2008.12.07 14:00〜16:16 西東京・ダイドードリンコアイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
西武プリンスラビッツ 対 日本製紙クレインズ 5回戦



オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(White)
42清川-61石川
28ティリー-3伊藤賢吾-11西脇-12フェアチャイルド-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-75ユール-20三谷-17飯村
7ディック-34原武-19佐藤博史-21酒井-14佐藤匡史
33鬼頭-10山野-27石黒-47久保-16今村

【西武プリンスラビッツ】(Blue)
39菊地-20片山
5宮内-43河村-12内山-33パーピックー18鈴木
74河合-19ローチフォルト-9佐藤-14田中-30石岡
22大久保-2三浦-16小原-8今-10神野
3山口-11川口-24増子-40藤田-13樫野

レフェリー:山内
ラインズマン:赤坂、向坂


第1ピリオド
00:00 C42 GK in/S39 GK in

練習には姿を見せていたはずのケリーの姿が無く、1つ目は11-21-18、3つ目は14-27-19、4つ目は10-16-47で臨む。マッチアップは2→1→3→4と回すも、それに対し西武は3-1-2-4と当てる。が、今日は立ち上がりから西武のどのセットに対してもクレインズはあちこちで動きを封じられては自陣で相手の豊富な運動量の前に圧倒される。ただ、自陣で何度もパックを連取され守りを強いられている割にはなんとか凌いで無失点に踏ん張っている。この調子で相手の攻めに対して反則せずに我慢すれば流れがくると思われた5分過ぎ、
氷上は2つ目も自陣での守りが長くなり思うようにパックをクリアできず、やはり自陣に釘付けも、なんとかクリアしメンバーチェンジ。勢い良く飛び出した3つ目が逆襲。一気に敵陣にパックを運ぶと、コーナーからゴール前へのセンタリングを伺える格好を作りかけるも、敵陣の中段でパックに絡まれあっさりカット。素早いトランジッションから西武にカウンターを許す。3on2→2on1と、うまくパックキャリアにクレインズDFを引きつけつつ鮮やかにパスを繋ぐと、

06:54 西武1点目(EQ) G10(slap/左60度/7m)←A16←22
中央を走り込むS16→左への横パスをS10が受けた時点でほぼフリー。即シュートを放つと左肩口を綺麗に抜かれてしまいあっさり失点。

08:19 C23/S40 Roughing
パックが既にニュートラルゾーンに出ていたが、クレインズゴール周辺で小突き合い。
4on4になった9分過ぎ、ようやくクレインズにスコアリングチャンス。敵陣奥まで入ったティリーが相手ゴール裏でうまく相手のチェイスを交わすとゴール右横からセンタリングを出す。それをゴール右手前で合わせたのはユール。一瞬早くS39の対応遅れを誘い決まったかに見えたがなんとパックがS39の体に当たってしまいゴールならず。チャンスらしい場面はこの程度だったか。

以降は、西武が自由自在にパックを運び、クレインズ陣内であろうとなかろうと華麗なターンとスティックさばき、そして次のパックの出所を読み切ったフォローでパックをクレインズに渡さない。

15:28 C34 Slashing(#47代行)&Missconduct
「下がるな!」と清川が叫ぶも、西武の自陣からの上がりに対してDFラインがあっさり引いてしまい結果的に相手にスペースを与えると右サイドからゴール正面へのドライブを許しフリーでシュートを浴びる。その寸前で原武がスティックを出し反則で辛うじて食い止めるも、そうなる前に手は打てなかったのか。おまけに、何か余計な一言を言ったのかアンスポミスコンのおまけつき。それでなくてもDFは7人しか居ないのに...。
ところが、直後に西武が自陣から攻め上がっていくところをブルーライン際でユールが見事にカット。ノーマークになる。起死回生のビッグプレーが生まれるかと思ったのだが...。ユールのシュートフェイクに全く動じないS39。サイドを脚元からねじ込むこともマタを抜くこともできず力なくパックがS39のブレードに当たり跳ね返される。

16:39 S33 Slashing
全員が良く動いてパックキャリアにスペースを作らせるような見事なコンビネーションの前にクレインズは追い込まれるも、シュートのリバウンドの争奪戦で上からスティックを振り下ろしたS33のプレーに助けられ(裏を返せば、それだけパックを継続しようという気持ちの表れとも取れる)PK終了。
1分ちょっとではあるがPPを迎えたクレインズ。左サイドのコーナーからユールが出したゴール前への横パスをダーシが空中で合わせるも入らず。その後は、敵陣でセットはするものの、誰がどうやってシュートを打つのかという展開に持ち込む前に西武のプレスの前にミスを誘発。満足な攻めができない。

Shots on goal:C12,S21
クレインズ、いいところなく。チャンスはおろか敵陣に進むことすらままならない。1ピリの8割方は西武の成すがまま。よく1点で済んでいるという印象。このまま粘って失点を食い止めることもアリ、かもしれないが、やはり守るだけでは点は取れない。プレイヤーの動きだけでもクレインズが勝る場面が無いならば反則すら誘えない。パックを持っていない分だけ反則を食らう可能性も高く、余計不利な状況に輪をかけるだけ。ひとまず、もっと足を使って素早く敵陣に入る攻撃を見せてほしいのだが、どうもクレインズの動きがワンテンポ遅い感は否めない。


第2ピリオド
立ち上がり、遠目からゴール前にパックを集めリバウンドを叩こうとするシンプルな攻めが見えたがいままでの流れが流れだけにそう簡単に決まるものでもない。

23:20 S9 Tripping
クレインズゴール裏でパックを奪いに行ったS9が処理しようとしているクレインズのDFをかち割るように突破しパックを取っていったように見えた。力強いなぁ、と思ったらS9の方が反則。かち割っていく接点でスティックを足に引っ掛けていたようだ。
正直、もらった反則の印象が強いものの、PPには変わりなし。
4分過ぎ、ダーシからのジョーへのD-Dパスをジョーがワンタイムで叩くと、S39が弾いてゴール前にリバウンドが出る。それを飯村が叩くもリバウンド自体がS39からあまり離れて出ておらず再度ぶつける格好になり決まらない。
5分過ぎ、今度は左サイドのポイントからゴール右横へ流したパスを酒井が合わせチップインを狙うも叩けない。
ゴールにパックが向かうようにはなってきているが、やはり敵陣での攻めに連続性が無く、シュートを放ってもクリアされ攻め直しの場面が続き、相手を崩すまでに程遠い。

28:17 S22 Slashing
1ピリほど激しい動きを見せなくなった西武だが、パックキャリアへ体を寄せる意識は高い。が、ルーズパックの争奪で一瞬早くクレインズが処理しようとしたところを反射的にスティックが上から出る。願っても無い連続反則。劣勢であることに代わりは無いが、くだんのPPで見せたシンプルな攻めから流れが変わるやも知れない。
直後、敵陣での攻めで、一瞬ゴール前ががら空きになったところを見逃さず、遠目のダーシから前に入ってきた飯村へショートタテパス。これを受けた飯村がゴール前でS39と近距離ながら1対1になるも交わしきれない。
9分過ぎには、左サイドのポイントから賢吾がゴール左横に流すと西脇が受け、敢えてゴール左脇の狭い空間にパックを押し込もうとするも阻まれる。
極めつけはPP終了間際。西脇−酒井のコンビネーションからゴール前にリターンが出たパックを西脇が飛び込んで叩くもS39と近すぎて接触。混戦となりこぼれたパックを大澤が拾って右サイドに流しオープンネットになっている状態から雅俊が押し込みゴールネットを揺らすも、西脇が飛び込んだ勢いでS39と接触したままでインクリーズの笛の方が早くノーゴール。

30:55 S8 Holding
2on2で史郎と博史が敵陣に入る。史郎からの横パスはきっちり戻っていた西武のプレイヤーに当たって角度が変わると博史の左サイドにポロッとこぼれた。これに反応しようとした博史の出足を一瞬止めてしまう。西武も変にクレインズの攻めに対応できるだけに接触できる場面が増え、しかもやや行き過ぎてしまったことで逆に反則になっている。
先のPPではゴール前にパックを集めるいい攻めができていただけに、もう一押し。だったのだが、

31:41 C7 Slashing
これは痛すぎる。
ルーズパックの争奪。一瞬、宙に浮いたパックを先に保持すべくパックを叩き落そうと上から振り下ろしたブレードが相手のスティックに入ってしまう。苦しいながらも、いい流れになってきたところなのに。

32:42 西武2点目(EQ) G40(slap/正面/5m)←A11←3
4on4の展開。自陣からS3に右サイドを抜かれ、ニュートラルゾーンでS11がフォローしつつクレインズ陣内に入り右サイドから正面へドライブ。既にS3の突進からマークが後追いになっていたのだが、S11にゴール前まで切り込まれては話にならない。ようやく動きを止めたかに見えたがS11がゴール正面にパックを置いていく格好になったところにS40が左サイドからフリーで入ってダイレクトで叩かれる。
今にして思えば、クレインズの抵抗もここまでが精一杯だったような気がする。

35:10 S3 Interference

38:24 S14 Interference
相次いで西武に反則。クレインズがパックを動かすというよりも、西武がクレインズが自陣でモタモタしているところに容易に入ってパックに絡んでしまっているからこそ起きている反則。これって、自分達は思い通りのプレーができていないのに何故かPPになっているこの状態を「ありがたい」と感じて欲しいのだが...。2ピリ前半までの動きはどこへやら。敵陣でセットしてもその後、パスが3つまで続けばよい方。プレーがワンテンポ遅い分だけシュートコースを消され、パスするしかない状態に追い込まれ、それでも残ったコースにパスするしか無いのに、そのパスが弱い。これでは時間を無駄につかっているだけ。

39:51 S33 Slashing
「サービスタイム」と言えるかのようなキープレイヤーの反則。このピリオド残り9秒、そして次のピリオドに24秒の5on3が残る絶好のチャンスだったが、18-20-75-28-7で臨んだ敵陣でのフェイスオフを奪えず一旦クリアしたパックをなんとか持ち込みブルー付近からシュートを打ったところでタイムアップ。すると、そのプレーが元で西武ゴール裏でもめる。関係ない西武のプレイヤーもベンチから飛び出しゴール方向へ走りだそうとするもラインズマンに制止される(試合終了だから一応出るわね)。結局、インターバル中に裁定が発表され、

40:00 S8 Roughing/C18 Roughing&Misconduct
雅俊にミスコンが付いた。最後のシュートがアフターホーンで、それがS39に届いてしまったからなのか?。で、それに腹を立てたS8が絡んで揉め事になったという図式か。ただ、3ピリ開始早々に5on3のPPがあるだけに、雅俊の12分の不在は想像以上に重い。

Shots on goal:C19,S12
都合5回にわたるクレインズの10分間のPPのおかげでシュート数も増えた。さすがに、1ピリに我慢した甲斐はある。前半こそ、我慢した成果なのか、ようやく流れが来たかと思われたが、PP中のジョーの反則がケチのつけ始め。直後の4on4で失点してからのPPでは、敵陣でセットしていてもパック離れが悪く西武ににじり寄られパックをあっさり手放したり、苦し紛れに放ったシュートが相手に当たったりするなど、点が入りそうな気配がしない。


第3ピリオド
雅俊がペナ箱に入ってしまったため、75-20-17-3-28で臨むも敵陣で遠目から2本シュートを打っただけで5on3が終わってしまい、パックを大きくリンク外にクリアされ試合が止まるも、時計が止まらないアクシデント。オフィシャルに確認し、双方のベンチに説明し、のなんやかんやで3分ほど、観客はほったらかし。処置として、7秒時計を戻して再開されたが、勢いを完全にそがれたクレインズにとっては厳しいPPを過ごす結果となり弱り目にたたり目。

しかも雅俊が12分まで戻ってこないため、11-17-10(14)、75-20-14(10)、16(47)-21-19等の苦心のシフトで対応。今村、久保にはチャンスがめぐって来た。急場を凌いでほしいという思いにこたえるべく懸命にパックにくらいつく姿は見せてくれたが、やはり、この局面で急場を凌ぐには荷が重過ぎる。どうせなら、ケリーが欠場になった時点で、最初っから上のセットのウィングで使ってあげてもよかったんじゃないの?。

48:38 S10 Boarding
自陣のエンドボードでパックを処理しようと入っていった賢吾が急ブレーキで入ってきた方にリターンしようとする動きを読みきれずS10が結果的に賢吾に体当たりする格好となって反則アドバン。この攻め上がりから右サイドで飯村が相手DFを引き付け右サイドのスロットにフリーで入ってきた酒井へ絶妙なパス。酒井がワンタイムでスラップショットを放つ。タイミングは最高だったが、シュートがS39の正面。せめてリバウンドが出るシュートを打てないもんかねぇ。
ただ、またしてもクレインズのPP。雅俊の位置に山野が入り、ティリー→賢吾のD-Dパスからダイレクトでゴール右横に流したパックをこれまたワンタイムで山野が真横から叩き狭い隙間を通すべく叩く。タイミングはよかったが度重なるPKでリズムを掴んでしまったS39の鋭い反応に左足元を阻まれ決まらない。

50:57 C34 Highsticking
で、この時間帯で反則。既に1ピリの動きを取り戻しつつあった西武の攻めを切ることができず、自陣でようやくパックに触れてもブルーラインを越せず、何度も押し返されては連続攻撃を許し、結果反則へつながる。

53:25 西武3点目(EQ) G12(direct/左30度/5m)←A18←33
PKは凌いだが、パックはクリアし切れず、押し返されるとS18がゴール裏で華麗なパック捌きでクレインズを翻弄。右サイドのスロットに戻すとS33がシュート。これがゴール前の混戦に飛び込み大きくはね返り角度が変わってゴール左サイドに流れていく。清川はシュートの方向に体を向けていたため左サイドは完全にオープンネット。そこへいち早く飛び込んだS12が叩く。慌てて大澤がコースを消しに入るも一瞬早くパックが通過しゴールへ吸い込まれる。

56:31 S33 Hooking
意地の1点を見たかったが、8回目のPPも実らず。

60:00 C42 GK out/S39 GK out

Shots on goal:C11,S13

2ピリの前半に「もしや」と思わせる場面が垣間見えたが、試合全体を通してみれば良いところ殆ど無かった。なんにしても守りから攻めに移るスピードが昨日以上に遅い。PPでもそれが引き継がれているもんだからシュートは出ても次が続かない。厚みのある攻めで相手を慌てさせることすらできない。これほどまでに、相手に殆どダメージを与えることもなく屈した試合も珍しい(いかにアクシデントでケリーが不在となり本来のセットが組めなかったにしても)。
46本のショットを浴びた清川は頑張ったものの報われず。
試合を通じて西武が圧倒していた感もあったが、それでも8回クレインズにPPを献上しているから、隙が無かった訳ではない。イーブンではチャンスらしいチャンスを作れなくてもPPで1点でももぎ取れば試合展開は多少は変わったかも知れなかっただけに、そのチャンスを生かせなかったクレインズの勝負弱さだけが特に際立った試合。
こんな状態で、次週好調王子との2連戦を地元釧路で行わなければならない(しかも全道TV放送のおまけつき)。手を抜いているとは思わないが、あまりに力の差を見せつけられた試合内容を見せられると、とても全員が全員、フルの力を出し切っていたとは言い難い。形云々よりも、5人が、そして全てのセットが今行われている試合に対して同じベクトルを向いて臨んでいるかをもう一度再確認する方が先だと思う。その意思確認ができないようでは、全道に電波を通じて恥をさらすことになりかねない。プレイヤー自身だけの頑張りではもう限界に来ているように思えてならない。

基本的にできない人たちではないハズなので、今が底だと少なくても私は思いたい。

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