第34回日本アイスホッケーリーグ 雪印VS日本製紙クレインズ 5回戦(札幌雪印スケートセンター) 観戦記

(0)プレリュード
 「ここで勝っておけば」という思いを1ヶ月半前の釧路で感じたことを思い出した。過ぎてしまったことに対して「たら」「れば」は「単なる遠吠え」にしか過ぎないのだが。1ヶ月半前とは丹頂でも「雪印戦連敗」だった。あれから苦悩の2分けを挟んで7連敗が始まり、5連勝したかと思ったらバックスに破れる。昨日、「記録的な」大勝をしたものの、私は今日東京へ帰る時に、「ここで勝っておけば」という言葉をリフレインすることだけは避けたい。そう思いつつ「厳しい表情で」リンク入りした。上野幌駅から国道に出て暫く続く上り坂を一歩一歩かみしめるように歩く。年内負け越しは無くなったとはいえ、やはり負けては何の意味もない。「今日はどうしても負けられないのだ」。
 お久しぶりゲット君も今日は登場。でも、ごめんよ、今日は君のムタメイクよりも「原始人音楽隊」に目が行ってしまった(笑)。田代まさしばりの「小ネタ」かい?。

【クレインズ】
33−41
20−15−24−3−7
96−92−81−77−22
13−27−19−55−34
5−39−17−9−2
昨日と同じ。今のチーム状態ではこれが「いっぱいいっぱい」。厳しい試合になると思うが、とにかく「今日は踏ん張って欲しい」、なんとしても。
【雪印】
1−30
9−91−8−22−33
42−27−58−3−39
25−13−16−21−44
10−17−43−11−5
ミワを1つ目に上げ、しかも1つ目にぶつける布陣。そりゃそうだ。雪印にしたって後が無いのだ。それはわたしにだってわかるさ。痛いほど。

(1)第1ピリオド
立ちあがりから、「予想通り」雪印の動きの良さが目につく。パックに向かうスピードというか「勢い」が昨日とは待ったく違う。それはわかっている。昨日の雪印は本当の雪印だとは思っていない。

 2:38 C7 Tripping

ヘンダーソンの出足の良さに後ろから引っ掛けてしまう。いかんですよ、こういう反則。「私は走り負けてます」って言っているようなんだもの。
さすがにパワープレーになると見違える動きを見せる雪印。さかんにドプソンにシュートを叩き込んでくるが、ここはクレインズなんとか踏ん張った。
しかし、ペナルティキリングを凌いでも、相変わらず雪印の動きの良さは変わらない。反転速攻のスピードが昨日とはまるで違う。クレインズはその出足を止めるのが精一杯。最後はドプソン頼みという苦しい展開。

 9分過ぎ 相変わらずヘンダーソンの動きが「キレ」ている。昨日4ペナの汚名を晴らそうと、FW顔負けの突っ込みでスロットルラインまで果敢に攻め込む。それをなんとか受け止めるクレインズ。
(ここで、そうへいさんが飛行機の都合でリンクを後にする。お気の毒です。)
あっという間に10分が過ぎ「笛の少ない試合展開」は「いや〜な予感」がする「いつものペース」。相手が攻めているように見えるけど、クレインズが「耐え忍ぶ」。

 12分過ぎ さすがにやられてばかりではイカンという形で、今日初めて雪印陣にまともに攻め込んだ、というような感じで一つ目が波状攻撃を見せる。しかしゴールネットを揺らすまでには至らない。

 15分過ぎ このあたりは雪印が自由にスロットルエリアに入り込んでくるという、やはり「苦しい展開」。しかし、ここもドプソンがガッチリ守る。まあ、なんせ1ピリはドプソンの頑張り無くしては語れない、という感じ。

 18:56 S91 Hocking

ようやくパワープレーのチャンスを迎え、久々に盛りあがるクレインズ応援席だが、なんせ雪印の動きが良いもんで、クレインズのパススペースがことごとくかき消され、実らない。結局、このまま1ピリ終了。
シュート数はクレインズ5、雪印13。
雪印がパックを支配しているので、昨日のように反則を犯してくれるわけがない。クレインズは反則1個に止まったが、相手の動きの良さに「キレ」ずに反則を犯さなかったことは評価できる。「いつものクレインズ」の試合になってきた。
ピリ間に某関係者と話す機会があった。「どっちが先に根を上げるか。我慢だよね」とのこと。うん、でも最後に笑うのはクレインズなのだ。そう信じたい。

(2)第2ピリオド
開始早々パワープレーが1分近く残っている。ポイントの位置に居たディックからゴール左に陣取る史郎へ鋭いパスが通ったが、間野が既に体を史郎に寄せつており、ワンタイムでパックを叩き込もうとする史郎との距離を詰め、しかも横になってセーブ。う〜ん辛い。

 5:50 C3 Roughing

気がつくとレフェリーの手が上がっていた。ベンチ前で交代する選手に手を出したのか?定かではないが、本当にこの反則は必要だったのか?。

 6:32 先制される G91

ゴール左のほとんど角度の無いところでパックをキープしていたフィガルーチから、一瞬開いたわずかなスペースを見逃さず、ゴール右脇に居た本多にパスを通しバックドア、かと思ったら、発表はフィガルーチのゴール。おそらくドプソンのエッジかレガースか何かに当たったか?。遠い位置なので判別しかねるが、やはり先制されてしまった。
このゴールで俄然動きが良くなった雪印。攻撃から守備へ、守備から攻撃へといった転換スピードが速く、しばらくはクレインズj防戦一方になる。頼りの一つ目の攻撃が「単発で散発」なのだからいただけない。まだ我慢か。いつかやってくれる。それを信じて私は声を出すしかない。すると、ようやく一つ目の攻撃がつながりを見せてきた。ゴール前方の右ファイスオフサークル付近でコンロイがフリーになっている。雪印DFがすかさず駆け寄る。ダーシはどこだ。どうするコンロイ。

 13:07 クレインズようやく同点に追いつく G15←7←24

ダーシがゴール左サイドに上がってくることを想定したのか、はたまたそこに狙ったのかは定かではないが、まず、シュートを打とうとしたがDFがチェックに来たのでこれを交わし氷上に転がした。その瞬間にパックを叩くコンロイ。すると、若干前に出てきた間野の足をかすめるように(当たったかもしれない)パックがゴール左隅に辛うじて入り込んだ。と同時にダーシがゴール左脇に入った。パックは叩けなかったが結果オーライ。

 14:07 C92 Boading 
 14:07 S22 Spearing(Dubble minor & miss conduct)

どっちが先に仕掛けたか定かではないが、パワープレーを拾った。が、このパワープレーが実らない。特に後半は2つ目が中心となるシフトで対応したのだが、動きが少ないのでパスするしかできない。雪印DFの位置は殆ど変わっていないのだから。とにかく動いてスペースを作らないとシュートなんか打てないよ。
第2ピリオドはこのまま終了。シュート数はクレインズ9、雪印9。まだまだ「我慢」。やはり「3ピリ勝負!」なのだ。クレインズには避けては通れない「宿命」なのかもしれない。

(3)第3ピリオド
 1:28 S58 Chargeing

倒れ込んだのはなんと「タンク斉藤」。しばらく起きあがれない。頭でもやったか?。ようやく立ちあがると右腕を抑えながらベンチへ。大丈夫か。その後、出番が無かったような気がしたが...。この負傷を無駄にしてほしくないのだが、今日はPPが決まらない。

 4分過ぎ 本多にスカートめくりを決められそうになる。ゴール裏から上がって来た本多とはまるで反対の方角に目が行っていたドプソン。パックが体に当たってくれて、これ幸い。

 どっちが先に勝ち越すのか。雪印も1ピリほどの動きの良さは影を潜めており「我慢」が身を結びそうな展開にはなってきた。この局面を打開するのはやはり一つ目だ。飯塚が持ち込んだパックは雪印DFに阻まれゴール脇に流れてしまう。それを素早い動きで拾ったのはダーシ。それをきちんと見ていたか、あるいは「あ、うん」の呼吸なのかは知るよしもないが、パックを拾ったダーシがゴール裏ですかさずパックを戻す。誰もいないところにパックを戻すなんてことはしないはず。そう、その先にはちゃんと「貴方が」待っていてくれたのだ。

 7:08 クレインズ逆転! G15←20←24

もうこれは、ダーシとコンロイの2人の「仕事」。ゴール裏から出たパックをゴール右手前で待っていたコンロイが、わずかに覗いていたゴールの隙間を隠そうと右に寄った間野よりも早く左上スミ(だと思うが)にパックを叩き込んでいた。赤々と灯るゴールランプを心待ちにしてましたよ。
勢いというのは恐ろしい。さらに、この男達がようやくやってくれた。

 8:01 貴重な貴重な追加点 G92←96←20

このゴールの前あたりから兆しは見えていたが、諦めずにパックに食い付いたダーシを褒めるべき。それをゴール前の正和に流し、正和がゴール左手前でフリーになっていた腰越に出す。マークされており、あまりいいパスは出せなかったが、なんとかバックハンドで流し込んだパックはゴールへ吸い込まれていた。本当に「大きな1点」が入った。

 10分過ぎ 「我慢」した甲斐があったか、一つ目が自由自在に雪印陣で攻め込む。思い通りにパスがつながる。得点には至らなかったが時間は刻々とクレインズの勝利をもたらすかの如く、確実に時を刻んで行く。

 17分過ぎ 連敗は避けたい雪印も必死だ。磯部がディックをなぎ倒す。クレインズ応援席からは「ペナルティアピール」をするが、それに答えるかの如く、レフェリーが「ワッシュアウト」のシグナルを出す。プレーが切れるとブーイングの嵐。

 18:47 アイシングの裁定にまたもやブーイング。雪印ゴールラインではパックスピードが「テロテロ」になっていたにも関わらず「セーフ」を取らない。なぜ、あの場面だけアイシングなのか?。それまで、選手が追いつける距離なら「セーフ」にしていたはずではないか。時間が時間なんだからフェイスオフの位置で局面が全く変わってしまうのに、それをおざなり的な裁定で「処理」してしまうのはいかがなものかと。20年前ならなんでもかんでもアイスングだったかも知れないが。何故、オートマチックアイシングに戻したかという意味を今日のラインズマンは再度勉強しなおしてはいかがでしょうか?。で、雪印タイムアウト 終了直後、即、6人攻撃。

 19:20過ぎにパックをディフェンディングゾーンから出し、エンプティネットを再三狙うも、ことごとく外すクレインズ。ま、勝てばいいのだから、3−1が4−1になっても大勢に影響は無いが...。無事にタイムアップ。
 しかし、試合終了を待ちかねたかのように「乱闘」が始まってしまう。特にフィガルーチの暴れっぷリは尋常じゃなかった。中村を一度引っ張り上げて氷上に叩きつけ上から殴る殴る。さらに、試合に出ていなかった橋本が何故暴れているのか?。ま、氷上に居る選手達にしかわからない「火種」があったにせよ「乱闘」はいけない。クレインズの選手がけしかけたかも知れないし、雪印がけしかけたかも知れないし...・そこいらへんの詮索を「部外者」の私がするのは止めておくが、「試合終了後」の「乱闘」ほど醜いものはない。

シュート数はクレインズ13、雪印6。
GBPはコンロイ。

とにかく課題だった「連勝」を見事にクリア。雪印に大きく差をつけた。来年は今のポジションに満足することなく、更に上を目指してほしい。いずれにせよ「まだプレーオフ出場は決まっていない」ということを忘れてほしくない。
でも、貯金2で今年を終えてくれたことがなにより嬉しい。お疲れ様でした。来年も可能なかぎり「追いかけます」。

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