2008.11.22 16:00〜18:08 釧路・釧路アイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
日本製紙クレインズ 対 アニャンハルラ 2回戦


オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(Black)
42清川-61石川
28ティリー-3伊藤賢吾-11西脇-12フェアチャイルド-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-75ユール-20三谷-17飯村
7ディック-34原武-19佐藤博史-21酒井-14佐藤匡史
33鬼頭-10山野-27石黒-16今村-47久保

【アニャンハルラ】(White)
30ソン・ホソン-32キム・ソンギ
5キム・ウジェ-2ジョン・オゥ-96ソン・ドンファン-43パトリック・マルティネツ-89キム・ハンソン
27ブラッド・ファスト-79ユン・キョンウォン-25ブロック・ラドゥンスキ-36パク・ウサン-1キム・ギソン
44イ・クォンジュン-24パク・ソンミン-72キム・グンホ-6キム・ホンイル-11イ・ユウォン
4チャン・ジョンムン-15コ・ビョンヒ-16イ・クォンジェ-81キム・ホンイク-8キム・ウォンジュン

レフェリー:Tomas Sterns
ラインズマン:千葉、三本


第1ピリオド
00:00 C42 GK in
00:00 H30 GK in

00:50 ハルラ1点目(EQ) G25(wrist/正面/10m)←A36←27
2つ目がシフト。自陣から攻め上がろうとするもハルラのプレスの前にパスコースなく。一旦、右サイドのボード際を使ってニュートラルゾーンに出しつつウィングが前に出て行こうとするもやはりカットされ押し戻される。懸命にパックキャリアを潰しに行くもマークが遅れ気味。しかもゴール前に一人入られている。ハルラも決して綺麗な形ではなかったがパックをなんとか生かそうとブルーライン中央から奥へ流そうとした回り込みながら放ったパスともシュートともいえないフラフラっとしたスピードでパックがゴール前に滑っていく。が、ゴール前のスクリーンが効いていたのか、清川、反応できずパックはゴール右スミに転がりこんでしまった。

01:24 H16 Interference
課題になっているPP。まずは、2つ目がシフトするもカウンターを食らいそうになったりどうも不安定。1つ目にチェンジしようやく敵陣でセットすると、今日はいつもよりもパック離れが寄くパスがスッスッと繋がっていく。

02:18 クレインズ1点目(PP+1) G18伊藤雅俊(wrist,ontime/左30度/5m)←A28ティリー←3伊藤賢吾
賢吾が左サイドポイントの位置から狙うと見せて一旦引きつけD-Dパス。右サイドで待っていたテイリーの前はガラ空き。ワンタイムで打ってくると思いきや左サイドヘクロスパス。これが左スロットの雅俊に綺麗に通り勝負あり。きっちりH30を左右に振ってオープンネット。難なく叩き込みすぐさま同点。
奇しくも双方ともファーストショットがゴールになった。

03:35 C18 Holding stick
更に畳みかけるクレインズ。右サイドのティリーの鋭いシュートでH30がリバウンドを処理しようと右サイドに倒れこむもパックはクリーズ周辺に残っている。懸命に西脇が飛び込んむも相手DFに惜しくも弾かれる。そのパックを雅俊がゴール裏で競り合って奪ったかにみえたが反則。

PP決定率No.1を誇るハルラの超強力スペシャルセット。シュート力のあるH2、ゴール周辺で横パスを狙うH25、スロットの外側でボックスをコントロールするH43。かなり厳しい攻めだったがリバウンドをいち早くクリアし守り切る。

06:15 C34 Roughing
が、PK明けながらパックは未だ自陣に。ボード際での競り合いで体を寄せていくも手が...。避けたかった連続PK。先刻のPP同様、クレインズスペース陣内で強いパスを駆使しつつプレイヤーが十分に動けるスペースにパックを出し遠目でもシュート。リバウンドを拾って再びパス回しから遠目から強烈なシュートを足元へ。リバウンドが出るも先にクレインズが処理。危うい場面もあったがここも乗り切った。

ハルラは敵陣に入ると積極的にシュートを放ちリバウンドを叩く或いは拾って二次攻撃を試みるなど、パックをゴールに向けて勝負していた。クレインズもなんとかマークを外さないようケアしており、打たれてはいるが決定的な場面を与えていない。ただ攻め手を欠いている印象があり、なかなかいい形でニュートラルゾーンを越えられない。その分、パックはハルラが支配する時間が多くなるも、クレインズもハルラ陣内の高い位置へのフォアチェックで簡単にいい形を作らせまいと積極的にプレス。当分、我慢の展開かと思われた13分過ぎ、

13:49 H5 Hooking
ハルラが自陣ゴール右奥からタマ出しを図るも詰めていたユールがカット。一瞬フリーになりゴールへ向かうもパックを左手前に弾いてしまう。更にそれを追って行こうとした瞬間、H5に肩を入れられ態勢を崩し反則を取ってきた。

14:44 クレインズ2点目(PP+1) G12フェアチャイルド(re-bound,touch/ゴール右脇/1m)←A28ティリー←3伊藤賢吾
コーナーの雅俊からゴール前に入っているケリーへのパス→ワンタイムシュートが決まったかに見えたが正面。一旦、クリアされるも自陣から賢吾が持ち込みブルーラインを越えセット。スロット周辺からゴールを狙いつつハルラの守りを引きつけたところでブルーライン中央に戻しティリーがシュート。ところが、これが高く浮いてしまいH30がジャンプしながら抱え込むようにパックを止めようとするも、ポロッとこぼれゴール右横に落ちた。そこを詰めていたケリーが難なく押し込み逆転に成功。

16:53 H2 Crosschecking
メンバーチェンジを図ろうと外崎が自陣から右サイドを自ら突進し敵陣右サイド奥でH2につかまるもフォローを待とうと懸命に粘る。それを背後からチェック。なかなかパックを手放さない外崎に業を煮やしたのかスティックで潰しにいった。外崎の粘り勝ちでまたも反則を拾うと、

17:09 クレインズ3点目(PP+1) G11西脇(wrist/右15度/3m)←12フェアチャイルド←18伊藤雅俊
鮮やかにパスがつながる。1点目のようなクロスパスがスロット左サイドのケリーに通るとすかさずゴール前に出す。そこに走り込んできた西脇が正面でレシーブも、そのまま打つかと思いきや、パスの勢いをそのまま行かしパックを右サイドに流すような格好でH30の態勢を崩すとまたしてもオープンネット。大きくゴールを通り越した西脇だったが、オープンネットのゴールに向けて倒れこみながらパックを引くように叩きこむファインゴール。ここ数試合のダメっぷりがウソのような3連続PPを決め主導権を握った。

18:28 C23 Interference
が、ハルラの自陣からの早い攻めにややマークが遅れる場面が見られ、ここも2on1になるのを防ごうとノンパックキャリアに背後から引っ掛けてしまう。が、流れを掴んだクレインズはハルラの手数の多い攻めを遠目からのシュートになんとか抑え守り切る。

Shots on goal:C10,H13
課題のPP、鮮やかにしかも短時間に仕上げる。序盤のコロコロシュートが入った時はバタバタ行くかと思ったが、PPであっさり追いつけたのが悪い流れを引きずらず、その後の連続PKを踏ん張り一気に流れを掴んだ。ハルラの攻めはスペースができたらとにかくシュートを打ってくる気の抜けない攻めが多く、立ち上がりこそ自陣でルーズパックをなかなか奪えず劣勢になる場面もあったが、「百発百中」のPPで完全に落ち着きを取り戻した。
が、まだ油断はできない。なんせ、クレインズはリーグ再開後、60分勝ちができていないだけにこの流れを手放さないよう最後まで集中してほしい。


第2ピリオド
32秒あったPK。ハルラはスペシャルセットを立て、時間が短いながらも2本の強烈なシュートを浴びせるなどしたたかな攻めを見せる。さすがに勝ち星を重ねてきているチームdけのことはある。と、感心している場合ではなかった。

21:08 ハルラ2点目(EQ) G1(slap/正面/8m)←A36
飯村→ユール間のパスで敵陣に入ろうとしたのだが、パスがうまくつながらずハルラにパックを奪われ右サイドを抜けて逆に攻め込まれる。右サイドからH1が大澤と競っていたが更に内を突こうともう一歩スロット正面へ強引に攻め入ったところで大澤のマークが外れた。その刹那、軽く振りかぶりシュート。これが清川の左肩口を捉えてしまう。

23:30 ハルラ3点目(EQ) G96(wrist/正面/10m)←A43←89
またしても逆襲から左サイドを走るH43。潰しに行くもブルーラインを越えたところでパックを手放すとガラガラのスペースに入ってきたH96がやや遠目ながらも正面から叩く。右脚元を狙われるもブロックしたかに見えたがパックはなんとゴールへ。直前、ゴール前を横切った白いユニフォームに幻惑されたか。折角、修正したPPの貯金をあっさり吐き出した。

24:36 クレインズ4点目(EQ) G21佐藤博史(touch、onetime/右30度/1m)←A21酒井
しかし、クレインズも簡単には引き下がらない。右サイドコーナーで匡史がパックを拾うと低い態勢のターンでハルラプレイヤーを翻弄。博史が繋ぎ、酒井が拾ってゴール裏へ移動。それと平行移動する感じで博史もゴール横へ移動。すかさず酒井からの戻しパスをゴール右手前で合わせ再び勝ち越し。

26:07 H5 Interference
そして、相手の反則を誘う絶好の流れ。

26:44 C11 Slashing
西脇が左サイドのコーナーからDFへの戻しパスを見せつつ自分でゴールへ切り込み押し込もうとするも阻まれる。が、なおもゴール前に浮いたパックをスティックで叩き落とし今度は右サイドから叩くも、その叩き落としたパックがGKのグラブだったようで反則。

4on4から4on5に至る中で、パックに守りが固まる形が何度か見られ、ハルラに遠目ながらも正面からフリーで強烈なシュートを浴び、リバウンドをもう一度叩かれ弾いたパックがゴールに向かって浮いて行ったりかなり危ない場面を献上するもなんとか凌ぐ。

このあたりからクレインズが攻めあぐねる。パックを自陣から運んでも敵陣での攻めがやや淡泊になっていく。逆にハルラは自陣からの攻めを確実にクレインズ陣内に持ち込みシュートで終わっていく。

32:14 H25 Tripping
ところが、クレインズ陣内にハルラが攻め込んでいる中でルーズパックの争奪でちょっとした反則を犯し、一転してクレインズにPPが転がり込む。

32:52 クレインズ5点目(PP+1) G11西脇(wrist/右30度/4m)
最初のアタックに失敗し、ハルラがルーズパックをゴール左後方から大きくクリアしようとするも、それを西脇が左フェイスオフサークル付近でカット。そのままゴール前ににじり寄り即シュートを打つかに見せかけ、溜めて引きつけて右サイドに回り込むと、H30がついてこれず前のめりで転倒。オープンネットに放り込んだ。

なんだかんだ言いながら再び2点のリードを作れるんだから、調子が悪いなりにも地力はあるという証か。だが、試合はまだ終わっていない。ここから集中して2ピリをリードでしたままで終われれば、グッと勝利が見えてくるのだが...。

34:25 C2 Interference
ニュートラルゾーンでユールがパックキープミス。そこから攻め込まれていく中でまたしてもノンパックキャリアへの反則。

35:29 ハルラ4点目(PP+1) G1(wrist/正面/1m)←A43
左コーナーでパックを持っていたH1。DFへの戻しパスを意識させつつ自分でゴール前まで切り込んでいくと、それを許してしまったクレインズ守備陣。結局、ゴール正面まで入られマタ下をねじ込まれる。いかにPKとは言え、パックキャリアを簡単にゴール前に入れてしまうようでは...。

38:06 ハルラ5点目(EQ) G43(wrist/右30度/2m)
ここまで、やや攻め込まれていたのは事実。なんとか攻撃を凌ぎパックを前に出そうと一瞬目を離した隙に、なんと背後からH43がスティックを伸ばし賢吾を巻き込むようにパックを叩く。清川も嘘を突かれあっさりゴールを許す。そんな危険な場所でパックを処理しようとする賢吾の軽率さ、しかも、それに対してまさか打たれまい、とゴール前でありながらもノーケアだった清川。これが優勝を奪還しようとするチームなのかと正直我が目を疑った。

Shots on goal:C8,H14
中盤から終盤にかけてクレインズの脚が止まり、併せて集中力も切れる。その象徴が屈辱的な5失点目。PPが良くなったと思えば、カウンターを許し簡単にゴール前を開け正面から叩かれる。また、2つ目に精彩が無いのも気掛かり。攻めでも守りでも、何故か1人足りないような印象を受け、もたつく場面チラホラ。この試合の浮沈の鍵を握るセットかも知れない。


第3ピリオド
ハルラの1つ目に対し2つ目を出し、2つ目に対し1つ目を出し、ラインの当て方を変えることで局面の打開を図ろうとするも、

43:08 ハルラ6点目(EQ) G6(Slap,onetime/左30度/5m)←A11
またしても緩慢なプレー。それも自陣ゴール裏。フラフラと流れてきたパックに先に追いついたのは賢吾。しかし、背後からチェイスしてきたH11に突っつかれゴール裏でパックを奪われると、左サイドに入ってきたH6へパス。左フェイスオフサークルのやや左で角度的にも厳しいアングルだったが、構わずワンタイムで叩いたパックはゴール右スミにあっさり吸い込まれる。2ピリの終盤にも同じ様に失点しているのに、それが薬になっていない。一時でも「勝利がグッと近づく」なんて思った自分自身に腹が立つ。

一気に元気が無くなったクレインズ。自陣から前に出られず、至る所でハルラに攻めを寸断され良い形どころか敵陣にパックをダンプするのもやっとという有様。完全にダメージを追った姿を曝した。

50:57 C11 Interference
直前に、ようやく1つ目がティリーのシュートのリバウンドを巡ってゴール前の混戦に持ち込み、一瞬、オープンネットになたゴールに向かって飛び込んでいった西脇がパックを叩いたかに見えたが止められる。立ち上がって態勢を立て直そうとしたところで相手GKのステイックが引っ掛かってしまい強引に振りほどいたところを反則にとられてしまう。

引導を渡したいハルラも、クレインズが一旦クリアしたところでメンバーチェンジが入ることを狙ってタテ一本。ブルーライン際で受けたH25がフリーになる。なんとか反則ギリギリでDFが抑えに行くも、こういう場面は今日だけで3度目。

PK中の42分過ぎに絶好のチャンス。自陣から大きくクリアしたパックがニュートラルゾーンに流れるも、ハルラが前掛かり。浮いていた酒井が拾って敵陣ブルーラインあたりで完全にノーマーク。起死回生の一発が...決まらない。

53:20 H5 Hooking
3つ目が敵陣ゴール周辺で体を張り反則を取ってくる。
PP1つ目。そこそこ良い形にはなるもスロットへのアタックに1ピリ程の精度が無く結果的にクリアされる。ここまで精彩を欠いていた2つ目もジョーのロングシュートをきっかけにユールがリバウンドを叩くも弾かれ、それを更に拾った飯村が正面から混戦に向かってシュートを放つもやはり混戦に阻まれプレイヤーブロック。

56分から決死の2つ回し。

59:30 C42 GK out
更に、1つ目を中心とした六人攻撃に出るも逃げ切られる。

60:00 H30 GK out

Shots on goal:C12,H7
2ピリに一旦3-3の同点に追いつかれたのは気に入らないが、勝ち越し、更に突き放す強い姿を一瞬垣間見せたクレインズ。「いくら調子が悪いとは言え、この辺りは地力が違うか」と思ったが、そこからフォアチェックが影を潜め、脚が動かなくなると攻めが単調になりカウンターを食らう。ただ、そのカウンターもシュートを打つまでまでに攻撃を寸断され逆襲をくらっている分だけDFも低い位置に居るはずなのだが、これが機能しない。挙句の果てにはゴール周辺でミス→失点。それも2度までも。そこに「打ってこないだろう」という油断も重なって最悪の結果を助長している。戦術以前の問題。大いに反省すべし。

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