2008.12.06 14:00〜16:20 西東京・ダイドードリンコアイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
西武プリンスラビッツ 対 日本製紙クレインズ 4回戦
オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(White)
61石川-42清川
28ティリー-3伊藤賢吾-11西脇-12フェアチャイルド-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-75ユール-20三谷-17飯村
7ディック-34原武-19佐藤博史-21酒井-14佐藤匡史
33鬼頭-10山野-27石黒-47久保-16今村
【西武プリンスラビッツ】(Blue)
39菊地-31松本
5宮内-43河村-12内山-33パーピックー18鈴木
74河合-19ローチフォルト-9佐藤-14田中-30石岡
22大久保-2三浦-16小原-8今-10神野
3山口-11川口-24増子-40藤田-13樫野
レフェリー:山内
ラインズマン:赤坂、向坂
第1ピリオド
00:00 C61 GK in/S39 GK in
01:30 クレインズ1点目(EQ) G17飯村(wrist/右60度/8m)←A20三谷←75ユール
静かな立ち上がりと思いきや、ニュートラルゾーンで西武が支配しているパックを左サイドでユールがチェイスしカット。既に前掛かりになっていた西武FW陣をよそに、すぐさま左サイドののユール→中央のダーシが相手DFを引きつけ右手前にドロップ→飯村が拾いフリー→右サイドのミドルレンジからゴール左横を綺麗に捉え、流れるような攻めで先制する、も。
04:00 西武1点目(EQ) G12(backhand/正面/2m)←A33←3
4つ目がシフトも敵陣にパックを入れメンバーチェンジを図るもこれが裏目。ボードまで放り込めずゴール前のハッシュマークあたりでカットされると、そのパックを拾ったS33が左サイドに素早いタマ出し。これをニュートラルゾーン左サイドのボード際で拾ったS12がそのままサイドを突進するとDFの右サイドをあっさり抜かれ最後はノーマークを献上。ゴール前でフェイクを入れる余裕まで与えてしまいあっさり失点。
双方共にファーストシュートが点になってまった。が、
04:44 西武2点目(EQ) G18(touch/左30度/2m)←A12←33
そのまま1つ目がシフトしていたが、フェイスオフ後のパックを自陣に押し込まれるといいようにパックを動かされ背走。ゴール正面のやや高い位置でケリーが一旦パックに絡んだものの、クリアするのか動けるプレイヤーがサイドを上がってパックを渡すかのほんの一瞬の逡巡がS33にチェイスを許しパックが自陣か出ないままゴール前にそのまま流される。これがゴール前に入っていたプレイヤーに当たって左サイドに跳ね返ると、前に出てコースを消しに行っていた石川の裏を取られる格好でオープンネット状態。しかも、そこにS18とS12の二人が待っていたもんだから始末に負えない。たった5分で守備崩壊。
08:27 S43 Holding stick
クレインズ陣内ゴール裏で態勢を崩したケリーが前に上がって行こうとしたところを抑えられる。位置的にケリーは3番手になっていたが、そこで出足を止めるほどのプレーが必要だったのか?。無駄としか思えない西武のプレーも理解し難いものがある。
09:06 クレインズ2点目(PP+1) G75ユール(wrist/右75度/4m)←A7ディック←23大澤
敵陣でのボックス。左サイド遠目から放った大澤のシュート(のつもりだったのか脇に居るプレイヤーが合わせるつもりだったのか、いずれにしてもそのどっちも成し得難いコース)が枠を大きく外れ右コーナー奥へ流れる。この競り合いでジョーが絡んでいたが素早くパックを内に返すと右サイドのボード際から入ってきたユールが拾い相手の守備体系をかいくぐるように右サイドからスロットに切り込みシュートフェイクを入れつつやや内にドライブしたままゴール左上隅(S39の右肩口)をあっさり捉えた。
1ピリを10分も経過しないうちに4点が入る乱打戦。こうなると先の展開が読めないが、双方が守りを固め点の取り合いを避け試合に落ち着きを持たせようという意識が働くのかと思いきや。
09:55 C27 Hooking
自陣でのフェイスオフをことごとく西武に取られては、DFが遠目からシュート、あるいは自分で中に切り込みシュートまで持って行き、且つリバウンドも拾われてしまっては...。
西武のPPは1つ目がS33の巧みなフェイスオフからパックをコントロールしシュートを浴びせリバウンドを狙う。2つ目は左サイドのゴール周辺からS14あたりが体を巻き込むようにシュートを浴びせ、いい場面を作られるもここは石川が懸命に踏ん張り無失点に切り抜けると、12分過ぎにはまたしても西武のミスを見逃さず。
12:49 クレインズ3点目(EQ) G18伊藤雅俊(backdoor,onetime/左30度/7m)←A12フェアチャイルド←28ティリー
きっかけはクレインズの1点目を再現した感じ。ニュートラルゾーンでティリーがパックをぶつけ西武のパスをカットした格好になるとそれを拾ったケリー対峙するDFを正面に見ながらやや右サイドへ切り込む格好で入っていく。相手DFがケリーにシュート態勢に入らせないよう体を寄せフォアハンドで振りぬくスペースを消すと、ケリーは態勢を入れ替える流れのままでバックハンドで横パス。そこに入ってきた雅俊が受けた時点でフリー。既にS39もケリーの動きを先読みしシュートコースを想定したポジショニングだったため横パスへの反応が遅れ左サイドは完全にオープンネット。ものの見事にワンタイムで叩きゴールネットを揺らし再びリードを奪う。
13:26 S10 Hooking/C14 Diving
ニュートラルゾーンで一瞬早く相手を置いてきぼりにしたが自らもあっさり転倒してしまいダイブを取られる。
4on4では互いにリスクを犯してまで3人で敵陣に入ることはせず。
17分過ぎ、またもや西武のニュートラルゾーンでのパスコースに入ってパックを弾くとすかさずユールが拾って右サイドへ開く。左サイドから飯村が入って2on1となるもパスせずユールがそのままシュート。リバウンドがゴール前に出るもこれを叩ききれない。
18:46 S11 Slashing
1点リードした流れならここでもうひと押しするとかなり試合を優位に運べるのだが、有効打の無いまま時間切れ。
Shots on goal:C13,S13
お互いにミス続出。クレインズはサイドに西武のウィングを簡単に入らせ劣勢に。西武は自陣からの攻め上がりの際、ニュートラルゾーンでパスミス。これをクレインズが突いて1,3点目を挙げるもまさかの叩き合い。双方ともこのあたりを修正できれば試合はもっと締まるはず。
第2ピリオド
46秒あったPPだったが、これをあっさり潰してしまうと、
21:38 C19 Hooking
2on2で博史と酒井が攻め上がるも敵陣に入ったところで相手にパックをカットされると本人はバックチェックのつもりだったのだろうが反則。そのちょっとしたプレーが、
21:56 西武3点目(PP+1) G16(slap,onetime/ほぼ正面/12m)←A18←40
命取りとなる。
左サイドの展開から最後は遠目の横パスをゴール正面から豪快に叩いたパックがゴール前でのブラインドも相まってゴール左に吸い込まれあっさり同点。更に、
23:32 C23 Holding
自陣コーナーでの競り合い。ちょこまかと動く相手に対してイライラするのは痛いほどわかる。が、ここは我慢してほしかった。結局、強引に動きを止めることしかできず再び反則を献上すると、
24:15 西武4点目(PP+1) G74(wrist/ほぼ正面/10m)←A14
右サイドの展開から今度はS74がゴール正面でパスを受ける。そのまま叩くと見せかけてゴール前に入っているプレイヤーの状態を見図りつつ、正面からやや左に入ったところでハーフスピードのシュート。これがゴールに右スミを捉えてしまい、あっさり逆転。
鬼門である2ピリのしかも開始4分であっさり逆転。少しは過去の失敗を反省してはいかがか?。
5分過ぎ、ユールが左サイドを抜け相手DFの裏に入りPPで挙げた今日2点目の場面を再現するかのようなシュートを放つもこれがゴール右ポストを捕えてしまいゴールならず。
6分過ぎ、DFの裏に流したパスを西脇が判断良く抜けだしブルーラインの先でレシーブ。ノーマークになると思われた直後に笛。わずかに西脇のスケートがブルーライン乗っていたかは微妙だがほぼブルーラインの延長線上で見ていた私の目には脚は残っていたように見えたけど(贔屓目ではなく)。あれをオフサイドにされてはアイスホッケーはつまらん。
27:36 S16 Highsticking
クレインズは4つ目がシフトも自陣で玉出しに苦労しゴール裏での競り合いに持ち込まれた中での相手の不用意な反則に助けられると、
28:46 S3 Crosschecking
PPの形を作ろうと西武陣内のベンチ側ボード際でパックを処理しようとしていたプレイヤーに対して後ろから教科書通りの反則を犯す。こんなわかりやすい反則を簡単にするようなチームでは無かったはずだが...。それはそうと50秒間の5on3。ここで12-20-75-7-28で点を奪いに来るのだが、外からシュートを打たず、ゴール左右に位置している三谷かユールへ渡し、横から回り込むようにゴールを狙う場面を再三見せるも全てS39に見切られている。遠目からリバウンドが出るような鋭く低くしかも正確で素早い(球速が速いという意味では無い)シュートを打てるDFが今クレインズに居ないのが辛い。残りの5on4も11-17-18-3-23で臨むも有効な攻めが出来ず同点のチャンスをあっさり失う。
30:54 S9 Kneeing
が、反則が明けてイーブンになった直後、クレインズ陣内でパックを処理しようとしていた賢吾に向かって膝が出る。ボードへの激しい打撃音の後、倒れこんだが起き上がり事なきを得た。
31:40 クレインズ4点目(PP+1) G75ユール(reflection/ほぼ正面/5m)←A7ディック←20三谷
やや攻めがあぐねていたが、最後は左サイドのダーシから中央のジョーに渡りシュート。ゴール正面のスロットに入っていたユールがスティックを出し微妙に角度を変える。これでまたしても同点。
33:50 西武5点目(EQ) G18(rebound/左15度/3m)←A33←43
どうもプレーに締りの無いクレインズの中途半端な敵陣への放り込みとチェンジの遅れが重なり自らの手でピンチを招く。左サイドに流したパックはニュートラルゾーンでカットされS43が拾うもクレインズは1つ目から2つ目へのチェンジが不完全。結局、戻れないままS43からS33に渡り左サイドを突破。残っていたティリーが懸命に動きを止めようと競り合うも止められず左サイドのほとんど角度のないところからシュートを浴びる。これを石川が弾くも横向きのままでほぼ正面に出してしまい、殆ど角度が無かったもののS18にあっさり叩かれるまたしても失点。ゴール前、誰も居ないんだもん。
しかし、そんなつまらないミスをするチームとは思えない見事なゴールが生まれる。
36:54 クレインズ5点目(EQ) G11西脇(wrist/ほぼ正面/3m)←A12フェアチャイルド←18伊藤雅俊
雅俊と西脇が2on2で敵陣に攻め込むも相手DFが揃っておりシュートまで至らず、雅俊がゴール裏に持ち込み西脇につないで右サイドから作っていくと思われたが左にターンしフォローしてきたケリーにつなぐと左サイドのベンチ前あたりからワンタッチでゴール右横へパス。そこに西脇がエンドボードに背を向ける格好で待っていたものの、ハンドが逆。そのままバックハンドでぶつけていくと思いきや、バックハンドでレシーブしパックを止めると自分のケツを右へ180度回転させ正面に回る。既にバックハンドシュートを予想し動きが固まっていたS39の右サイドをあっさり抜くファインゴールでまたしても同点。
39:24 C34 Slashing
39:56 S18 Slashing
Shots on goal:C13,S17
それにしても、なんなんでしょうかこの叩き合い。クレインズはとにかくフェイスオフが取れていない。S33とケリーのマッチアップも含め、他のマッチアップでも7割方取られている。それが自陣のフェイスオフでも続くから始末が悪い。フェイスオフを取られ後方に引かれDFが入って切り込んで崩されてシュートまで持って行かれる。序番にPKで連続失点したときは全てこのパターン。5on3のPPでも取れず時間を無駄にしている。果たして3ピリに耐えられるのか。華麗なゴールを決めても同じだけ崩されて失点しているようでは意味が無い。
第3ピリオド
残念ながら予想的中。
44:59 C18 Slashing
自陣で守勢に回ると左サイドでサイクリックにパックを繋がれ最後はマークが外れゴル前にフリーで切り込まれ、正面にドライブされ、今まさにシュートを放つぞというところでそのスティックを叩いて防ぐしかない確信犯。
そしてPKでは再三再四フェイスオフを取られ遠目から、両サイドスロットから強烈なシュートを浴びるも石川が懸命のセービング。リバウンドを出したら確実に叩かれるところをことごとく1発で止めリバウンドを出さずピンチを凌ぐ。のだが、
48:30 C75 Slashing
今度は右サイドで好き放題にパックを繋がれ最後はS33が切り込んでいくも、またしてもゴール前で寸前のところで反則で止める。
が、あまりに西武が好き放題にパックを扱えるので、やや持ち過ぎになっており、1歩でも中に入ろう、或いは良い角度からシュートを打ってやろうと狙ってくれる分だけ石川はシュートコースに正対できていた。クレインズの守りも小さくなっていたのでゴール前の混戦でのルーズパックの処理でなんとか時間を稼ぐことができここも無失点で凌いだ。
が、その後はクレインズにチャンスらしいチャンス訪れず。興味はどこまで西武の猛攻(というには程遠いが)を凌げるか、にかかってきた。
53:01 C21 Holding
やはり自陣でのフェイスオフを取られ、左サイドのコーナーでS30,S14に掻きまわされろとたまらず反則。これで同じように自陣で守り切れず反則してしまうパターンが3ピリに3つ続いた。
53:16 西武6点目(PP+1) G9(touch/左30度/4m)←A30←74
遂に耐えきれず。
ゴール正面遠目から放たれたS74のシュートがゴール前の混戦に絡んで右サイドのゴール横後方に流れる。それをマイナスの角度から石川にぶつけるようにセンタリング。これがゴール正面での競り合いを縫って左サイドに流れていく。そこへ最初に入ったのはS9。慌ててオープンネットになっている角度に入っていくも一瞬遅くパックはゴールの中で踊っている。ゴール前での競り合いに人数がかけられてしまいフリーのプレイヤーへの対処が疎かになった。
この1点が重かった。
5分過ぎ、またしても自陣に攻め込まれようやくコーナーの競り合いからポロっとこぼれたパックをひとまず(とても攻め込もうとするだけの気持ちが感じられない程追い込まれていた)クリアしようとテイリーが件名に出そうとするも足元にあってうまく叩けず、手で処理するもあっさりS33に拾われ正面から強烈なシュートを浴びる。が、これを石川が懸命にブロック。したところへS18が入って石川のマスクが脱げる。
55:25 S18 Interference
はっきり言って、そこまで突っ込む必要もなかったと思うのだが。西武も連敗を止めようと必死だったに違いない。
が、この同点機にクレインズは有効打が放てない。敵陣には入っているのだがシュートがゴールまで届かずクリアされること2度3度。しかし、
57:38 S18 Hooking
またしても(余計な)反則で再びの同点機も、焦りからかパスがつながらず、18分にはS33に逆襲をくらい自陣まで運ばれシュートまで浴びるなど散々。
58:37 C Timeout
なんとか同点を狙おうと一つ目をシフト。自陣からのフェイスオフも取られ一旦放りこまれるも攻め上がり、
58:55 C61 GK out
石川がベンチに上がりつつ、エキストラアタッカーにダーシが入って6人攻撃。敵陣にパックを運ぶも相手に渡りクリアされるが、なんとかニュートラルゾーンで止めリスタート。放りこんでゴール裏で勝負をかけ競り合いに持ち込むと、ゴール前に詰めていった賢吾にパスが出た。
59:30 クレインズ6点目(PP+1) G3伊藤賢吾(behind the net,onetime/ほぼ正面/2m)←A18伊藤雅俊←11西脇
ゴール裏で先に西武が処理しようところへ西脇が飛び込み混戦に持ち込むと最後はゴール裏から出たパックを左サイドから正面に入ってきた賢吾が合わせゴール右スミに押し込み土壇場でまたしても同点に追い付く。
59:30 C61 GK in
Shots on goal:C8,S21
インターナショナルブレイク以降今日が9試合目だが実に6試合目となるOTに持ち込む。OT以降では4勝1敗と分が良かったが...。
オーバータイム
60:20 西武7点目(EQ) G33(touch/左60度/2m)←A43←18
ニュートラルゾーンからパックを運ばれるとズルズル下がって自陣へ。左サイドの奥へ侵入を許すと何故かゴール前が御留守。ゴール正面の遠目に位置していたS43に渡ると「どフリー」。じわじわとにじり寄っていく。石川も前に出てコースを消しに行くも、なんと左サイドにS33がこれまたフリー。引きつけるだけ引きつけられS33ヘパス。難なく角度を変えオープンネットにパックを流し込まれてしまう呆気ない脈切れ。って、なんで誰も来ないわけ?。
実はOTで1敗した相手が西武。またしても西武に勝てず対戦成績負け越し決定。
60:20 C61 GK out/S39 GK out
Shots on goal:C0,S2
「よくぞ勝ち点1を拾った」というのが正直な感想。
菊地を相手に6点を奪ったことは(いろんな意味で)良かったとしても、それ以上に簡単に失点しすぎ。そして、今季あまり目立っていなかったパーピックにきっちり仕事をされてしまうようでは勝てるわけも無い。そのパーピックには殆どの場面でフェイスオフを取られており、結果1つ目が失点の全てに絡んでしまったのも非常に残念。特に3ピリは、プレーの開始は必ず守りを強いられ、ようやく自陣でパックを取ったかと思えば既に攻めるだけの脚は残っておらず、それでも敵陣に行ければ良いほうで、自陣でマークを外されフリーでゴール前に切り込まれ、もう点が入っても仕方ないという状態を献上しておきながらも、確信犯で反則を犯しその場での失点を免れてはいたがやはりボロが出る。その後も殆どチャンスらしいチャンスを作れず。
西武が全く必要の無い反則を連発してくれたことにより得たPPでの6on4を決め同点に追いつけたところは評価したいが、同点で迎えた勝負処の3ピリはショット数でも現われているように力負け。
首位のチームを相手にしている割には、必死さが伝わってこない選手も一部見受けられ、あまりに淡泊。仮に今日勝ったとしても、それは相手に対して逆に失礼。
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