2008.12.13 14:00〜16:15 釧路・釧路アイスアリーナ
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
日本製紙クレインズ 対 王子イーグルス 3回戦
オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(Red)
61石川-42清川
28ティリー-3伊藤賢吾-75ユール-20三谷-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-19佐藤博史-17飯村-11西脇
7ディック-34原武-10山野-21酒井-47久保
33鬼頭-37角田-14佐藤匡史-27石黒-16今村
【王子イーグルス】(White)
61春名-30荻野
44キャラー-28磯島-7百目木-16斉藤(哲)-19斉藤(毅)
5パーソン-34高橋-12エンディコット-9岩田-11鈴木
6川島-20山下-82外崎-13小川(将)-3小川(勝)
25河本-22曽山-17石塚-24桜井-18奥山
レフェリー:川村
ラインズマン:千葉、舘岡
第1ピリオド
00:00 C61 GK in/O61 GK in
前の試合で欠場したケリーは今日も欠場。セットを組み替え、久保・今村を本格的に起用。久々に飯村をCFに起用し博史を2つ目に上げ、先々に希望を感じさせるセット。王子の1つ目に対して2つ目を当て、王子の2つ目に対して1つ目を当てる。立ち上がりの1周りまでは互角の動き。スピード感もあり接点での競り合いも双方とも厳しく、簡単に相手にパックを渡さない引き締まった展開。好ゲームが予想されたのも束の間、2周り目でO9にしてやられる。
04:29 王子1点目(EQ) G6(slap/左60度/15m)←A9←20
自陣からの早い展開からニュートラルゾーンでO9が左サイドを上がっていくとDFラインが下がってしまう。変に出方を伺い警戒してしまった結果、スペースと余裕を与えてしまい、左サイドのサークル中央あたりまでひきつけたところでバックパス。フォローで入ってきたO6がフリーで、しかも振りかぶった状態で入ってきた。そのままダイレクトで叩いたパックが綺麗にゴールに吸い込まれあっさり失点。
この失点からリズムが少しずつずれ始め、パスが繋がらなくなっていく。
07:59 C17 Charging&Roughing/C23,C11 Roughing(2分消化は#23)
07:59 O5,O7,O19 Roughing
その反動と言ってしまっては手厳しいかも知れないが、王子が左サイドからクレインズ陣内に入ろうとした直後にオフサイド。プレーが一旦止まるも、なぜか飯村がブルーライン際に居た王子のプレイヤーを小突く。これが発端となり3箇所で小競り合い。結局、飯村だけがダブルとなりそれ以外が相殺され、クレインズのPKとなる。勿論、王子のシフトは24-12-9-34-5で追加点を奪いに来る。的確にゴールの枠を捕えるシュート力とそれに至るまでのパスの正確さと5人全員がポジションを変えながらプレッシャーをかけていくPPはやはり脅威ではあるものの、追加点を奪われると苦しいクレインズもパックキャリアに対し距離を詰めプレスを掛けシュートを打たれても決定的な場面を作らせず守り切る。
しかし、これ以降クレインズのスピードが落ち、王子はそれを知ってか知らずか自陣できっちりパックを回しつつ、クレインズのフォアチェックを逆に取ってスペースにパックを流し、そこに走り込んでいるプレイヤーがパックを拾い攻め入るスピードが落ちないままクレインズ陣内に何度も入り、しかもシュートまで持っていく。
クレインズも動いているプレイヤーにパックを託しニュートラルゾーンを勢い良く通過し敵陣へ入ろうとするのだが、高い位置で王子の素早い戻りと執拗なスティックのスィングでニュートラルゾーンの低い位置から既にクレインズの攻勢の芽を潰しにかかっている。
13:26 O18 Crosschecking
そして、敵陣にパックを転がすとクレインズDFが背走し処理するのだが、前線へのタマ出しに時間がかかり(レシーバーの位置が既に王子封じられているせいもある)、パスコースを迷っている内に当たられる。優位になりかけている王子だっただけに、この反則は不用意と言えば不用意なのだが...。
王子に流れが傾きそうだっただけに、このPPをモノにすればまだまだわからないという観客サイドの希望は強いのだが、遠目のシュートまで持っていってもO61のきっちり正対されリバウンドをコントロールされO61を慌てさせる場面を作れない。
反則明けでEQになるタマ出しをニュートラルゾーンでO12にカットされると左サイドにパックを放りこまれサイクリックにパックを回し展開。クレインズの守りが小さくなったところをフリーでミドルシュートを繰り出していく。クレインズ、早うも自陣で王子のパックの動きを後追いするしかできなくなっていた。
17分には、ニュートラルゾーンでパスがうまく通らず、ルーズパックがクレインズサイドに流れていくところにO7が2人のDFの間を縫って中央突破を許してしまう。
クレインズ、後半以降の動きは、腰まるで鉛をしょったように重苦しく、動きにも徐々に精彩が無くなってきている。
Shots on goal:C8,O18
頑張ったのも前半まで。作れない、守れない、競り勝てない。攻め込まれ必ずシュートを打たれて終わっている。ニュートラルゾーンでパックカットされ攻め込まれると防戦一方。よく1点で済んでいる。
クレインズ、チャンスらしいチャンスはほぼゼロ。O61が慌てる場面さえ作れず。1週間たっても問題は深刻化するばかり。せめて競り合いで勝てる場面をこしらえてほしいが、自分の仕事をサボル選手が居るようでは...。
第2ピリオド
ここのところ2ピリが悪い。1ピリ前半から王子の流れが良くなってきているだけにここは我慢の時間帯。
22:35 O13 Tripping
自陣へダンプされたパックを処理しようとゴール裏へ飛び込んで行くジョーに対し厳しいフォアチェックもやや無駄だった感有り。
反則を頂いたのだから遠慮なく決めて欲しいのだが敵陣でセットしても王子のパックキャリアへのプレスで簡単にミス。苦し紛れに奥へパックを放りゴール裏で競り合うも、ここから再びセットできずなんともあっさりした攻め。
28:35 王子2点目(EQ) G12(wrist/正面/15m)←A9←11
すると、1ピリの失点のようにO11に中央突破を許すとクレインズ陣内に入ったところで右サイドのO9へ。すかさず中央に戻すとO12が入ってきたがクレインズのマークも付いており競り合いになるかと思った刹那、レシーブしたパックを長いリーチを生かしそのまま叩くとミドルシュートではあるが、やや石川の虚を突いたか左脚元にコントロールされたシュートを石川が止めることができず痛い失点。更に、
29:43 王子3点目(EQ) G18(touch/ほぼ正面/2m)←A24←25
左サイド、ブルーライン際ボードでの競り合いで押し込まれたパックをボードを使って前に出そうとるも殺到している中で王子にカットされる。既にニュートラルゾーンへ出るものと思っていたクレインズは前掛かりとなりO24とO18の2-0。右サドからO24にじっくり引きつけられつり出されると左サイドにパス。オープンネットに押し込むだけ。プレイヤーが殺到しているにも関わらず無理なボード際のパスに拘った結果が情けない失点を生む。
34:44 C47/O82 Roughing
35:22 王子4点目(EQ) G19(Slap/正面/12m)←A16
4on4の展開も、自陣からのタマ出しをブルーライン際でカットされるも、競り合っていたのでひとまずニュートラルゾーンに出ていくと思われたルーズパックをダイレクトで叩かれあっさり決められる。
あれよあれよの3失点。しかも、3点目、4点目とミスが直接の原因になただけにクレインズにとってダメージが大きく、攻守に精彩を欠く。ニュートラルゾーンで3on2のチャンスになるもパスかシュートかの一瞬の迷いが今ここでシュートを放ってもぶつけてしまうだけという格好になってしまい絶好のスコアリングチャンスには程遠く。
Shots on goal:C9,O15
失点の仕方が崩されているのではなく、攻めあぐねている中で苦し紛れに前に出したところを潰される。FWは王子の早い寄せを制したいから早く前に出たい。しかし思うように自陣からパックが出ない→数的優位(しかも圧倒的な)。苦しいときこそリスクの高いプレーをせず我慢すべきではないのか。攻め手が作れないのなら、接点で激しく当たり相手のミスを誘発する動きはできないものか。なまじ自分達が点を決められるイメージが強いため、形にはまると強いが、出足でミスするとバックアップがままならない1重化システム。これでは戦力が拮抗している相手には到底勝てそうにない。
第3ピリオド
せめて2試合連続無得点だけは御免こうむりたかったが、システムの混乱は依然として続く。王子も無理して攻めず、自陣からでもアイシングにし、ようやく敵陣でパックを連取できてきたかなぁ、と思われるクレインズの攻めを要所要所で切っていく。ここらへんはリードしている余裕が感じられる。
48:27 王子5点目(EQ) G82(rebound/左横/1m)←A3→17
しかし、クレインズ陣内で王子が容易にパックを奪えてしまう。前後、左右と振り回され掻きまわされるもゴール裏にパックが流れて行き、一旦はクレインズがパックを拾ってひとまずクリアするのかと思いきや、何故かゴール裏でO3との競り合いを避けるように動きを止めるとO3がフリーでゴール裏に入り、パックを拾うとそのっまラップアラウンド。ゴール左横からパックをねじ込まれる。石川がなんとかブロックするもリバウンドが手前に出てしまうと、詰めてきたO82にパックを叩かれまたしても失点。
2試合連続完封も覚悟せにゃならんと思われた50分過ぎ、自陣からのパックを前に運ぼうとするも王子のプレスにままならない。が、一旦ルーズになったパックがニュートラルゾーンに流れていく。自陣からそのまま上がっていたティリーがキープできると思ったが何故か動きを止めてしまう。何故、追わないと思った矢先、
50:53 クレインズ1点目(EQ) G18伊藤雅俊(ontime/左60度/3m)←A20三谷←75ユール
ユールがそこに絡んでパックを拾うと右サイドのブルーラインの先にパックを流し、タイミング良く入ってきたダーシがそのままタテに進む。やや王子の戻りが遅かった分、ダーシからの横パスが左サイドのゴール手前で雅俊が合わせ110分ぶりに得点を挙げるも「時既に遅し」。
54:07 O13 Boarding/C34 Roughing
先に反則を仕掛けてきたのはO13でありながらも、転倒し立ち上がったところで原武がO13に向かって迫り掴みかかってテイクダウン。ボコボコには程遠いものの思うようにプレーができないストレスを発散したとしか思えないような軽率な報復行為でPPだった時間がEQになってしまうボーンヘッド。気持ちは判らないでも無いが、先に反則貰っているんだからグッとこらえてPPに繋ぎ、明日につなげる意味でも点を奪う格好に持っていくべきなのに...。挙句の果てには4on4でありながらも正確で早いパス回しの前にPKのように守勢に回っておりボックスを組まれている始末。もっとも、王子のボックスも1人が足りない状態でよくぞあそこまで綺麗にパックを生かしきれるものか、と半ば嘆息気味。
59:00 O3 Charging
59:36 O12 Hooking
2つ目の反則は5on4の展開ではあったが、1つ目の反則は王子のフォアチェックに自陣からのタマ出しに時間を要していたプレイヤーに横突っ込みを繰り出す始末。しかも、守りが厳しかった王子がこの時間帯で反則。
時間は少ないが5on3。意地を見せてほしかったが無得点。
60:00 C61 GK out/O61 GK out
遂に3連敗
Shots on goal:C12,O15
重症ですなぁ。
個々のプレイヤーの能力はあるのに、チームとして、セットとして今どんなプレーを選択し、どういう結果をもたらさねばならないのか、という目的が明確になっていないように思えて仕方がない。ただ、漫然と試合をしているようにしか思えない。とても、優勝を狙っているチームとは思えない脆さを今日も露呈してしまう。少なくても、今の状態では王子を上回る攻めの形にバリエーションが少なく手詰まり感が否めない。とても消極的な考えかも知れないが、パックを前線に出したくてもコースを消されているのならば、苦し紛れにパスを出さず自陣で(時間を使ってでも)立て直し、敵陣に優位な格好で入れなければ、奥にダンプして守りのポジションを確認しながら相手の攻めに備えつつ、パックを遠くへ遠くへ投げ、ダンマリを決め込むのも選択肢の一つとして考えるべきではないのだろうか(もの凄く、つまんないホッケーになるかも知れないが)。少なくても、今と同じ事を続けるならば、もっと精度を上げつつ、一歩前いや二歩前ぐらいの早めのアクションで仕掛けていく必要があると思う。できないものを無理にやるよりも、今のチームで確実にこなせるリスクの少ないプレーを選択することもやむを得ないと思う。
いずれにせよ、チームとしてどういう意思統一を図っていくのか、そして、その意思統一がきちんと図られているのかをリンク上で表現していかなければ、何度でも同じ過ちを繰り返していくに違いない。
頑張っている選手も居るだけに、こんなことは言いたくないのだが...。
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