバウンドを飯村が正面で拾うと、態勢を崩しているB35を見ながら左サイドへ回り込む。あとはバックハンドでパックを上げれば、というところだったが、B35が伸ばした右足に阻まれる。しかし、そのこぼれたパックをユールが拾うと、左サイドのスロットに戻った飯村に渡る。そのまま打ちた方がコースが無い。さすれば、右サイドでフリーだったダーシに託す格好でパックを流す。
45:47 クレインズ3点目(EQ) G20三谷(Slap/右45度/7m)←A17飯村←75ユール
ダーシが一発目のシュートと同じような格好で振りかぶる。最後は力でゴールをこじ開けた、という感じ。
46:56 C34 Deleying the Game
ところが、今日は選手全員が高い集中力を持って試合に臨んでいたとは思えない雑なプレーが出てしまったことも確か。攻め込まれてはいたが、自陣でパックを取りあとは一旦クリアするだけで良かったのにも関わらず、さしてプレッシャーを受けている訳ではないにも関わらず浮かせたパックはなんと場外。
1点取られたらまた試合は縺れかねない嫌な反則、なのだが...。今度はバックスの攻めが形にならず、クレインズ陣内に入れないまま終わってしまう。バックスに焦りが出たのか、或いは勝負どころの決定力に差が出たのか。
クレインズももう一点取って楽になれば良いと思うのだが、55分過ぎ、左サイドコーナーの飯村が相手のチェックを受けながらもゴール前に戻したセンタリングにセットチェンジで入ってきた酒井がワンタイムで叩く。完全にゴーリーの顔が横を向いていたにも関わらず枠を外す。
その後は、双方ともに決定的な場面を作ることができず、淡々と試合が進んでいく。
残り2分となり、バックスは6人攻撃を仕掛けるかと思われたが、それも行われず。かと言って、点が入りそうな雰囲気は無く。クレインズも無理して攻めない。
60:00 GK out C42/B35
Shots on goal:C7,B4
終わってみれば「清川のトップリーグ初完封」という結果が残ったという感じ。
2ピリ以降、相手のスピードに合わせた試合運びには正直ガッカリ。大量点を取ってくれ、という意味ではなく、圧倒できる力があるのにそれを最後まで出し切らない姿に大いに失望。
遠征疲れが残っているのか?。
いずれにせよ、明日以降の巻き返しに期待する。それができてもおかしくないチームだと思うから。
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