(0)プレリュード
十條・クレインズを応援し続けて25年。ついに「このとき」が現実のものになろうとしている。ついに通算成績で王子製紙より上に立つことができるのだ。さんざん好き勝手にやられ放題にやられた十條リンクでの試合。そして初勝利の試合。9年前プレーオフ進出をかけた東伏見での崖っぷちの試合。先週、釧路で決めた初の勝ち越し試合。思い出に残っている試合は数少ない。それ以上に王子に負け続けてきた試合をさんざん見てきた私にとって、ついに「歴史的な日」がやってこようとしているのだ。ここまで実に25年。大袈裟かもしれないが、「単にセミファイナルを東伏見でやれる」ということ以上に、重要な試合なのだ。
目前で「3位奪取」、「王子より上」を決めてほしい。いままだ、さんざん期待させて、「ここぞ」というところで「期待」を裏切ってきたクレインズ。奇しくも9年前の勝つか引き分ければプレーオフ出場決定という相手がこれまた雪印。単なる因縁とは思えない。試合前に叫んだ「新横やだ、新横やめろ」というセリフは、私にとって別な意味を持っているのだ。
【クレインズ】
41−1
20−15−32−3−7
96−92−24−77−22
13−27−44−55−34
14−39−81−9−2
昨日と同じメンバーだが、DFはあくまで3つ回し。
【雪印】
30−1
16−91−25−33−44
43−9−58−3−39
11−27−8−22−5
10−17−12−77−21
既に目標を失った雪印に対して、目標のあるクレインズが負ける訳がない。心配なのは「失うものが無い」とう気持ちからくる「開き直り」で、ノビノビと試合されてしまうことぐらい。
(1)第1ピリオド
やはり、モチベーションの違いか立ちあがりから、クレインズの動きの良さが目立つ。随所でパックを支配し、試合を優位に進めるものの、最終的にゴールを脅かすところまでにはなかなか至らない。ただ、パックを持って相手陣に入りシュートを放つという展開に変わりは無い。淡々と時間だけが過ぎて行くが、このままの動きを続けていれば必ずやクレインズにゴールシーンがやってくるはずだ。
9分過ぎ、自陣側に近いニュートラルゾーンから史郎が縦パス。ブルーラインでそのパスを受けた村上が持ち前の快足でマークを交わしゴール前へノーマークで切り込む。もしや先制か?、と思わせたが、橋本に阻まれる。う〜ん、去年の村上なら...。今年初(釧路でゴールは決めているが、私は見ていない)の村上のゴールシーンが見れたかもしれなかったが、残念。
更に11分過ぎにも村上が雪印陣内でパックを奪い、ゴールを脅かすが詰めがいまひとつ。もう少しだ。この動きは必ずや報われる。
またもや、雪印陣内のベンチ前でパックを奪った史郎がゴール前に切り込む。橋本とぶつかる感じでシュート。それをフォローしていた村岡と、逆サイドに居た辻がゴールになだれ込んだ。
12:56 クレインズ先制! G44←27
遠めからは、逆サイドに居た辻がこぼれたパックを押し込んだようにも見えたが、その前に村岡が決めていた。いかにも村岡らしいゴールという感じで先制。3つ目が奪ったというところがいい。ここ数試合、ゴール、アシストの名前に「漢字」が並ぶようになった(拙者のページ。「クレインズの戦績」を参照のこと)。いい傾向じゃないの?。
しかし、点を取った直後の13分過ぎ、今度は雪印に攻めこまれる。雪印の2つ目に好きなようにクレインズ陣内を走り回られ、数十秒ほど「危険」な展開に。最後は大滝がフリーズして事無きを得たが、先制した直後だけにきっちりしてもらいたいところ。相手がこういう状態の雪印だったからよかったものの、セミファイナルでは命取りになりかねない。
しかし、これを乗り切ったクレインズに妙なプレーが起きてしまう。これまた雪印にプレスを受けた原武。自分の元に飛んできたパックをクリアしようとふりかぶった手にパックがピッタリはまってしまい、哀れパックは場外へ。観客の失笑と共に、レフェリーの笛が鳴る。
15:18 C34 Deley of the Game
いかにモチベーションの低い雪印とはいえ、パワープレーの巧さには定評がある。それまで淡白な動きだった雪印が水を得た魚の如く、見事なボックスフォーメーションでクレインズゴールに襲い掛かる。しかし、クレインズもペナルティキリングはフルストレングスよりも得意だ(苦笑)。一度、パックを出すと、選手交代。しかし笛が鳴る。
16:37 S22 Cross Checking
ベンチ前で選手交代を邪魔したようだ。ピンチを脱すると1分近いパワープレーがやってきた。
ディックがポイントの位置からパックを大きくゴール左サイド奥に位置している竹内につなぐ。竹内がゴール裏を通って、逆サイドからフェイスオフサークルとブルーラインの間辺りに居るコンロイに戻すと、コンロイ入魂のシュートが橋本目掛けて飛んで行く...。
18:13 クレインズ追加点となるパワープレーゴール! G15←32←7
そして、久々にディックにアシストが記録され、アシストを27に伸ばし、アシストランキングで並んでいたブライトに1差をつけた。電光掲示板に浮かぶ「7 DYCK」の文字に沸きあがるクレインズ応援団席。
1ピリはこれにて終了。シュート数はクレインズ19、雪印11。このシュート数は当然の結果でしょう。
(2)第2ピリオド
相変わらずクレインズの優位は変わらない。
3分過ぎ、「ウォリャー」の掛け声もろともタンク斉藤、渾身の「ぶちかまし」炸裂。
4分過ぎ、竹内がノーマークになる。フェイントを入れるか、脇か肩口を抜くか、スライドしながらマタを抜くか、何でもできたシチュエーションだったが、脇を狙ったシュートは橋本に当たる。
8分過ぎ、今度は賢吾がゴール前でDFに体を預けられながらも辛うじて入っている竹内のスティックのブレード目掛けてパスを出すも、ブレードに当たる寸前でDFのチェックに屈する。
しかし、これだけの攻めを見せていれば、いずれは「結果」に結びつく。
11:42 クレインズ追加点 G7←15←32
ゴール裏から出たセンタリングを「嗅ぎつけ」、いつのまにかゴール前に上がってきたディックがなんと「どフリー」。あっさり決めると、久々に飛び出したディックのガッツポーズ!。アシストの方が良かったけど、まずはチームの勝利。でも、これで10ゴール目。日本人FW顔負けの活躍でっせ!。
その後、16分過ぎまでは激しい攻守交代が繰り広げられるが、いずれも詰めが甘く、決定的なシーンまでには至らない。
18分過ぎには、またもや3つ目が波状攻撃を見せたが、最後は原武が戻ってきたパックをブルーラインで受け損なってしまう。
結局、反則もないまま2ピリが淡々と終わってしまった。シュート数はクレインズ14、雪印13。
(3)第3ピリオド
あと20分で「結果」が出る。「引いて」欲しくない。「前向き」な試合をして欲しい。
3:44 S39/C34 Roughing
先に相馬が手を出す。笛が鳴るまで数発「いいのをもらいながら」もじっと我慢していた原武だったが、笛が鳴った後、こらえきれずにグラブを外して応戦してしまった、という状況でありながら、裁定は
3:44 C34 MissConduct(#13がマイナー分を代行)
双方ともミスコンならわかるのだが、何故、さんざんやられていた原武だけがミスコンなのか、理解に苦しむ。グラブを外したからか?。笛が鳴ったあとに手を出したからか?。しかし、その状況をレフェリーは一部始終見ていたはずだ(視線がそっちに向いていたのを確認してるし、そぐ脇でラインズマンも見ていた)。かなりの野次がレフェリーに飛びました。こういう時こそ、何故裁定に差がついたのかを「説明」して欲しいのですが...。相変わらず「お役所仕事的運営」は変わってないですねぇ。
しかし、このピリオドは雪印が攻め込むシーンが目立つ。どーして「守り」に入ってしまうんでしょ。いや「守る」ことがダメだというんじゃないんです。「守っている」という「気持ち」を持っているのがいただけないのです。前向きな気持ちを持って「守る」のならいいのですが、常に雪印のプレイヤーを追っかける展開。当たり負け、競り負けが目立ち始めたから言っているのです。
11分過ぎ、ここまで無得点だったクレインズ。このまま行けば大滝の2試合連続完封が見られるのだが、こんな状況で完封しても後々クレインズにとって決して良いとは思えなかった私は、敢えて「1点取られればいい」と本気で呟いてしまいました。その矢先、
11:44 雪印1点返す G91←33←25
私は、これで良かったと思います。
その後、試合は15分過ぎまで淡々と流れていくのだが、クレインズの攻撃場面は14分過ぎに1つ目がカウンターで攻め込んだときぐらいしか印象に残っていません。せっかく作っていた良い流れを断ち切ってしまった以上、仕方のないことでしょう。
18:04 S22/C92 Holding
フェイスオフのパックが雪印に出た時点で橋本が上がり5人攻撃。
19分過ぎ、クレインズにパックが出て、ダーシがレッドライン付近でフリーの状況でパックをキャリー。その前に走り込む竹内と雪印DFがもみ合っている状態。当然、ダーシがゴールを狙うのかなあと思っていたら、前に居る竹内にパスを出す。しかし、雪印DFも必死の守りで竹内にシュートを打たせないまま、双方ともに無人のゴール脇で転倒。ま、エンプティだから、点が入っても入らなくてもいんだけど...。まあ、3ピリの姿勢にはちょっと首を傾げてしまいましたが、なにはともあれ、終了10秒前になりました。万感の思いを込めてしっかりと秒読みさせていただきました。
シュート数はクレインズ10、雪印13。GBPは大滝でした。
第25回リーグ以来の3位。
同じく得失点差プラス。
同じく勝ち越し。
プレーオフセミファイナルは西武鉄道との対戦で、「新横やだ」が実りました(東伏見から)。
そして、初めて通算成績で王子製紙を上回りました。
第2試合で西武のブライトが1アシストで止まったため、ジョエル・ディックが同ポイントながらアシスト王になりました。
DF初のタイトル奪取です。
更にその後の表彰式でベスト6が発表され、ダーシとディックが選出されました。
さあ、表彰モード、お祝いモードはこれで終わりです。
これからは「覇権」をかけて、目標のファイナル進出と、昨年の借りを返すべく、「確固たる信念を持ってセミファイナルを戦ってほしい」,
と切に願います。そして、今年こそ「歴史を変えてくれ!」。
そして、「がんばれクレインズ!」。