2008.12.20 16:39〜18:42 札幌・月寒体育館
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
日本製紙クレインズ 対 日光アイスバックス 4回戦



オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(Red)
61石川-42清川
28ティリー-3伊藤賢吾-75ユール-20三谷-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-19佐藤博史-17飯村-11西脇
7ディック-34原武-10山野-21酒井-47久保
33鬼頭-14佐藤匡史-27石黒-15土塚-16今村

【日光アイスバックス】(White)
1橋本-35白鳥
3尾野-7福澤-10大日向-45瀬高-21小林
8村井-6加藤-11塚田-47篠原-91波多野
2萩原-19任田-20ギルグリスト-16土田-12ラフリニエール
50岩崎-22中居-44黒澤

レフェリー:滝澤
ラインズマン:川合、伊藤


第1ピリオド
00:00 GK in C61/B1

2分過ぎ、3つ目がオンアイス。敵陣右コーナーからの展開で、奥の史郎からゴール前に入ってきた匡史へのパスが絶妙も、匡史がゴール前で受けるもパックを完全に叩き切れない。そのこぼれ玉を拾った匡史が今度はゴール後方の左サイドからゴール左手前にバックパス。これを逆に史郎は叩きに行くもB1にキャッチされ最初のスコアリングチャンスをモノにできず。

03:48 B45 Hooking
しかし、クレインズがまだ序盤だというのに、多くの場面でパックに絡んでおり、ここも自陣へ入ったバックスの攻めをカットし賢吾がリンク中央をドライブしつつ敵陣へ中央から突破しようとしたところで相手の反則を誘う。

05:37 クレインズ1点目(PP+1) G75(onetime,slap/左75度/7m)←A18伊藤雅俊←20三谷
ここのところ決まっていなかったPPだったが、左サイドで手前のダーシから奥の雅俊へ。すぐさまスロットに戻すと入っていたユールがシュート。これが、ゴール前の混戦もあいまってB1のマタ下を捉えたる。久々のPPGで先制すると、

07:01 B16 Holding
またしてもバックスの反則を誘い2度目のPP。ここを確実に決めると試合展開はかなり楽になるのだが、PPでの1つ目は、再三バックスゴールを攻めつけるもリバウンドのオープンネットを打ち損ない、スロットへのワンタイムパス&シュートは正面に飛んでしまい→リバウンドが出ているも叩けず、となかなか結果が出ない。

09:38 C11 Roughing
攻め込んでいるにも関わらず、バックスゴール前での競り合いで相手を倒してしまいPKを迎えてしまう。勝敗とは別であるが、先週の釧路では王子相手に2試合でPK無失点をしてきただけに、ここでもバックスの攻め上がりのもたつきを突き、酒井が敵陣奥まで積極的に入り込み、相手の玉ダシに対するプレスを敢行。結果的に自陣に入られても、バックスに有効な攻撃時間を30秒程度に押さえ込む。

この後も、13分にゴール裏を粘った博史がゴール左まで上がり横パス。入ってきた西脇が叩くも正面。そのリバウンドを拾ってDFの位置に戻すも、C2のシュートモーションが大きく、しかもシュートコースもB1にあっさりキャッチされる位置では、次の展開が見当たらない。

16分過ぎには、バックスの自陣からの玉ダシを右サイド本部席側敵陣のブルーライン際でユールが体にパックを当てつつカットすると、そこからゴール前へ入射角右45度以上の切り込みでゴール前へ飛び込み瞬間的にノーマークになるもモノにできず。

パックを8割方支配しているクレインズではあるが、チャンスメイクという面ではまだまだ。しかしながら、このままパックを支配していけば、大きな失点を招く可能性は低い。このまま1ピリが終わるのでは、と思われた残り1分半、なんと信じられない出来事が...。

18:38 バックス1点目(EQ) G10(wrist/右15度/4m)←A21←7
ゴール裏に流れてきたパックを石川が処理するも、同じく処理しようと反対側から入ってきたジョーズと軽く接触。しかし、この接触が裏目。クリアが不十分となりゴール右手前の角度のないところに出てしまう。そこに飛び込んだB10が石川が戻るよりも一瞬早くパックを叩くと、ゴール左内側側面を捕えられる。
なんともお粗末なまさかの失点。こういう失点はきっちり崩されて決められるゴールよりも情けない。

19:16 B12 Tripping
なんとかパックを継続しようと相手のチェックを受けながらもユールが粘り越しでパックを生かしたところに反則を食らってPP。しかし、友好打が打てないまま1ピリ終了。

Shots on goal:C17,B8
なんか勘違いしてないか?。いつから、そんなに強くなった。
いくら、パックを支配できるからと言っても、もっとパックを大事に、雑なパスや守りを最小限にとどめなくては、いくら攻め続けていてもダメなものはダメ。1失点は選手間できっちり声掛けさえしていれば簡単に防げたはず。ホッケー云々よりも、肝心なことがまだまだできていない印象を色濃く感じた。こんなプレーでは簡単に相手に付け込まれる。


第2ピリオド
1分44秒間のPPから開始も、敵陣でボックスをセットし右スロットから更に奥へ入って、確実に点が入るコースにまでにじり寄った上でシュートを放つのだが、それを相手に突っつかれてしまう。どうしてもっと早くパックを手放さない(シュートを打ったほうが)がために、バックスの守備の網にかかるも、やや強引なシュート態勢だったため、更に相手の反則を誘う。、

20:43 B19 Hooking
これで33秒間の5on3の大チャンスを迎えるも、シュートは出ているが枠を捉えない。更には右サイドのポイントの位置からティリーが強烈なシュート。これが綺麗に左サイドを通過していくとエンドボードに当たって左サイドのゴール前スロットに到達。雅俊がワンタイムで叩くも、これもゴールには繋がらない。結局、PPでは1つ目で結果が出ず、2つ目10-17-11-2-7に代わると敵陣に入ってからセットすると見せかけて素早くパックを動かしていくと、

22:38 クレインズ2点目(PP+1) G23大澤(tip-in/ほぼ正面/1m)←A10山野←7ディック
右サイドから奥へ流したパックをゴール裏の山野に渡る。このタイミングを見計らって大澤がゴール前に飛び込んでいく。そのドンピシャのタイミングで山野がゴール裏から絶妙なパス。これを飛び込んだ大澤が角度を変えチップイン。パックはゴール左上スミを捉え勝ち越しに成功。

24:04 B8 Hooking
自陣からの早い展開で3on2のチャンス。左サイドのパックキャリアだった賢吾が敵陣に入ったところで相手の反則を誘いまたしてもPP。ここで点差を広げられれば、今日の試合の「目鼻」がつくのだが...。敵陣でのパックを動かしてはいるが、シュートを打つタイミングが遅すぎ。遠目からのシュートによるリバウンドで勝負というプランは垣間見えるのだが、キーとなる遠目からのシュートがゴール前の混戦状態の箇所に飛び、ゴールまで届かない場面が何度か。ここぞ、というところで畳み掛けられないところがどうも...。

その後は、27分に久々出場の土塚がゴール前に詰め、ゴール裏からのセンタリングを合わせに行くも、合わせただけで終わってしまいパックはB1に難なくクリア。
28分には、バックスの自陣からの玉出しをダーシが左サイドのブルーライン際でカットすると、中央を飛び込んできたユールがB1のマタ下を狙う強烈なミドルシュートを放つ。決まったかに見えたがB1が辛うじてマタを塞ぎ好守に阻まれる。
更に29分には、ニュートラルゾーンで優位な形を作ると酒井→山野の2on1。最後は酒井からの横パスを山野が合わせると、パックはゴールトップ当たったように見えたがゴールランプが点灯しない。ゴールの枠に入ったように見えたのだが、打った本人がそれほど抗議しなところを見るとやはり入っていないのか。

ここまではクレインズの攻勢が目立ち、バックスにはチャンスらしいチャンスが訪れなかったが、31分前後にバックスが左サイドの展開から敵陣に入ると、左サイドのポイントの位置からシュート。石川がブロックするも、これが足の長いリバウンドとなってゴール左(石川視点)手前に出てしまう。そのりバウンドが流れてきた位置にバックスのプレイヤーが入っていた。「やられた」と思った直後、足元を抜け叩き切れない。ピンチの後のカウンターで、左サイドを今村が走りこみ、ゴール前に流すと史郎が相手DFを引き連れてブレードを出すも遥か先を通過。その前に、今村自身で打っても良かった角度だっただけに、妙な遠慮は不要なのだが...。

その後も、クレインズが再三チャンスを作るも詰めが甘く、特に35分にはニュートラルゾーンの奥からバックスの一瞬のスキを突き中央をタテパス。ブルーライン際でパスを受けた雅俊がノーマークとなるも決められない。こういう決定的なチャンスをモノにできないところが歯がゆい。この試合に関してはかなりチェンスがあるものの、他の試合では同じような展開になりにくいだけに、ノーマークでの決定率は上げてもらわねば...。

36:49 C23 Hooking
攻めてはいるが点が奪えない中での反則。嫌な展開だったが、バックスの攻めが単調だったせいもあり危なかったのはゴール裏からゴール前にセンタリングを出す際にゴール周辺に寄ってくるクラッシュ・ザ・ネットの攻め。何かの拍子にパックがこぼれたり、DFの足に当たって入ったり、角度が変わったルーズパックを叩かれたり、といろんな可能性が垣間見えたバックスのPPではあったが、なんとか無失点で切り抜ける。

shots on goal:C16,B10
ほぼパックを支配しているのだが決めきれない。結果的にこのまま1失点で切り抜けてくれれば良いのだが...。少なくても前の試合よりも数多くのチャンスがありながら、やっぱり2点しか取れない、という慢性的決定力不足が依然として気掛かり。もっとも、今は攻めよりも守りの形を確実にすること。むしろ相手に攻めさせず自分達で試合を作っていけるのであれば良い、という課題の元で試合に取り組んでいるならば良いのだが...。真価が問われる3ピリである。


第3ピリオド
42分過ぎ、バックスが久々にクレインズ陣内でパックを繋ぐ。クレインズは後追いになっているものの、パックへ積極的に絡み簡単にバックスの攻めを許さない守りを見せてはいるが、完全にクリアできなかったりする場面もあり、最後はクラッシュ・ザ・ネットからゴール前混戦で勝負、という形に持ち込まれるも石川が混戦の中、素早くパックを押さえシュートまでは打たせていない。

45分過ぎ、左サイドをB3が突進。クレインズのプレイヤーを引きつれたままクレインズ陣内に入ると即シュート。石川の左肩口を押さえられるもきっちりキャッチで攻撃を単発に食い止める。

48分過ぎ、バックスの2つ目に対し、自陣での守りが長くなりややピンチを迎える。サイクリックにパックを繋ぐとクレインズの守りは後を追う格好になる。下手に絡んで反則になるのを嫌がりつつも、好きにさせているようで一定の距離を保っており、バックスがスロットへのアタックを掛けようとする段階で止めており、シュートまでは浴びてはいない。

やや、守勢に回り気味のクレインズも、52分に1つ目が決定的な場面を作る。
久々に敵陣でパックを連取すると、最後は右サイドの賢吾からD-Dパスで左サイドのティリーへ。ティリーがシュートを放つと見せかけ、ゴール前に入っていたダーシへシュートパス。これをダーシが合わせて左サイドに浮かせる形にすると待っていたのはユール。ゴール正面方向に気を取られたB1の完全な裏を取ったのだが、左サイドで合わせたユールのパックをB1が倒れこみながら、しかも逆を突かれたにも関わらず反応しブロック。好勢の形は作ったのだが...。

その後は、双方とも敵陣にパックは運ぶものの決定的なチャンスを作れず。敵陣で相手にパックが奪われた際の早い自陣への戻りとバックチェックは最後まで出ており、シュートは浴びてコースが見えているミドルシュートの単発で止めており、どうやら1点差のままで終盤に臨むと思われた矢先の56分。

56:14 C3 Deleying the Game
バックスが敵陣に入り左サイドのブルーライン際からゴール前に入っていた王子のプレイヤート「クレインズのプレイヤーに当たってこぼれて落ちるはゴール正面。ダイレクトで叩かれては困る状況だったが、賢吾がパックを弾きプレーが止まる、も、自陣ゴール右サイドコーナー裏のエンドボードを越えてしまい思わぬ形での競技遅延で反則。
この時間帯でこの反則。高くつかないことを祈った2分間だったが、早めに遠目からシュートを放ち、ゴール前に居るプレーヤーが角度を変えるパターンでクレインズゴールを脅かすも、枠を捉えない場面が多くそのあたりはバックスの精度の低い攻めに助けられた。

58:54 B20 Holding/C34 Roughing
この時間帯での4on4はちょっときな臭かったが、

58:54 B Timeout

58:54 B1 GK out
すぐにバックスがタイムアウトを要求。フェイスオフは右サイドの自陣側で本部席側のフェイスオフスポットでありながらも。果敢にB1を上げ5人攻撃に移行してくれた、が。

59:02 クレインズ3点目(EQ/EN) G75ユール(touch,empty net/左横/1m)←A20三谷←3伊藤賢吾
そのフェイスオフを取ると一旦下げて前方に放ったパックがゴールに向かってツルツルと滑っていく。このパックに先に追いついたのはユール。最後はゴール左後方にパックが流れていく寸前、ゴールライン直前でパックを捕まえ、ようやく勝負を決めた。

59:02 B1 GK in

59:22 B1 GK out

60:00 GK out C61

Shots on goal:C9,B7
パックはバックスよりも遥かに支配しているのだが、それが点に結びつかない。
攻めはまだまだ課題があるとして、今日は1点(本当は0?)で抑えることができたことを収穫とすべきか。ただ、細かいハンドリングミスやパックの雑な扱い等がまだ目に付くのと、その反面、シュートが打てるポジションでもパスを出す、が、これを叩けずゴールを奪えない、という場面も見受けられ、個々人の思いっきりの良さと、リバウンドを出させるようなシュートの工夫が必要ではないかと。しかしながら、フォアチェック、バックチェックについては機能しており、全般的にバックスの攻撃を封じることができていた点は評価できる。
しかしながら、終盤まで1点差のままで試合を運んでしまったことに関しては、今日は「たまたま」勝つことができた、という形で受け止めておく謙虚な姿勢が必要だと思う。相手が代われば、簡単にパックを扱わせてくれないであろうチームと試合を行うことが続くのだから。この先も、今日のような「たまたま」が起こる可能性は自ずと低くなるだけに、やはり守りをしっかり固め無用な(つまらない)反則を避けつつ、数少ないスコアリングチャンスを生かす。これができなければ、今の西武や王子には勝つことなんぞままならないと思う。先を見据えたとしても結果は同じだと思うから。

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