第34回日本アイスホッケーリーグ 雪印VS日本製紙クレインズ 4回戦(札幌月寒体育館) 観戦記

(0)プレリュード
 10月23日から私は「関東圏以外でのクレインズの追っかけ」を始めたわけだが、まさかまさかの2勝7敗2分け。しかも、ここ9試合2分けを挟んで7連敗。およそ1ヶ月勝ち星から見放されるとは思わなかった。しかも、私のリフレッシュ休暇もここで終わりなのに、この9日間で1分け3敗。最後に勝たなきゃ「リフレッシュできないリフレッシュ休暇」になっちまう。昨日の試合に対する怒りはそれとして残っているが、自分自身のために、「何のためにこの1週間に休暇を設定したのか」。私には「結果」が欲しかった。今日は「途中で倒れても構わない。あらん限りの声を出す」。そんな姿勢で私は臨んだ。頼む、この思い、チームに伝わってくれ!。
 昨日も応援に関しては十條キンバリーさん、森の鉄筋屋さん主宰の「アウェイ応援団」と「つるっ子マニア」が相互に協力し合い、もうこれ以上は無理でしょうというくらいに会場を盛りあげた。昨日それができて、今日それができないことはない。対する雪印はなんてったって地元札幌。そちらも大応援団を繰り出している。ゲット君とスノッピー君も登場し、試合開始前からヒートアップ。とても第1試合とは思えない「熱い空気」が早くも流れ始めていた。全ては10月30日雪印に負けてから、この連敗街道が始まってしまった。他のチームに勝つことはもちろんだが、当面の敵、雪印を今ここで撃破しておかねば、この先苦しいのだ。森の鉄筋屋さん、10月31日0−5完封負けを喫した時のチケットを持参。おお、思い出すぜ、あの情けない試合を。今こそリベンジの時が来た!。
【クレインズ】
33−41
20−15−32−3−7
24−92−96−77−22
13−27−44−55−34
14−39−81−9−2
やはり落ちつくところはこのメンバーなんです。戦術、セット回しも重要ですよ。でも一番重要なのは「気持ち」なんだ。「勝てないはずがないんだ」(結局、4つ目の5人は出場がありませんでした。今日の試合展開ならやむを得ないところでしょう)。
【雪印】
1−30
16−91−8−33−21
42−27−58−39−44
13−10−25−22−5
43−17−11−4−77

(1)第1ピリオド
序盤は五分で渡り合う。しかし、その中で史郎と辻が雪印ゴール裏ボード付近で粘ってパックを奪い1本シュートを放つ。まだまだ、どっちが優勢とか判別できる状態ではない。

 5:55 C34 Slashing

しかし、クレインズ陣内でサイクリックにパックを回され、耐え切れずスティック出てしまった。
さすがにパワープレーが得意な雪印。岩本がブルーライン際でクレインズDFの裏を取ろうとしたが、あやうくオフサイドの笛に救われる。なんとか、守り切った直後、今度はクレインズゴール脇でディックが引っ掛けられる。

 7:59 S58 Interference

このパワープレー、パックは支配するが、決定的な場面までは発展しなかった。攻め手に関しては、まだいままでと変わりがないように見える。

 11:32 C13 Roughing
 11:32 S42 Elbowing

心配された4対4だが、今日は当たり負けしていないし、DFの玉だしもスムーズ。少しづつ動きが良くなってきた。そろそろ1つ目がチャンスをつかむ頃だ。雪印陣内でパックを支配すると、持ち前の粘りが見えてくる。そして、今日も始まりはこのコンビからだった。

 15:26 クレインズ先制 G20←15

コンロイが相手DFを引きつけるだけ引きつけ、ミタニに渡すと、ゴール前に切り込み、ゴールを中心にコンパスで1/4の弧を描くように回り込んで間野を寝かせ、バックハンドで決める。よし、この後もガンガン攻めろ!。
そのままシフトした1つ目が雪印陣内でパックをキープ。またもや見せ場を作る。するとどこでスティックを落としたか知らないが、クレインズの攻めに耐え切れず、パックをつかんで放り投げてしまうという「ふとどき者」が現れた。

 16:15 S44 Pack Holding

早速、腰越と飯塚が2対1の態勢で雪印ゴールに襲い掛かる。しかし、パックキャリアだった飯塚。なんと腰越にパスを出してしまう。ダメダメ、DFが腰越にパスがでるのを読んでいるよ。そこは「勝負」しなきゃ。そのままシュート打って、仮に入らなかったらそりゃ残念だけど、あの局面でシュート打って外してもそれを責める奴はだれもいないよ。案の上、ベンチでみっちゃん経由リーヴコーチからお説教を受けていた。その反省を次のチャンスに生かせ!。
騒然としたうちに1ピリ終了。シュート数はクレインズ11、雪印10。うん、今日は「負けていない」。その姿勢を2ピリ以降も続けろ!。

(2)第2ピリオド
遂に月寒にも現れたSPYがライヴをかます。しかし、それに合わせて踊りまくるゲット君。釧路でも「ダンシングゲット君」やれば?。はっきり言ってSPYより目立ってたわ。

 0:49 C7 Holding stick

このキルプレーは問題なくクリア。
その後、3〜4分にかけて腰越と正和が雪印陣内でパックを奪い粘ると、メンバーチェンジもなんのその、それを辻と史郎が引き継ぐ。まだまだ動きは落ちていない。しかし、

 5:12 C27 Interference

折角、辻が雪印ゴール裏でパックを奪ったのに、追撃する雪印DFの出足を妨害してしまう。
さすがにこのパワープレーは雪印の攻めが随所で上回る。クレインズ必死のDFでキルプレーを守り切ったかと思った直後。

 7:13 雪印同点に追いつく G33←13←16

最後の最後に絞り出されたようにドプソンの左手前に出てしまったリバウンドに食い付き、肩口に決める。う〜ん。しかし、まだまだ大丈夫。まだ動きは衰えていないし負けてもいない。まだまだ、ここで弱気になるな。チャンスはすぐやってくるのだ。

 7:47 S44 Holding

パワープレーでセットしたからの攻めは当然として、今日はさかにディフェンディングゾーンからの「縦パス」を仕掛け、ウィングを走らせる。7→15へ、3→92へと果敢にセンターラインパスを通すものの、パスレシーブが悪くシュートまで持っていけない。かと思えば、13分過ぎ、辻が雪印陣内コーナーでパックを奪い、DFを引きつれ強引にゴールに切り込む。うんうん、その姿勢が欲しかったのだ。点には絡まなかったが、今日の3つ目13−27−44は立派にチェッキングラインをこなしていた。特に辻の動きには「力強さ」を感じた。その姿勢、最後まで貫いて欲しい。

 17:31 S27 Intreference

「ソーラ、シュート!」コールを執拗に繰り出す我々。しかし相変わらずパワープレーが決まらない。しかし、正和がそのまま雪印陣内でパックを拾い、ゴール裏で態勢を立て直そうとした矢先、突然倒れ込んでしまう。

 19:50 S44 High stick これがダブルマイナーとなる。3ピリ開始早々に希望を残し、2ピリ終了。シュート数はクレインズ9、雪印10。

(3)第3ピリオド
またまたまたまたまたまた「3ピリ勝負」。今度こそ、いままでの鬱憤を晴らせ!。
1つ目から始まったパワープレーはそのまま2つ目にチェンジする局面を迎えた。しかし、その間隙を縫って賢吾がゴール左サイド(雪印ベンチ前)を「突進」。それを絶妙のタイミングで飯塚に戻すと...、

 1:08 クレインズ勝ち越しのパワープレーゴール! G24←3

綺麗に間野の脇を抜きゴールネットが揺れた。そして、大挙詰め掛けたクレインズ応援団も揺れた。飯塚が決めたってところがいいじゃない。さあ、まだまだ攻めろ攻めろ!。ん、しかし、

 3:13 雪印またもや同点に追いつく G58←22

ゴール裏斜め後方で一瞬早くパックを出され、これまたDFがマークについていたにも関わらずスティックが生きていた。ちょっとしたプレスに屈した。こういう「守ろう」としする展開はいかんのよ。実質ショートハンドゴールでまたもやキツイ展開に。しかし、「気持ちの灯」だけは消したくない。あらん限りの応援で月寒がまたもや揺れる。「行け行けクレイン!」。そう、今日は「負け犬」クレインズなんかではない。1ピリ終盤のプレーの反省はここに生かされた。

 6:17 クレインズ、またもや勝ち越し! G24←92←96

腰越と正和が必死にパックをつないできた功績も大きいが、そのパックをゴール右脇で拾うと、ゴール前を弧を描くように切り込み、雪印DFを巻き込むように強引に放ったシュートがゴールにつながったのだ。「やればできるやんか!」。
しかも、この積極的な動きが「クレインズに素敵な贈り物」を授けてくれた。そう、一所懸命やれば神様はちゃんと手を差し伸べてくれるのだ。

 7:40 ラッキーな追加点 G7←3

ブルーラインペナルティボックス付近から放ったシュートというかダンプインというか、フワッと浮かせ流し込んだパックは、間野の手前でバウンドし、そのまま間野のグラブに入るはずだった。しか〜し、なんとイレギュラーバウンドし角度が変わる。するとネットが、ネットが、揺れてしまっていたのだ。いや〜、こんなこともあるもんだ。なんと3ピリで2点差をつけてしまった。早くも「バンサイ」が巻き起こる応援席。しかし、その余韻を断ち切るように、

 8:00 そりゃないぜ、雪印1点差に詰め寄る G58←44

果敢に攻め込む村岡が放ったミドルシュートをドプソンが弾くも、そのパックがゴールインしてしまう。おいおい。お互いラッキーパンチを一発づつ浴びせつつ、やはり「1点差勝負」になってきた。
いつものクレインズなら、守りに回って結局同点、逆転されるということを繰り返してきたが、今日は違った。確かに、「手数」は雪印が多かったが、「危ない場面の連続」というほどではなく、クレインズもパックを奪うと、攻め込む姿が14分過ぎまでみられた。4−3になって以降、応援団は全く応援を止めようとしない。アウェイ軍団「名指しコール」の後、つるっ子が引き継ぐ。とにかくクレインズに弱気になってほしくない我々、随所で「そーらシュート!」を繰り出す。そかし、徐々に雪印に攻め込まれる場面が増える。辛うじてアイシングで切る場面が見られ始めたのが16分過ぎあたりまで。

 15分過ぎ ゲット君、ロケット風船を配り始める。

「まだ早いって!」という私の声を知ってか知らずか「フェイスペインティング」を施した顔で「ニャッ」と笑うゲット君は相変わらず風船を配り始める。まだまだ、最後の最後まで応援の手を抜いてはいけない。

 18分過ぎ 決定的な場面を迎える。ドプソンと村岡が1対1に向き合ってしまった。また土壇場でやられてしまうのか。覚悟を決めていたが、なんと村岡、パックがあまり上がらずドプソンの胸に当たってくれた。ラッキー。そのプレーの後タイムアイトを取るクレインズ。弱気になるな、という意味をこめて「そーら攻めろ(ドンドンドン)クレインズ(ドンドンドン)攻めろ(ドンドンドン)クレインズ(ドンドンドン)・・・」でタイムアウト中に叫ぶ我々。別に攻めなくてもいいのだ。弱気になってほしくない。「攻め」の気持ちを持って欲しいという意味で必死に叫ぶ。プレー再開。その叫びが通じたのか、クレインズは雪印陣内でパックを奪い、しかも雪印にパックを渡さず、6人攻撃すらさせない「積極的な守り」で遂にカウントダウンの段階までこぎつけた。そして、そして...。

よーやく勝ったよ! とにかく嬉しい!。長かったわホント。
GBPは2ゴールの飯塚。
ちなみに第3ピリオドのシュート数はクレインズ6、雪印9。シュート数の多い少ないの問題じゃないんだ。
今日みたいな試合をして欲しいのだ。「気持ち」さえ負けなきゃ「クレインズは勝てるチーム」なんだよ。
ようやく「勝とうとする気持ちが前面に出てきた試合」をしてくれた。その「魂」を忘れるな!。そして、今度こそ、この勝利を次につなげ、「これまで連敗した借りを返そうではないか!」

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