2009/11/15 16:32〜18:53 新横浜プリンスホテルスケートセンター
アジアリーグアイスホッケー2009-2010 レギュラーリーグ
日光アイスバックス VS 日本製紙クレインズ 3回戦
オールメンバー
【クレインズ】(black)
61石川-42清川
55ボーリュー-3伊藤-76小原-20三谷-24飯塚
2外崎-23大澤-75ユール-17飯村-11西脇
33鬼頭-77梁取-14佐藤匡史-21酒井-47久保
34原武-10山野-19佐藤博史-1今村-50小窪
【アイスバックス】(white)
39菊地-33金丸
27大久保-7福澤-12内山-58スミス-8鈴木
3山口-2萩原-15三田-47篠原-16土田
34岡本-6加藤-10大日向-45瀬高-91波多野
22中居-9中西-11塚田-18辻
レフェリー:川村、小泉
ラインズマン:川合、向坂
第1ピリオド
00:00 C61/B39 GK in
3セット回しの2回り目。クレインズは4つ目を起用。4分過ぎ、バックスは3つ目がアイシングを犯し自陣でのフェイスオフ。クレインズもそのまま4つ目が氷上に上がると、
04:23 クレインズ1点目(EQ) G10山野(wrist/右30度/4m)←A1今村
敵陣でのファイスオフ。今村が取ったパックを右サイドから山野が一気に飛び込んでそのままシュート。電光石火の早業で今日はあっさり先制。
06:29 B91 Highsticking
そしてPP。ここで追加点を挙げれば早々に試合の主導権が握れる。しかし、昨日からPPで結果を出していない1つ目の不調は深刻だ。ゴール前にP・Oを入れコーナからP・Oにパックを入れるなどこれまで見せたことのないフォーメーションで臨むも決まらない。2つ目も素早いパス回しでコーナーの飯村から大澤→外崎とD-Dパスを繋ぎフリーでシュートを浴びせるも決まらない。実に1分半以上も敵陣で攻め続けているのだが、シュートがいずれもB39に見切られてしまっている。
その後、試合は膠着するも、双方の試合に対する意識の違いが早くも見え始めていた。クレインズは自陣で作りながら空間にプレイヤーを走らせ早くて強いパスで一気に敵陣になだれ込もうとする動きが目立つ。前に出ていける余裕があっても数的優位が作れないのであれば、自陣で相手の陣形を見極め確実に敵陣に入っていく動きだが、バックスはクレインズの攻めを凌ぎパックを拾うとまっすぐ突進。相手との人数が揃っていようがお構いなし。とにかく相手ゴールに向かってパックを運ぶんだという意思がうかがえ、11分過ぎには左サイドを一気に抜け2on2ながらもゴール前にパスを出し逆サイドのプレイヤーがクレインズDFの裏に入る動きを見せゴールを脅かす。まだ、石川が落ち着いて対応できているもののニュートラルゾーンで中央を開けてしまう場面が見え、そこを突かれいい形を相手に与えてしまっている。
クレインズは自陣からのリスタートで若干時間をかけている。そこにバックスのフォアチェックが絡んでくるのだが、それをいなすようにバックパス、ボードパスで交わしてはいるのだが、昨日から意外な跳ね返りを見せるボードと荒れた氷もあってか時としてスムースさを欠いている面も見える。十分なスペースがあれば素早いトランジッションを仕掛けることもできるのだが、それでいてパックキャリアが単独で敵陣に入り相手守備陣の網をテクニックで交わそうとするプレイヤーも居たりして、どうにも一体感に欠ける印象がる。
15:47 B Too many players on the ice(代行#9)
バックスがクレインズ陣内で連続攻撃を仕掛けている。チャンスと見るやフレッシュなプレイヤーを投入しようと選手交代をするもレフェリーの目の前。4人制でなければ見過ごされていたメンバーチェンジだった。
で、頂いたチャンス。2度目のPPなのだが、どうにも手数が少ない。敵陣に居続けることに満足感を覚えているのか、シュートを打たないのは何故なのか。結局、パス回しで些細なミスからパックをクリアされる始末。
18:57 B91 Highsticking
両者もつれ合って態勢を崩した直後にスティックが大澤の顔に入る。
3たび訪れたPPなのだが、それにしても手数が少ない。敵陣でパックを継続するのは結構だが総じて決定力不足であることも否めない。
Shots on goals:C13,B8
度重なる相手のミスに乗じることができず1点止まり。3つのPPを生かせないツケがあとに回ってこなければ良いが...。
第2ピリオド
22分過ぎ、小原がニュートラルゾーンで相手のチェイスを交わし鮮やかに中央を抜けて行くとノーマーク。絶好のチェンスだったが肩口を狙ったシュートは肩に当たってしまい追加点が奪えない。
24分過ぎ、ユールと西脇が自陣からの早い展開で一気に2on1のチェンスを作る。左サイドパックキャリアのユールが切り込んでいく。横パスを待ち構えている西脇が居たがパスがワンテンポ遅く相手のブレードがすぐそこに。結局、シュートもパスもできずカット。そこから反転カウンターを食らうと右サイドからゴール前に切り込まれていく。
24:47 C2 Slashing
辛うじて止めたは良いが反則。ここまで我慢していたバックス。最初のチャンスが転がり込むと、
26:34 アイスバックス1点目(PP+1) G58(slap/左60度/15m)←A27
しっかりゴールにスクリーンを入れ、外からB58とB27が執拗にパス交換。ゴール前の陣形を見極め満を持して放ったシュートはスクリーンとゴール左ポストの間をしっかり捉え綺麗にゴールネットを揺らした。鮮やか過ぎる。
この1点で勢いずいたバックスが次々とクレインズゴールを脅かす。クレインズが攻め込んでいても凌いだ後のパックを素早く前に出すとウィングが鋭い随伴でパックに飛び込み一気にニュートラルゾーンを駆け抜けサイドからゴール前にセンタリングを出し、そこへ飛び込む形を2度3度。どれだけクレインズが攻め込んでいてもトランジッションの早さに命を削っているかのごとく生き生きとリンクを駆け抜けるバックスプレイヤーの前にクレインズはいつしか試合の主導権を手放していく。
31:15 C3 Tripping
そして、自陣で反則を犯すと、
33:22 アイスバックス2点目(EQ) G8(wrist/正面/6m)←A58←12
1点目と同じ形でゴールを狙う。さすがに2度目は御免とクレインズも懸命に凌ぐのだが、PKが明けても自陣からパックを出すことができず、最後はB8の個人技の前に屈する。左サイドのボード際からパックを拾うと中央にドライブしつつ切り込み正面に回りミドルシュート。石川がブロッカーで弾くもきちんと正対できなかったのかパックが左サイドの内側に跳ね返ってしまいグラブで拾おうとするも対応できず。
34:01 アイスバックス3点目(EQ) G10(wrist/ほぼ正面/3m)←A45←91
更に悪夢は続く。ニュートラルゾーンから自陣に流れたパックはゴール正面でサークルの間辺りに転がっていく。そこに鬼頭が走りこみパックを拾ったかに見えたが何故か転倒。そこでパックを奪われる間にゴール右に走りこむB45にパス。すぐさま逆サイドに返すと更に飛び込んできたB10が合わせてゴール左脇にパックが飛び込み2点差。更に、
35:12 アイスバックス4点目(EQ) G3(slap/左60度/18m)←A58←8
ゴール前でハイスティックがあったように見えたが...。左サイドのポイントの位置でB3がシュートを放つもパックは大きく浮き上がるがゴールに向かっていく。シュートコースに合わせてグラブを差し出した石川だったが何故かファンブルしてしまい、パックはゴールに入ってしまった。ゴール前でハイスティックがあったように見えたがその場面をはっきり確認したわけではないのでこれ以上のことは言えない(それよりも石川がキャッチするだろうと思って見ていたから私の視線に入っていなかったのかも知れないし、このシュートの前の段階であったのかも知れない。いずれにせよ、さかんに抗議するも聞き入れられる訳ももない。
35:40 C77/B91 Holding
ようやく事の重大さに気づいたか一転して激しい攻めに転じるも、時すでに遅し。次々と敵陣に入りシュートを放ってはいるもののいずれも単発。何をしているのか、何をすれば良いのか、わからないままプレーしているクレインズのプレイヤー。明確な立て直し策もないまま、やみくもにパックを前に出しているが、気持ちが入っているように見えなかったのは私だけだろうか。
Shots on goals:C9,B18
言わんこっちゃない。ヌルい攻めをしているからこうなる。たった一つの綻びが致命的な結果を招く典型。打つべきところで打たない。自分で打たない。パスも出せずシュートも打てず、パックを奪われ攻め込まれると反則→一発で失点。ここから間違いが始まっている。1ピリのヌルいプレーの連続が招いた悲劇、いやある意味、喜劇かも知れない。
勢いずいているバックスの流れを断ち切ることができるか、結果はどうあれこの3ピリをどう見せるかによって今期の行方を左右するといっても過言ではないかも。
第3ピリオド
41:19 B2 Slashing
41:43 B47 Tripping
既に3点差はついているものの、この状況は意地を見せるという問題ではなく、これまであったチャンスを決められなかった反省の意味も込めて、しっかりと地に足をつけてきっちり1点を奪ってほしいところ、だったが...。
シュートは浴びせてはいるのに入らない。もうひと工夫が足りない気がする。2人も多いんだから身体のでかいP・Oをスクリーンを使ってみるとか、ゴール前にダミーを一人切り込ませるとかして、相手を動かしコースを作りながらシュート力のあるダーシに外から打たせてみるとか。やみくもに力任せに打ち込むばかり。ここまで点差をつけらてしまった「流れ」もあるのかも知れないが、B39の好守にも阻まれゴールが遠い。
46分過ぎ、自陣からの飯村が上がりニュートラルゾーン中央を抜ける。相手をひきつけ誰もいない左サイドに流しユールが走りこむと左サイドを抜け出しフリー。そのまま切り込んでいくもののまたしてもB39の好守に阻まれる。何とかしなきゃという勢いは感じられる分、攻め上がる場面は何度も訪れるのだが、阻まれれば阻まれるほど余計にバックスに勢いがつく。
49分過ぎ、点を取らなきゃ勝てない。だから決めきれなければカウンターを食らう確率も当然高くなり逆襲。2on1を献上するも、さすがにこれ以上の失点は致命的とばかりに外崎が懸命にスティックを伸ばつつラストパスを身を挺して防ぐ。
50分過ぎ、酒井、久保、小窪が敵陣で見事なコンビネーションを見せる。コーナーの小窪から久保に戻しクロスパスでゴール前、ジャストのタイイングで酒井が入り合わせるもパックがゴールの枠を外れていく。
51分過ぎ、やはりカウンターを食らうと最後はB61がスロット右サイドでフリー。しかし、石川もしっかり正対しゴールを許さず踏ん張る。
52分過ぎ、先制点に絡んだ今村が敵陣で華麗なスティックワークを見せつつ相手のチェックをかいくぐり正面からミドルシュート。リバウンドがこぼれたところに山野が入ったがブレードが出る直前にB39のグラブで抑え込まれてしまう。
52分過ぎ、またしてもカウンターで2on1。スロット右サイドからシュートを打たれる直前に懸命に戻って間に入っていたダーシがやはり身を挺してブロック。ピンチを免れるも、
52:39 C20 Roughing
起き上ったあと、自陣左コーナー付近で強烈なチェックを浴びせてしまい、さっさとペナ箱へ。カウンターを取られたこと自体も気に入らないんだろうが、PKで時間を使うのは得策ではない。ここは耐えて欲しかった。
点こそ奪えてないものの、いくらかはクレインズに流れが来ているのだろう。酒井、西脇がPKであるにも関わらず2人で敵陣奥に入り込みパックに絡んで時間を使い相手にチャンスを作らせず。
53:55 B12 Interference
自陣からパックを大きくクリアした外崎がアフターチェックを食らう。
1分以上のPPになるも肝心な1つ目と2つ目がPPで結果を出せない。敵陣には居るのだが攻め切れず。力が入ってシュートをダフったり。EQとなり氷上には山野、今村、博史が出た。懸命に敵陣へプレシャーをかけパックを奪おうとが激しくチェイスしパックを奪うと今村が態勢不十分ながらも正面からミドルシュート。かき回されDF陣の寄せが遅かったためかB39が思い切って前に出てシュートを受け止める。ここに山野が絡んで混戦状態。
56:07 クレインズ2点目(EQ) G19佐藤博史(wrist/ほぼ正面/3m)←A10山野←1今村
双方のプレイヤーが入り乱れるも最後は博史がこぼれたパックを押し込んでようやく2点目を奪う。唯一気を吐いた4つ目の頑張りで2点差まで詰める。
57:28 C Timeout
57:28 C61 GK out
敵陣のフェイスオフ。最初から6人攻撃。20-76-11-75-3-55で勝負をかける、いや、とにかく1点をもぎ取りにいくも相手も考えうる最強メンバー8-58-12-27-3で待ち構える。しかし、ここでも主力セットが結果を出すない。
23-77-47-10-24-17で一旦メンバーを変えるもパックを流され自陣奥へ。懸命に追いかけた梁取が絡まれて転倒。
58:49 B47 Hooking
再度、20-76-11-75-3-55で挑む6人攻撃もバックスプレイヤーが3人もゴール前に倒れこむ懸命のプレーでゴールを死守。
60:00 B39 GK out
Shots on goals:C16,B3
自分たちはそれほど強くないということを本当の意味で理解していないようだ。1ピリに3度あったPPを決めきれず、結果1点のみで終わったことに誰も危機感を抱かなかったのか。相手に最初のPPを与え、それを一発で決められた時点で事の重大さに気づいて欲しかった。不運な失点があったにせよバックスに連続失点を喫したのは事実。「まだまだいけるぞ」と思わせてしまった1ピリの結果がその発端となり、同点のきっかけを作った反則の直前に決定的なチャンスを潰したプレーが導火線になって一気に崩れた。
いつでもどこでも点が取れるという甘さが、数少ないチャンスを練りに練ってモノにしたバックスの同点ゴールになって結実していることをもう一度良く考えて欲しい。同じ過ちを二度と繰り返して欲しくないから。