(0)プレリュード
せめて一矢報いてもらいたい。今期、「先」を見据えた戦いを考えるならば、新横浜で負けっぱなしはいかん。連戦で連敗だけは避けてもらいたいし、それよりも貯金がゼロになる。なんとしても、今日は勝って釧路に戻ってもらいたい。どんな形でも構わないから。以前の観戦記にも似たようなことを書いた記憶があるが、今日もそんな気持ちだった。
で、今日は短くなるかなぁと思ったけど、やっぱり長くなってしまったので「心して」読んで下さい。
【クレインズ】
33−41
20−15−32−3−7
13−92−24−77−22
96−27−14−55−34
44−39−81−5−2
メンバーは一緒でしたが、実際には、辻と正和を入れ替わり、匡史のところに村岡が入り、史郎がスペシャルセットに入った後に坪子が3つ目のセンターに上がったり。DFは3つ回し。匡史、昭範、岸部は出場なし。村上もシフト1回だったようです。
【コクド】
1−29
71−44−24−11−77
75−16−18−39−7
41−14−12−9−5
19−42−17−13−2
(1)第1ピリオド
レフェリーは昨日同様のホッカネン氏。昨日、あれだけ試合を「いじくりまわしてくれた」だけに、今日はどんな笛を吹いてくれるのか?。今日も3時間コースを覚悟しつつ...(これも文字通りの布石)。
立ちあがりから、コクドの鋭い出足に早くも押されるクレインズ。それでも、2分過ぎに自陣から27→55とつなぎ、見事に縦一本が決まり辻がノーマーク。しかし、岩崎に阻まれる。
今日は昨日のことを「反省」してかホッカネン氏の笛が「おとなしい」。確かに意識的に笛を少なくしたというきらいもあるとは思うが、よく考えて見ると、コクドのプレイヤーのパックに対する出足が良すぎて、クレインズがついていけてないだけの話。コクドの動きに序盤から翻弄されて、反則を犯せるような状況にならないんだもの。
ま、それでも、クレインズを支える「屋台骨」。15−20が持ち前のテクニックと精度の高いコンビネーションで互角に渡り合っている。ただ、他がねぇ...。
8:39 K39 Holding
それでも、動きのいい選手は居るもので、昨日、巻き添えを食って退場してしまった辻が、コクド陣内で執拗にパックに絡みつき、反則を取ってきた。が、ここでもコクドのプレスが程よく効いており、シュートすら放てず2分間が過ぎ去る。
13:35 C27 Roughing
この出足が悪い状況での反則は...、と心配したところに、決定的なピンチを迎えてしまう。ゴール左45度のフェイスオフサークルあたりにノーマークになったフォスターが狙いを定めてドプソンの肩口を抜いてやろうかと、まさにシュートが放たれようとしたその時に、
14:28 K24 Highstick/C20 UnsportsmanlikeConduct
笛が鳴ってくれたのだ。助かった〜!。
16:20 C13 K16 Holding
コクドゴール前に果敢に切り込む辻。もつれ合うように倒れ込む坂井。二人で必死にもみ合ったまま立ちあがらない。
で、このペナルティ開けから、辻の動きが目立ち始める。それまで攻められっぱなしだったクレインズが、辻がボードで粘りを見せ、パックを奪ってから3つ目でコクドゴールを脅かす連続攻撃が見られた。この動きがクレインズに思わぬ流れを引き寄せる。
19:19 K7 Highstick
2度目のパワープレーをつかむと、直後のプレーで
19:25 クレインズ先制のパワープレーゴール G15←24←22
ボード際で飯塚がパックをかき出すと、そのパックは絶妙なタイミングでゴール左に出された。そこに待っていたのはコンロイ。しかもフリーで。「もらった!」と思わず呟いた私の視線の先には岩崎の背中で揺れるゴールネットがはっきりと見えた。
あれだけ攻められた中でモノにしたワンチャンス。しかも取った時間帯もいい。こりゃ行けるぞ!。
シュート数はコクド9、クレインズ4。これがいつものクレインズか???。
(2)第2ピリオド
0:34 C7 Slashing
単独で切り込んで行った川口を抑え切れずシュートを放たれる瞬間、思わず出てしまったスティック。
このキルプレーを乗り越えると、今度は3分過ぎ、竹内がコクド陣内ブルーライン中央でインターセプト。ノーマークで岩崎と対峙するも、フェイントを入れずに、そのままサイドを狙ったシュートを放つも、ブロックされてしまう。残念。
しかし、またもや、3つ目が驚異的な粘りを見せる。辻と村岡がボードで執拗に粘りコクドDFを翻弄すると、ゴールに切り込むこと2度3度。その流れの中で村岡がゴール後方から出したパックがメンバー交代で飛び出してきた飯塚の前に転がった。
4:38 クレインズ追加点 G24←44
飯塚が叩いたパックは一直線にゴールに向かうと、岩崎の左脇をかすめ、ネットに当たり跳ね返った。この追加点は大きい!。しかも、この追加点はクレインズに追い風をもたらしたのだ。
5:42 K77 Highstick
6:41 K7 Interference
と、1分近いツーメンアドパンテージの大チャンス。電光掲示板に並ぶ反則退場者の背番号「77」と「7」。果たしてスリーセブン無制限ラッキナンバーフィーバースタートで、コクドゴールが「大開放」となるか?。
5人対3人では実らなかったが、1人戻った状態で、この男が決めてくれた!。
8:09 更に追加点となるパワープレーゴール! G92←7
ゴール左後方からディックの放ったセンタリングがゴール前に出され、そこ飛び込んできた腰越がワンタイムでバッチリ決めた。
ビッグウェイブ到来か。盛りあがるそして意気上がる観客席クレインズサイド。しばらくは、クレインズ優勢のうちに試合が流れるが、11分あたりから、試合進行は遅々として悪くなる。
11:42 C77 Holding
12分過ぎにポストに当たるヒヤヒヤもんのシュートを一発食らう。事無きを得たかに見えた、その直後、
12:52 C92 Tripping
サイドボードでタッカーから出されたセンタングをゴール前できっちり合わせに行った坂井。外れたものの、それを後方からチェックに行っていた腰越のスティックが坂井に絡んでしまう。今度は50秒ものツーメンアドバンテージを献上し、絶体絶命のピンチ。
しかし、必死の守りとドプソンの好セーブでツーメンアドバンテージ残り12秒のところまで凌いだが、
13:30 C20 CrossChecking
痛恨の反則でツーメンアドバンテージが1分22秒間に伸び、パワープレーも2分12秒間まで伸びてしまう。
さすがにこの厳しい状況を1分以上凌ぐことは出来ず力尽きる。
13:50 コクド1点を返す G44
これは、タッカー自身がゴール右サイドから出したセンタリングにディックが反応したものの、態勢を崩してしまい、スケートのエッジに当たり角度が変わってドプソンの股間を抜けてしまった自殺点。まさに不運としかいいようがない。この2ピリの流れなら、守り切れるだけの勢いがあっただけに悔やまれる1点だった。それが証拠に、まだ残っているコクドのパワープレーも、
14:49 K9 Holding
必死にコクド陣内で絡みつく竹内を押さえにかかったところが反則になり、クレインズがピンチを脱すると、
15:36 K71 Roughing
で、またもや迎えたツーメンアドバンテージ。一時的にたゆった流れはやはりクレインズのものだった。ここで突き放す1点が欲しいところ。ここで決まれば、あるいは...と思わせる展開になったのだが...。昨日、全得点を稼いだ1つ目のコンビネーションがこの肝心なところで乱れる。ゴール後方からのセンタリングミスで、パックが大きくクレインズ陣内に戻ってしまう場面が何度か見られた。この一連のプレーで折角できていた流れが断ち切れてしまった。
18:31 コクド2点目 G77←44
ポイントの位置から放ったシュートは(どっちかわからないが)プレイヤーに当たり大きく角度が変わったように見えた。何故なら、パックはあっさりドプソンの股間(だと思うが)を抜けてしまったからで、シュートコースに入っていたドプソンに右足をかすめてしまった。
それでも、コクドがつまらない反則を犯してくれた。
18:58 K71 Tripping
アイシングになりそうなパックを自陣で処理していた賢吾に覆い被さった桑原。チャンスが再び転がり込んだと思った矢先、
19:55 C96 Slashing
と言うわけで、チャンスを潰してしまう。
シュート数はコクド14、クレインズ8。終盤のツーメンアドバンテージを生かせなかった「詰めの甘さ」に不安を抱きつつ、やはり勝負は「3ピリ」に持ち越される。
(3)第3ピリオド
昨日のように、序盤にワタワタワタッっと点を取られるのだけは勘弁願いたい。心配だったキルプレーもなんとか凌いだと思いきや、
2:28 C92 Holding
またもやキルプレーを迎えるが、懸命の守りで2分が過ぎ去ろうとした頃、ブルーライン際でパックを持ったコンロイが大きくパックを流して時間を稼ぐかな?と思いきや、攻めあがろうとパックをキープしたところにコクドにプレイヤー2人が潰しにかかる。あえなくパックを奪われたところから、ピンチを迎えると、2ピリ中盤にクレインズが見せた執拗な攻めをコクドにされてしまい、後手後手に回るハメに。最後はゴール右にこぼれたパックがバックハンドで押し込まれると、するするとゴール左スミに流れ込んでしまった。
4:42 コクド同点に追いつく K13
突っ伏すドプソン。ゴール本体にやつあたりするディック。呆然と立ち尽くす残りの3人のプレイヤー。猛烈に喜ぶ佐々木圭司(今季初ゴールだもんね)。その場面を見せられ声も出ない私。
しかし、まだ負けたわけではない。それが証拠に、またもや辻がボード際から懸命にコクド陣に進入しようとしたところで、
5:18 K14 Highstick
見事に反則を取ってくる。しかし、
5:56 C32 Highstick
チャンスがついえたかに見えたが、
6:23 K39 Hocking
腰越がコクド陣で執拗なプレスをかけ、パックに絡みつくと、これまた反則を誘い、1分半ほどのパワープレーが「戻ってきた」。しかし、肝心なところで今日は1つ目が機能せず、シュートが放てない。
それでも、本日再三登場する辻と村岡が見せ場を何度も作る。とにかく、何がなんでもパックを奪うんだという姿勢がボードでの粘りとなって現れ、奪ったパックを今は何がなんでもゴールへ運ぼうとするプレーを9分過ぎ、10分過ぎに見せる。ゴールにはならなかったものの、あの姿勢を見て他の選手は「何かを感じてほしい」のだ。
14:26 C3 Holding
17:00 C96/K41 UnsportsmanlikeConduct
このあたりからコクドの攻めに厳しさが増してきた。何度も何度もクレインズ陣内に入っては、執拗にゴールに向かってなだれ込む。それを必死に凌ぐドプソン。そんなドプソンにFW陣はゴールという贈り物で報いて欲しい。しかし、はからずも逆に流れてしまうとは。
ずっといやらしい動きをしていた鈴木があっさりクレインズ陣内に入り込むと、絶妙なタイミングでゴール正面(2つのフェイスオフサークルの真ん中あたり)にパスを出す。そこに飛び込んできたのは坂井。マークを軽く交わすと、強烈とは言えない、フワッとしたシュートを軽〜く放った。ところが、あにはからんや、
18:08 コクド執念の逆転ゴール G16←18
なんと、そのパックがゴールの右スミに計ったように決まってしまった。ここまで好セーブを見せていたドプソンの虚を突く技有りゴール(放ったシュートのタイミングが本当に良かった)で、ついに逆転を許してしまったのだ。
18:52 5人攻撃敢行
するも、1本のシュートも打てずに、
19:25 とどめのエンプティネット G41
シュート数はコクド22、クレインズ6。
冷静に考えたら、トータルシュート数18本で勝とうと思うのが間違いなんでしょう。それに、勝負に対するこだわりがあまりにも「あっさり」しすぎているのでは?。少なくてもコクドは0−3からでも諦めたりはしていなかったし、厳しいプレッシャーを常にクレインズに対してかけていた。その気持ちが2ピリで1点差まで追い上げ、3ピリ勝負に持ち込んだ「底力」なんでしょう。ここが、今のコクドとクレインズの違いなんでしょうね。得点経過や試合展開に違いこそあれ、勝負のポイントは昨日の試合と同じ、というより、今季のクレインズについてまわっている「課題」である「3ピリをいかにモノにするか」というところに行きついてしまっていると思いますよ。ただ、決して悪いところばかりではないんですよ。辻や村岡のように「とにかくゴールを奪うんだ」という気持ちが出ているプレイヤーも居るんです。まだまだチーム全体に浸透していないように思えます。2000年に入って1つも勝ってないクレインズですが、一握りのプレイヤーだけが気持ちを見せたぐらいでは勝てないですよ。きっと。
というわけで、今日も昨日と同じ言葉で締めたいと思います。
月寒で7連敗を止めたときの「あの時の気持ちを今こそ思い出せ!」
ということです。
来週は王子と3位をかけた直接対決2連戦。しかも釧路での最後のゲーム。今こそ、0−3から引っくり返された悔しさ(まさか悔しくないなんて思っちゃいねえだろうな)を丹頂リンクにぶつけてもらいたい。そして、地元ファンに恥ずかしくない試合を見せてもらいたい、と切に願うばかりです。