2008.12.21 16:33〜18:39 札幌・月寒体育館
アジアリーグアイスホッケー2008〜2009レギュラーリーグ
日本製紙クレインズ 対 西武プリンスラビッツ 6回戦



オールメンバー
【日本製紙クレインズ】(Red)
42清川-61石川
28ティリー-3伊藤賢吾-75ユール-20三谷-18伊藤雅俊
2外崎-23大澤-19佐藤博史-17飯村-11西脇
7ディック-34原武-10山野-21酒井-47久保
33鬼頭-14佐藤匡史-27石黒-15土塚-16今村

【西武プリンスラビッツ】(White)
39菊地-20片山
5宮内-3山口-12内山-33パーピックー18鈴木
2大久保-2三浦-16小原-8今-10神野
74河合-19ローチフォルト-9佐藤-14田中-30石岡
11川口-6山田-24増子-40藤田-13樫野

レフェリー:滝澤
ラインズマン:松田、小野


第1ピリオド
00:00 GK in C42/S39

1つ目から4つ目まで穴の少ない西武に対して、クレインズは2つ目を西武の3つ目に当てるマッチアップ。早い動きでゲームをコノトロールするS14のセットを止めようとする狙い。

序盤から中盤は、お互いは相手の攻め上がりの早い段階でプレスを掛け、ニュートラルゾーンへ出されるパックに向かってのチェイスや相手陣内へ入る直前でのバックチェックで攻撃の流れを止め、スムースな攻めを許さない締まった展開の中、クレインズにスコアリングチャンスができる。

5分過ぎ、ティリーのロングパスを右サイドでユールが拾ってすぐさまクロスヘセンタリング。ゴール前で雅俊が受けると見せてスルー。左サイドのダーシがフリーになっておりミドルシュート。S39振られていたがダーシのシュートに反応。

8分過ぎ、賢吾が右サイドをオーアラップし敵陣に入ってからゴール前にシュート。これがユールと競り合っていた西武のプレイヤーに当たってこぼれたところ、またしてもフリーだったダーシが正面から叩くも、これまらS39が振られながらも正対しブロック。

良い流れで来ているところで、

09:56 クレインズ1点目(EQ) G10山野(onetime/右15度/2m)←A21酒井←34原武
今日は西武の2つ目と対峙していた3つ目。左サイドから放り込んだパックを酒井が飛び込んで、その勢いのままチェックをかいくぐり、ゴール裏を左から右へ回って出たところでパス。山野がゴール右脇で素早く合わせ先制。

先制直後、やや安心したのか、自陣で西武にパックを奪われコーナーからのセンタリングをワンタイムで、またゴール前に固まった守りを尻目にゴール裏からポントの位置に戻されたDFからのロングシュートをフリーで浴びるも、いずれも枠を捕えておらず西武の攻めの甘さにも助けられ、やや浮ついた時間帯を凌ぐ。

15:32 C3 Holding
ここまで、早い出足とニュートラルゾーンでの素早いプレッシャーで良い形を作らせなかったが、徐々に自陣への攻めを許すと、ゴール裏で相手の動きを止めてしまいついにPKとなる。
遠目からシュートを放ってゴール前でリバウンドを狙う攻めを見せる西武。きっちりとゴール枠を捕えリバウンドを出させているが、クレインズのDFが先に処理する場面が多く、打たれてはいるものの全員が集中し西武の攻めを凌いだ。

17:44 C23 Crosschecking
にも関わらず連続反則。このPKは厳しかった。
好調のS14を中心としたPPに手を焼き、パックを面白いようにコントロールされるとS74の遠目からのシュートでリバウンドが出る。これを右サイドで拾われ素早く横パス。そこいS74が自分で飛び込みオープンネットに放り込んだかに見えたが、力が入ってくれたおかげで枠を外す。ゴール裏に転がったルーズパックを拾い正面にセンタリングをS14が飛び込みワンタイムで叩くも枠を外す。タジタジの場面であはったが相手のミスにも助けられ失点を免れる。

Shots on goal:C5,S8
序盤のせめぎ合いでリスキーなプレーを避けつつ、フォアチェック、早めのプレスが効いて西武に良い形を作らせなかった。クレインズも良い形は作れていないが、この展開は望むところ。むしろ1点入ったことは好都合。ただ、終盤相手の動きを止めようとやや過剰に反応したところを反則にとられピンチを迎えてしまった。清川の丁寧な守りもあってシュートは打たれているがリバウンドをことごとくクリア。あるいは、シュートコースを塞ぎ、セットされてはいるものの効果的な攻めを相手にさせておらず、ここまではうまく我慢している模様。どこまで、相手に対する早めのプレシャーが続くか、今日の試合の生命線かも知れない。


第2ピリオド
20:49 S30 Hooking
いきなり相手の不用意な反則で今日初のPP。追加点が欲しいところだが、自陣から攻め上がる中で、自陣の左のフェイスオフサークルあたりで意味もなく外崎が転倒。ここからパックを奪われピンチを招いた(直前にS33も意味もなく転倒しておりリンクに傷がついていたか)こともあり1分程時間を浪費。PP終了間際にユールが右サイドからミドルシュートを放つもS39を崩すには至らず追加点を奪えず。

24分過ぎ、西武が左サイドから上がっていこうとするところを賢吾がチェイスしカット。タテに飛び込みゴール正面の遠目にバックパス。飛び込んできた匡史がドンピシャのタイミングで入ってシュートを放つもS39が難なくブロック。相手ノミスから反転するもその後の攻めが単発に終わってしまう。

26:09 C19 Roughing
自陣ゴール裏でのパックの争奪戦で反則。プレイヤーの動きを止めるべくきっちり当たりに行っているのは良いのだが...。

26:40 西武1点目(PP+1) G9(direct/正面/1m)←A14←8
素早いパス回しでクレインズを翻弄。最後はゴール右脇でパスを受けたS14。そのまま横パスを出さず一旦、自分の体を反回転させつつ横パスを出しタイミングをずらすと、ゴール前に一瞬ポッカリと空白ができる。そこへ飛び込んできたS9がゴール正面で合わせあっさり同点。

27:32 C75 Tripping
同点にされてから動きがガクンと落ちる。相手の出足を止めきれず反則を重ねる。連続失点のピンチだったが、ここで踏ん張ったのが清川。遠目からのシュートを抱え込むようにキャッチしプレーを止め、ゴール前の混戦で角度を変えられそうになるところも体を割って自らシュートを受けることで制し凌ぐ。

しかし、クレインズは敵陣に入ってもなかなかチャンスらしいチャンスが作れない。西武もクレインズ以上にパックキャリアへのプレスが厳しく、フリーなプレイヤーが遠目でもミドルでも十分な態勢でシュートを打てる場面ができない。
32分過ぎにはユールが右サイドからシュートと見せかけてゴール左横に立っているダーシへパス。一旦、S39を右サイドに引きつけた上でS39を巻き込むようにパックをゴール左端に当てるように外からねじ込もうとするも枠に入らない。アイデイアは良かったのだが...。

またしても1ピリ同様、我慢の時間帯になっている。簡単に攻めに行けない分、クレインズも守りを固め、特に1対1の競り合いや、スピードに乗った攻め上がりを早えに食い止めピンチを未然に防ぐ注意が必要、だと思ったのだが...。

33:53 西武2点目(EQ) G9(touch/正面/1m)←A74
気になったのは、この時のマッチアップ。ここまで西武の3つ目に対してクレインズは2つ目を合わせていたのに、ここは3つ目を出した。その程度の約束事だったのか、と半ば心配していたのだが、その不安が的中。
左サイドのブルーライン際で原武が抜かれS9に突進を許す。背後からチェックに行くも止められるわけがなく、ゴール前まで切り込まれ押し込まれる。やらかしてはいけない失点パターン。これをさせないために1ピリは神経を削ってきたのではないのか?。こういうミスを止めなければ我慢している意味がない。折角1ピリまでに作った流れが台無し。

34:56 C15 Slashing
そして、パックキャリアへの突進を止めきれずスティックだけで止めに行く。

36:24 C23 Slashing
更に、2点目の失点と同じような格好を許しゴール前で反則。そのスピードを殺すために高い位置でのフォアチェックやニュートラルゾーンでのバックチェックをしていたのでは?。そのスピードの前に約束事が破られつつある。

32秒間の3on5という大ピンチも清川がゴール前に詰められスロットからフリーで放たれた肩口へのシュートに反応ししかもリバウンドも体を寄せ食い止める攻守を見せ3on5を凌ぐと、

38:04 S33 Hooking
逆に西武のシュートリバウンドがルーズになりポジションミスからジョーと酒井がカウンターで走る2on1のチャンスも、最後はS33が反則覚悟でジョーを転ばせる。
逆に絶好の同点機を迎えているにも関わらず...。またしても文字にするにはおぞましい拙攻を見せられる。再三あったシュートチャンスを溜めて溜めて結局打てずじまい。シュート打たなきゃ点は入らない。パックをゴールに集めなければ事も起きない。それでなくてもチャンスは少ないんだから、PPに関してはここぞとばかりに積極的にゴールに飛び込んでいくぐらいのドロ臭さが必要な筈でしょう。綺麗に点を決められる程、現時点でラインが機能していると本気で思っているのかねぇ?。

shots on goal:C4,S16
大いに失望。せっかく1ピリで良い守り作ってきたのに。些細な甘さがもたらした失点を境に攻守のリズムを崩し、せっかくもらったPPのチャンスも点を取ることが必要なはずなのに、そのためのシュートを放とうとせずパックを敵陣に留めておくことだけに満足しているようなプレーをしているようでは相手に傾いた流れなんぞ変えられないわけもない。


第3ピリオド
42:26 S40 Interference
チャンスが巡ってきたと思われたが、なんとペナルティのアドバン中に、
42:26 C15 Tripping
今、どういう状況なのか全く理解していない無駄な反則。折角、起用してくれたのに2ピリといい3ピリといい相手にとって効果的な反則を犯すようではお話にならない。

42:50 西武3点目(EQ) G18(wrist,topshot/右75度/5m)←A33←5
シュートのリバウンドを先に処理されると、最後列にはティリーだけになっており、その裏へパックが出てしまう。ニュートラルゾーンでS33が拾って右サイドを上がると2on1。敵陣に入ったところで早めにパックを手放すとS18がにじり寄りながらきっちりコースを見定め清川の右肩口をあっさり破るファインゴール。
PPのはずが、EQとなっただけでも痛いのに、そこで痛恨の失点。言葉もない。

47:50 C28 Interference
こうなると西武の動きが俄然良くなる。パックをブルーライン間際に放りフリーのプレイヤーを走られせる。ティリーがチェイスに行くも大きく前につんのめるように転倒。パックへ行っていてもアタックのスピードが早い分、それを受ける方が不当に動きを封じている、というふうに見えてしまう。

49:30 西武4点目(PP+1) G33(reboud,direct/ほぼ正面/2m)←A74←8
左サイドのポイントからシュートを浴びると清川がブロックするも自身の左手前にリバウンドを出す。1ピリはこれをクレインズが踏ん張って先に処理していたのだが、それも叶わず、S33が体を回し清川のやや左手前に転がっているパックを長いリーチを生かしパックを軽く触ってオープンネットに流し込む。耐えていたPKでの守りもやはり崩壊。

53:47 S2 Holding
意地の一発を見たかったが、守っている西武の動きの良さばかりが目立ち、点の入る雰囲気がしないまま時間だけがあっさり過ぎていく。

56分過ぎにルーズパックを自陣から素早く展開し、左サイドをタテに突進した匡史が敵陣に入ると右サイド酒井との2on1。横パスが出る。酒井が叩きに行くもこれをS39がきっちり読み切って正対されてしまう。

60:00 GK out C61/S39

Shots on goal:C10,S11
我慢も1ピリが限界か。早いフォアチェックにバックチェック、自陣に入られてもきっちり体を入れて簡単に相手にパックをコントロールさせず、逆に攻撃のリズムをニュートラルゾーンの段階で潰しており、いい流れを作っていたにも関わらず、2ピリにPKで失点してからは、動きが鈍り、相手の一瞬の早い動きを止めきれず勝ち越されると、全体的にチェックが甘くなり、パックを支配されていく。むろん、フィジカル面で頑張っているプレイヤーも居るのだが、誰かが手を抜くとあっさりピンチを招いてしまい、自陣から良いタマが供給されなくなり、敵陣に入っても分厚い攻めが影を潜め単調な攻めを繰り返す。攻めれない、守れないでは勝てる訳が無い。

廃部が決まっているチームの引き立て役に甘んじているようでは、「日本のホッケー界の危機」と言われても仕方が無い。
試されているのは、廃部が決まったチームだけでは無い、ということをクレインズは分かっていないんじゃないか?。そんなに甘いものではないハズだが。

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